地元散策
私は高校2年生のごく普通の女子高生。
よく天然だ、とか、腹ジロだとか言われるけど自分自身は腹白さも腹黒さも飽くまでも量的なことだとはいえ平均的だし、部活動でちょっと無理してるくらいでないと体力的に他の部員についていけなくなるため、疲れてるせいでおかしなことを口にしてしまうことがあるだけど休みの日に家でゆっくりした後には普通になってるだろう。
体力有り余る青春時代にそれくらいいだろう、どうせ大人になったらそんな機会もやる気も失ってるんだろうから、と楽天的に考えている。しかし最近腰を悪くして病院に通っているのと、こないだ部室に行った時に竹刀が折られていてすごくショックだったが、未だにそれが誰にやられたことなのか分かっていない。
今、私は一人でイタリアンレストランにいて、そのイタリアンレストランのテラスの席に腰かけ、すぐ目の前の青い海やその上を飛び交っているカモメたちを眺めながら、注文したスパゲティを運んでくるであろうウェイターかウェイトレスがやって来るのを待っている。休日でたまにはいいかなと息抜きにやって来た。
「アマルフィー」というレストランで、ちょうど波の音にかき消されないほどの良い音量でBGMとして「Time to say good bye」の曲が流れていて、テラス側にもちゃんと聴こえるようにステレオが設置されている。
なんだかいい曲だなぁと思っていると、いつの間にか知らない英語の曲に切り替わり、少々眠気まなこでウトウトして海を見ていると、時間はあっという間に過ぎてウェイトレスがやって来た。
「こちらミートスパゲティになります、以上でご注文よろしいですか?」
そちらの方を見やると、なんと同級生の知り合いの男子のお姉さんだった。
「あらこんにちは。一人?」
「あ、はは、気晴らしにとでもいいますか」
「注文は以上でいい?」
「はい」
お姉さんはスパゲティの乗った皿の横に伝票を伏せて置いた。
「この後、どこか行くの?」
「いえ、全然考えていません。なんかオススメのコースとかあります?」
「そうねえ、ここから見えるのだとここから地続きになってる右の方の九ツ島と、昔は地続きになってなかったけど今は地続きになっている左の方の八ツ島があるけど、九ツ島にある神社は厄除けに、八ツ島にある神社は縁結びに効くって噂よ」
「お姉さんよく知ってますね。数字的に八ツ島が先ですって言われてる気がするから八ツ島から寄ってみようかなぁ」
「ご自由に。
あ、ちなみに八ツ島から九ツ島に行く往復フェリーがあるよ、帰って来ないのが多いけど」
「へー、そうなんですか、了解です」
私は食べ終わってから少し休んで、お腹がよい具合になってから八ツ島に出かけてみることにした。