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悠久の盟約 ~地獄モードを生き抜いた最強ハイエルフは、魂の輝きで仲間を集め『みんなで帰る』クランを築く~  作者: いさな


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第18話 極彩色の炎が灯した命

「ここはあたいらの狩場だ!」


「何言ってんのよ!、迷宮にそんなもんないでしょうが!」


みんなで仲良くフルーツ狩りをしていたら、近くで冒険者同士が言い争っている声が聞こえた。僕らはみんなで頷き合ってその場をこっそり通り過ぎてさっさと次の階層に向かった。関わるべきじゃないってみんなが思ってた。


「ていうかみんな暑そうだよね~、あたしらもシオンの魔道具なかったら汗べったりか~」


「もうシオンくんなしじゃ生きていけないよ♡」


「うぐぐ......シオン殿に甘えるか......それとも己の鍛錬のために......」


「イザベラさん、暑さに耐えるのは鍛錬じゃなくてやせ我慢って言うんだよ。それに甘えることは悪いことじゃないと思うな。はいコレ」


僕は皆に半凍りにしたフルーツで作ったシャーベットを配って一休みする。


「ちゅめたくておいひい♡」


皆シャーベットを気に入ってくれたみたいでパクパク食べてくれている。


熱帯雨林の中にはまるで白亜紀の恐竜みたいな魔物がいて、茂みに潜みながらこちらを狙って来る。


「アイスランス!」


でもユナちゃんにも魔力探知を教えているから茂みに潜んだって不意打ちも効かない。後ろから魔導士だけ狙おうったってそうはいかないのだ。


=====================================


side一般女性冒険者


「あのステーキの坊やたちもここまで来たのか」


昨日シオンにステーキを焼いてもらった冒険者も迷宮の第2エリアの熱帯雨林エリアに進んで狩りをしている。


「というかなんで汗一つかいてないんだ......?、イケメンは汗かかないみたいなやつか?」


シオンだって暑かったら汗をかくし、ただの魔道具のおかげなのだが普通の冒険者の彼女にはそんなことわからない。


「と、とっとと先に進むか......」


最後に羨ましそうにシオンたちを一瞥した女性冒険者はより深い階層を目指して歩みを進めるのだった。


=====================================


「さて!、ボス部屋行きますか!」


僕らは魔道具を駆使してガンガン進んで早くも2エリア目のボス部屋までやって来た。


「グルァァァァァァァァ!!」


僕らに立ちはだかるのは巨大なティラノサウルス。しかも口から火を吐いている。


硬い鱗の前にはイザベラさんの刀やリゼの弓はあんまり効果がない。そもそもが巨体だからかゆい程度なんだろう。


「イザベラちゃん退いて!、ファイアストーム!」


イザベラさんが交代した瞬間にティラノサウルスが炎に包まれる。かなりの火力で熱気が伝わってくる。


しかし自分自身が火を使う生き物だからか、炎はあんまり効いていない様子。


「目ん玉ならどうよ!」


リゼが正確にティラノサウルスの目を射抜いて片目を潰す。これで相手はかなり弱体化したはずだ。


「ユナ!、もう一回!」


「うん!、今度は氷で......アイスコフィン!!」


ユナちゃんの魔法でティラノサウルスの体が足元からだんだん凍っていく。魔物がそうかわかんないけどティラノサウルスは変温動物だろう。寒気には弱いはずだ。


「もう、少し......!!」


ティラノサウルスの全身が氷に閉じ込められて、乾いた音が響くとともに氷が割れた。


「やったね!、シオンに頼らずにあたしたちやれた!」


「うん!」


「そうだな!」


3人ともうまく連携が決まって大喜びだ。見ていてドキドキしたけど、3人を信じて手を出さなくてよかった。


「ふぃ~♡、ちかれた♡」


セーフエリアでテントを設営した僕らはいつもの快適空間でゆっくりくつろぐ。


「さっきのボス戦はかなりうまくいったよね!、あたしとイザベラちゃんが敵の注意を逸らして、ユナが決めるって感じ!」


「うんうん!、でも私は相手の属性相性とかもっと勉強しなきゃなって思った!」


「我ももっと鍛錬を積まなくては......武器強化が甘い」


いい所も悪い所も見つかったいい戦いだったから成長にはつながったと思う。


「お風呂入ろ~っと♡、シオン♡、覗いてもいいんだよ?♡」


「覗かないよ!」


「ちぇ~」


残念そうなリゼは放っておいて、僕はお風呂上がりに食べるシャーベットを作っておく。


「シオンくん♡、このフルーツおいしいよ♡、あ~ん♡」


「あ、あ~ん」


「シオン殿、こちらの果実もなかなかの味だ」


「う、うん」


2人に左右からフルーツをつまみ食いさせてもらいながらフルーツを剝いて凍らせていく。


「なんかあたしがいない間にイチャイチャしてた声聞こえてたんですけど!、あたしもあ~んする!♡」


リゼにも食べさせてもらって、順番にお風呂に入ったらみんなでご飯にする。テントの中じゃ煮炊きはさすがにできないから毎回テントから出てご飯を食べている。


「すまない!、誰か!、誰か回復魔法を使える人はいないか!、ポーションでもいいんだ!」


ご飯にしようと準備をしていたら階下から大騒ぎで人が上がってきた。


「ピッ!」


「行ってみようって?」


「ピッ!」


ニジハが気になるみたいで僕の肩で鳴いている。人混みの方へ進んでいくと、床に血だらけの人が横たわっている。


=====================================


sideアネット


最悪だ。あんな巨大なドラゴンに遭遇するなんて。まだ3エリア目だぞ!


私は横たわるカミラを見ながら己らの不運さを呪う。


「すみません......私にはこれぐらいしか......」


「いいんだ、ありがとう......」


1人、また1人と回復魔法が使える冒険者がカミラを治そうと試みてくれるが、一向に傷はふさがらない。それもそうだ。ここは2エリア目のセーフエリア。そんな高位の回復魔法が使える冒険者は転がっていない。


「僕も回復魔法使えます!、通してください!」


人混みをかき分けて私たちの前に出てきたのはまだ15歳くらいの若いエルフの......少年だろうか?


「ありがとう......君も回復魔法が使えるのか......」


カミラもきっと嬉しいだろう。こんな美しいエルフに看取ってもらえるのだから。だがせめて、せめてカミラの槍だけは後で墓に入れてやりたい。


「ピッ!」


少年の肩で色鮮やかな小鳥が鳴いたと思ったら、カミラの傷口が極彩色の炎に包まれた。


これが回復魔法......?、長いこと冒険者をしているがこんなの初めてだ......もしかして、この少年なら本当に......


みるみる炎が小さくなって、少年が『クリーン』の魔法をかけると血みどろの服が新品のように綺麗になり、裂かれた隙間からはカミラの細く引き締まったお腹が見える。


「ありがとう......!、ありがとう......!!」


私はただ涙を流しながら少年のことを抱きしめることしかできなかった。

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