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悠久の盟約 ~地獄モードを生き抜いた最強ハイエルフは、魂の輝きで仲間を集め『みんなで帰る』クランを築く~  作者: いさな


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第2話 公爵家での日々の始まり

「ここが我が領都のミーディアですわ♡」


僕らがいるのは大きな城壁の前。しかし僕らの馬車は街に入ろうとする人が列をなしている横を素通りしていく。


「並ばないのですか?」


「えぇ、貴族用の検問は別にありますの」


アンゼリカ様は何も知らない僕の疑問にも嫌な顔をせずに答えてくれる。どうやら貴族と平民で門が違うらしい。


「あ、僕身分証とか......」


隣の列で街に入る人が身分証を出したりお金を払ったりしているのを窓から見て、僕も慌ててカバンからお金を出す。


「シオン様の身分はわたくしが保証いたしますわ。ですからお気になさらないで」


「あ、ありがとうございます」


「ふふ♡、これもお礼の一環ですの♡」


おかげさまで特に何もなく門を素通りすることができて、僕らはこの街にそびえる大きなお城みたいなお屋敷に向かって行く。


「あれがお屋敷ですか?」


「えぇ。この屋敷は辺境を守る砦としての機能もありますから、大きいんですの。ちょっと古臭い所もありますけどね」


たしかにお屋敷と呼ぶには少々無骨な感じがするね。でも僕としてはかっこいいと思う。


お屋敷に入って長い廊下を案内された僕は公爵家のご当主様とご対面する。


「あなたがアンジーを助けてくれたと報告を受けましたわ。どうもありがとう」


ご当主様の印象は美魔女って感じで、とても娘がいるとは思えない体つきと美貌だ。それにしても当主様は女性の方か。


「も、もったいないお言葉です」


「客室を用意させましたから、夕食まではゆっくりなさって」


「ありがとうございます」


公爵様は気を遣ってくださったのか、僕を早速客室に案内してくれて、しかも着替えすらないのを知っているのか僕に洋服まで貸してくれた。


客室は高級なホテルみたいな感じで、ソファとベッドがある。しかも大きいサイズの。


「シオン様♡、入ってもよろしくって?♡」


急いで着替えてアンゼリカ様をお部屋に入れてあげたら、僕らはソファに腰かけてメイドさんが淹れてくれるお茶を頂く。


「そのお洋服もお似合いですわ♡」


「お洋服まで貸していただいて、ありがとうございます」


「ふふ♡、命を救われたお礼にはまだまだ足りませんわ♡」


今着ているのは普通のボタンシャツにちょっとゆったりしたズボンだ。


「シオン様はこれからいかがいたしますの?」


「う~ん......」


たしかに『幸せな人生を歩む』以外に目標がない。アンゼリカ様も記憶を失ったっていう設定の僕のことを心配してくれているんだろう。


「シオン様さえよろしければ、我が家にしばらく客人として滞在いたしませんこと?」


「そ、そんな悪いですよ」


「いいえ。貴方は公爵家の嫡子の命を救ったお方。これくらいの礼は然るべきですのよ?」


たしかに大貴族たるアンゼリカ様の命に値段がつけられないのはわかるけど......


「少しの間暮らしてみて決めるというのも構いませんわ」


「じゃあ......お世話になります」


「はい!♡」


僕が公爵邸で厄介になると決めたらアンゼリカ様はすっごく嬉しそうに笑ってくれた。結構気を許してくれてるって考えてもいいかな?


お茶を頂いた後の夕食にはすっごい高級そうなステーキが出てきた。ナイフがぬるっと入っていくし、脂がじゅわっと口の中でとろけてしまった。中世ぐらいの時代感だったからあんまり期待してなかったけど、いい意味で期待外れだったね。


しかもしかも、お風呂まで入らせてくれた。大きな湯船を貸し切りで使わせてもらって完全にリフレッシュだ。


ホカホカの体でベッドの上に転がりながら、アンゼリカ様に問われた通りにこの世界での身の振り方を考える。まだまだ13歳だし、やれることは多いはず。


魔法が使えるんだったら、どこかで雇ってもらって用心棒なんかもアリなのかな?、そもそもこの世界にどんな職業があるのかも知らないからまずはそこからかな。


考えているうちにどんどん瞼が重くなってきて、僕が次に気付いた時にはもう朝日が部屋に差し込んでいた。


「では今日は少しお勉強の日といたしましょう♡、この敏腕教師アンゼリカが何でもお答えいたしますわ♡」


僕は昨日の夜悩んでいたことをアンゼリカ様にご相談してみた。知りもしないことを自分だけで考えてたら埒が明かないからね。そしたら書庫でこの世界のことを教えてくれる流れになった。


魔法があるだけで充分驚きだったけど、この世界には更なる驚きがあった。それは男女比。この世界は男女比が歪なのだ。通りで今まで女性ばっかり見かけてきたわけだ。


「アンゼリカ様、今日はありがとうございました」


「ふふ♡、いいんですのよ♡」


アンゼリカ様にみっちり色々教えてもらって、この世界のことには少し詳しくなった気がする。この世界では男性が貴重だっていうのも含めてね。


「そうですわ♡、シオン様も王都の高等学院を目指すというのはいかがでしょうか?♡」


「高等学院?」


「えぇ、トチーヌ王国一の学院ですの。わたくしはそこに入るのを目指していますわ。受験は来年の春。ちょうど1年くらいですの」


「でも今から勉強しても間に合わないんじゃ......」


「わたくしは問題ないと思いますわ。トチーヌ王国王都高等学院では国外からも優秀な人間を誘致するために、入学試験は基本の文章読解や算術、実技での試験のみですから。その分難しいですけれど」


たしかにこの世界にことに疎くても大丈夫そうな内容に聞こえて来る。


「今日シオン様とお話をした限りでは、世情に疎いだけでかなり難しい内容でも理解はされていた印象です。実技だってシオン様には魔法がございますから」


「......じゃあ、ちょっとだけ頑張ってみます」


「はい♡、共にSクラスを目指しましょう♡、トチーヌ王国王都高等学院では成績順にクラス分けがあるんですの♡、Sクラスは学費が免除ですわ♡」


つまりは特待生ってことかな。せっかくならアンゼリカ様と一緒の所を目指してみるのもいいかも。


「ではシオン様♡、明日からはこの敏腕家庭教師のアンゼリカがみっちり教えて差し上げますの♡」


「お願いします。アンゼリカ先生」


「はい!♡」


そんなアンゼリカ様とのお勉強の日々が始まって数日......問題集をすべて解き終わってしまって早速やることがなくなってしまった。前世では一応大学まで出た身だからね。


「まさかここまでとは思いませんでしたわ......しかし、入学試験には実技もありますの!、これからは魔法の鍛錬ですわ!」


今度は実技試験のための練習をしに僕らは公爵家の騎士団の演習場に移動したのだった。

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