表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
下着モデル潜入捜査官レイラの事件簿  作者: 茜見零
事件簿No.7 瀕死の下着モデル
81/179

第81話 カフェでの作法



 「ちゃんとお礼するから。何がいい?」


 レイラは、笑顔で言った。やっぱり借りはちゃんと清算しておかなきゃ。


 ギルバンは、ニヤリと。


 「話のわかるお嬢さんだ。では、夜のお相手を」


 

 ベシッ、



 レイラは、ギルバンをひっぱたいた。


 「あのさ、あなたに助けてもらった事は、本当に感謝している。でも、助けてくれたからって、きちんとした態度を取らなくていいってことにはならないんだから。そういう口の利き方、最低。わかった?」


 きっと睨みつけるレイラ。


 「うん……冗談だよ」


 ギルバンは、赤くなった頬を擦る。


 「この前は殴ってきたのに、今度は平手打ちか」

 

 「あなた、言ったじゃない。男を殴るなら本気で殴れと。私、今、あなたの顔を本気で撃ち抜きたくないの。大恩人だしね」


 「優しいんだな……ま、本気で殴ってきたら、きっちり防御(ガード)するぜ」



 ◇



 結局。


 2人は喫茶店(カフェ)へ行った。ギルバンがそれでいいと言ったのだ。レイラはなるべくおしゃれな喫茶店(カフェ)を選ぶ。


 ギルバンは、コートと帽子のまま、席に座った。レイラはその正面に。



 「本当にコーヒーだけでいいの?」


 「ああ」


 ギルバンは、ソフト帽をちょっと持ち上げた。


 「姫にコーヒーを奢ってもらえるなんて、この身に余る光栄に存じます」


 「もう」


 レイラは、ふくれる。なんだかほんとに油断できない男だ。からかってるのか。それでいて鋭い目つきをしている。



 頼んだブラックコーヒーが来ると。ギルバンは、ポケットからウイスキーの瓶を取り出し、どくどくとコーヒーカップに注ぐ。


 レイラは呆れた。


 「そういうの、すっごく下品だから。こういう喫茶店(カフェ)でしちゃダメ」


 「俺は、どこでもしたいようにするのさ」


 ギルバンは、うまそうにウイスキー入りのコーヒーを飲む。


 喫茶店(カフェ)のウェイトレスは、見えないふりをしていた。


 レイラは、自分のカフェオレを、啜る。


 どういう2人組だと思われているんだろう。


 こいつとカップルだと思われている?


 それは、ちょっと……



 ◇



 本当にコーヒー1杯だけで、ギルバンと別れた。


 連絡先(アドレス)を交換しよう、とギルバンは言った。


 「何かあったとき、コーヒー1杯で、美女を助けに飛んでくる男がいるっていうのは、役に立つものだぜ。お嬢さん、あんたはなんだか途轍もない厄介事に進んで飛び込んでいく性格に見えるしね」


 レイラ、うぐぐ、となる。


 途轍もない厄介事に飛び込んでいくか。そりゃ、刑事だからそうだけど。今の下着モデル潜入捜査も、自分の判断でやっていることだし。


 「ねえ、ギルバン」


 レイラは言った。


 「今の時代わかっているの? いいえ、50億年前だって、美女だからとか、美女じゃないからとか、そういう言い方、すっごく寒いんだから」



 2人は連絡先(アドレス)を交換して別れた。


 別にレイラから連絡するつもりはなかったが、ギルバン、かなりの手練な私立探偵。この男とは、またどこかで出会う予感がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ