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下着モデル潜入捜査官レイラの事件簿  作者: 茜見零
事件簿No.8 ネクリの休日
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第87話 光る洞窟の中で



 広い、薄くぼんやりと明かりのある洞窟で。


 取り残されたレイラとネクリ。


 座り込んで、しばらくは無言。


 ややあって。


 「いったい何だったんだろ、あの亀」


 と、レイラ。


 「本当にあの亀、竜宮城だかなんだか知らないけど、ここに私たちを連れてくるのが目的だったみたい」


 岩亀の習性。何か知ってることがないか、必死に思い出そうとするが、何も出てこない。亀なんてペットショップか水族館でだけ見るものだと思っていた。


 ネクリは、キョロキョロと周りを見回している。


 「洞窟の岩が、所々、光っている。これって何なんだろう?」


 「うーん」


 レイラも洞窟をぐるっと見回し、


 「発光生物じゃないかな。苔とか。海の中にも、光る生物って確かいたよね」


 洞窟の中を照らすぼんやりとした光。こんなの見るの初めてだけど、そうとしか考えられない。


 せめて携帯端末(パッド)があれば、何でも撮影(スキャン)してすぐ検索して調べられるのに。いや、それ以前に携帯端末(パッド)があるなら、すぐ救援を呼んで、無事解決するんだけど。



 ◇



 「これから、どうしよう」


 ネクリが、当然の疑問を口にする。


 「ここにいれば溺れることは無い。でも、救援は来ない。そうだよね」


 と、レイラ。


 洞窟の奥まで流されてきた。とにかく外に出ないことには話にならない。外に出て、気長に誰かが通りかかるのを待つ。それしかない。


 外に出る。


 来た道は?


 海から洞窟に入って、すごい急斜面激流を下ってやっとここに着いてーー


 「あれ?」


 レイラは、気づく。


 洞窟は、急斜面になって、地底に伸びていた。洞窟の入り口は、半分海水に浸かっていた。だったら洞窟は海水でいっぱいになるはずだ。


 「ここって海面より下なのに、なんで海水が来ないんだろう。大きな空気溜まりみたいなものなのかな」


 わからない。レイラ、この辺の知識はあやふや。ネクリも首をかしげている。さっぱりわからない。


 なんであれ、ここにいれば息ができる。それだけは確かだ。


 問題はどうやってここから出るかだけど。


 レイラは、また考える。


 来た道を戻るのは。


 激しく降る激流の中を逆に登る。そして海面に出たら、さらに無人島の周囲の断崖を上ってーー


 無理。絶対無理。


 ネクリがいなくても、レイラ1人だって、だめだ。


 他の方法を考えなきゃ。



 ◇



 「レイラ、見て」


 洞窟の奥を見つめていたネクリ、立ち上がる。


 「あっち、まだ奥に続いてるよ。行ってみよう」


 洞窟の奥。よく見ると、確かにまだぽっかりと穴が開いている。その向こうがどうなってるのか、わからない。真っ暗闇の世界。


 でも、行くしかない。


 来た道を戻る事は、できないのだ。とにかく行ける道を、行ってみるしかない。


 「そうだね。ネクリ、行こう」


 レイラも立ち上がった。


 うん?


 ネクリが、レイラの手を握った。やっぱり怖いんだ。当然だろう。


 「レイラ、ありがとう」


 洞窟の奥を見つめたまま、ネクリが言う。


 「え?」


 レイラは、ネクリの横顔を見つめる。


 「ありがとうって、何が?」


 「亀に沖に連れていかれた時、レイラだったら、海に飛び込んで1人で泳いで岸に戻れたんじゃない? 私のこと心配して、一緒に来てくれた。そうなんでしょ?」


 「あはは、そんな」


 レイラは、首を振る。


 「そんなことない。急なことで、私も慌てちゃって、どうすることもできなかったの。それだけ」


 「そう? さっきだって、すごいスピードで落ちる時、私のことを必死に庇って守ってくれたよね。本当にありがとう」


 「ううん、なんでもないよ。そもそも、立入禁止区域(エリア)にあなたを連れて来ちゃったのは、この私だし。本当にごめんね」


 「謝らなくていい。私、レイラと一緒にいれば、何があっても絶対大丈夫、そんな気がするの。それに」


 「それに?」


 「さっき、レイラ、私にしっかり覆いかぶさってくれたよね。レイラの胸、ずっと私の背中に押し付けてたよね。本当にすっごく大きいんだね。びっくりしちゃった。本当にうらやましい」


 「そ、そんなでも」


 レイラのメロン(サイズ)(バスト)。ネクリは気にしてるんだ。


 「さ、行こ」


 レイラは、ネクリの手をしっかりと握ると、洞窟の奥へ歩き出す。



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