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下着モデル潜入捜査官レイラの事件簿  作者: 茜見零
事件簿No.7 瀕死の下着モデル
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第79話 数列家協会の依頼



 探偵。私立探偵。


 ずいぶんいろんな種類がある。


 怪しげな裏稼業の連中から、かなりまともな人間まで。


 まともな探偵とは、宇宙警察も手を組んでいる。宇宙は広い。警察だけでは、とても市民の安全を守る手が足りないのだ。


 宇宙警察は、探偵や警備会社に一定の基準を設けて審査を行い、業務の一部委託をしているのだ。


 民間人でありながら宇宙警察の認可証を持ち、一定の捜査権を認められた探偵もいるのである。





 ギルバン。


 レスタードの確保とレイラの安全を確認すると、おもむろにズボンのポケットから、平たい瓶を取り出す。


 茶色の液体が入っている。 


 ギルバンはボトルのキャップを開ける。つんとした匂いが鼻につく。


 ギルバンはボトルを口に持っていくと、ぐっと飲んだ。


 強い香り。ウィスキーだ。


 自分が飲むと、ギルバンは次にレイラにウイスキーのボトルを差し出す。


 「飲むか? 頭がすっきりするぞ」


 「あ、いいえ。私は」


 レイラはウイスキーどころではなかった。


 もう頭がぐちゃぐちゃな。


 この男、ギルバンが、れっきとした宇宙警察の認可探偵ってこと?


 レスタードの確保が仕事だと言っていた。で、今、一仕事終えた。それでさっそくウイスキー? これがまともな探偵なの?


 言いたいことがいっぱいあったが、とりあえず訊く。


 「あなた、レスタードの確保が任務だったのね? 数列家協会とは、カオリとは、いったいどういう関係なの?」


 「ああ」


 ギルバンは、造作もないというように答える。


 「このレスタードは」


 床に寝そべる教授を一瞥する。


 「ここから遠い星の大学で数学の教授をしていた。そして数列家だった。数列家のことはあんたも知ってるだろ? この男は優秀な数列家だったそうだ。俺も数列のことには詳しくないけどね。ところが研究を続けるうちに、大それた妄想にとりつかれてしまった。数列で全宇宙を支配する、そう言い出したんだ。数列家協会は困った。我々は宇宙の平和を乱すために活動しているのではない、と教授の意見は、当然却下された。ところがレスタードはあきらめなかった」


 数列家協会の現状に飽きたらないレスタードは、協会の機密データをごっそり盗み出すと、姿をくらました。


 慌てた協会は、私立探偵ギルバンに、捜索を依頼した。数列家協会内部の機密が関わっているだけに、警察には相談しにくかったのだ。


 「そこで俺が突き止めたんだ。レスタードがこの星にいることをね。ずっと前からここに隠れ家を作って、逃亡する準備を進めてたんだ」


 シン・トーキョー星のレスタードの隠れ家を突き止めたギルバン。身柄を確保すべく、数列家協会に連絡した。


 数列家協会からは、レスタードの身柄を確保し機密データを取り返すにあたり、1人では危険だ、なにしろ相手は数列家である。一般人には想像もつかぬ能力を持っている。必ず誰か数列家と一緒に行かなくてはならない、とギルバンに伝えてきた。


 一緒に行くようにと数列家協会が指名してきたのは、シン・トーキョー星に住む数列家のカオリだった。


 「それで今日、カオリのところにいったんだ。ところがすごい熱を出しててね。譫言ばかり言っていて、とても出動できる状況じゃない。協会に連絡したら、それは数列熱だ。数列家が時々なる症状だ。3 、4日すれば治るから、そしたら一緒に行け、そう言われたんだ。一旦タワービルを出て、どうしようか考えていた。それでお前に会ったんだ」


 話を聞いたレイラ、本当に体の力が抜ける。


 なんだ。そういうことだったんだ。 


 やっぱりこのレスタードは数列家協会と対立していて、カオリとギルバンが対決し確保するために、一緒に行く予定だったんだ。


 ああ、もう。


 私、1人で何を騒いでいたんだろう。



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