…母親の愛情
玲央名が羨ましい明美は、幸せを求めて歩むが…
明美が則正の家に行ってから三ヶ月がたった。明美はあの日避妊をせず中だしをしていた。
明美の計算どおり明美は生理が遅れていた。
明美はすぐさま則正に言った。
きっと喜んでくれる。
しかし、そんな明美の期待は全く違った。
「おろしてくれ。」
則正からはその言葉しかかえって来なかった。
明美は以外な言葉にショックを隠しきれなかった。
そして妊娠を伝えたその日から則正と連絡がとれなくなった。
明美にはお金がない。
なので、子供をおろす余裕など全くなかった。
明美は確認だけするために産婦人科に行った。
明美は妊娠しているのはよくわかっていた。
だから、例え父親がいなくても産む決心でいた。
しかし、医者からは残酷な結果を聞くことになった。
「妊娠はしてます。
しかし、鼓動が全くありません。
つまり流産する手前なんで明日明後日にも中絶が必要です。」
明美はお腹をおさえた。
自分の子供がしんでいる。まだ産まれていないとしても人を殺した。
しかも自分の子供を。
明美は放心状態のまま家に帰った。
手術には10万は必要になる。
そんなお金が今すぐ手に入れるには母親を頼るしかなかった。
明美が今で考え込んでいると母親が帰ってきた。
「電気ぐらいつけなさいよ。」
母親は明美にそういいながら電気をつける。
明美は母親の顔をみるなり泣き出してしまった。
「どうしたの!?」
母親は優しく明美に話しかけて明美の隣に座る。
明美は泣きながらも素直に全て話した。
母親は黙って聞いていたが怒らなかった。
「明美は寂しかったね。
それはお母さんのせいでもあるよ。
でも、子供ってのは子供を幸せにできる時期に産まなきゃ幸せにはなれないよ。お母さん明日仕事休むから一緒に病院に行きましょう。」
母親はそういうと晩御飯の支度をしはじめた。
明美はその後ろ姿を見て産まれて初めて親ってすごいんだと思った。
*これは本当にあった話しです