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下着モデル潜入捜査官レイラの事件簿  作者: 茜見零
事件簿No.6 下着モデル密室消失事件
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第49話 消えたモデルの行方



 レイラは、考えていた。


 ミレイヌの醜聞(スキャンダル)


 エストの言っていたことが事実なら、遅かれ早かれ露見するだろう。揉み消すのは、難しい。


 そもそも、エストがどこへ消えたのか、わからないけど。


 こういう場合は。まず、わかることから考えてみよう。


 エストは、ミレイヌの重大な秘密を握っている可能性がある。それはミレイヌの成功した現在を、危うくするものだ。


 すると、どういうことが考えられるか?


 ミレイヌは、自分にとって危険な事実を揉み消したい。そのためにはエストを?


 嫌な想像だ。ちょっと飛躍しすぎかな。


 しかし。


 レイラは、刑事である。どんなに考えたくないことでも、そこに合理的可能性があるならば、追わなければならない。そうすることで、最悪の事態が防げるかもしれないのだ。


 エスト。パーティー会場では、取り乱していた。情緒不安定。しかし言っていることが本当なら、また、ミレイヌに会いに行くだろう。そして、ミレイヌの棄てた娘だというエストと、ミレイヌが、きちんと会って話をしたら。


 うまく話が行って、穏便に済むのだろうか。


 もし、話がうまくいかず、決裂したら。ミレイヌはどうする? エストの口封じをする?


 うーん。


 やっぱり危険な方向へ考えがいってしまう。


 レイラは、胸騒ぎを覚える。


 今日、エストに会ったのは、ミレイヌにとっても意外だったはずだ。間違いなく、本当に驚いていた。エストは、パーティー会場を駆け出して、消えた。行方については、ミレイヌも知らないはずだ。今すぐどうかなるという事はない筈だ。

 

 もちろん、これから事件が起きるのか、いや、そもそも、これが事件なのかすらわからないけど。


 これ以上、モデルの失踪行方不明はごめんだ。



 「レイラ、明日の撮影、やるんだってさ」


 話しかけられた。ネクリだ。


 「え? そうなんだ」


 今日の夜、ミレイヌのファッション情報配信局8周年パーティーがあり、このままホテルで一泊して、明日は、そのままモデルたちの撮影の仕事が入っているのだ。もちろんミレイヌの配信局の仕事である。ドン・ハルキサワ事務所にとっても、大きな、重要な仕事だ。


 スケジュールは問題なく続行というわけだ。


 確かに。何があったのかというと。


 パーティー会場で、1人のモデルが、あらぬことを口走った。そして出て行った。ただ、それだけだ。これ以上、どうということはない。エストの話を聞いていたのは、ごく1部の人間だけだ。


 ミレイヌもその後、何事もなかったように気丈に振る舞っていた。パーティーは大成功だった。


 エストの振る舞い。下着(アンダーウェア)モデルの世界。まだ10代の女の子である。仕事の緊張だストレスだなんだで、急に情緒不安定になったり、パニックになる子はいる。体調を崩したり、仕事に来なかったり、連絡が取れなくなったり、逃げ出したりする子もいる。いろいろある世界なのだ。


 1人出て行ったからといって、全体の仕事が止まるわけは無い。世界は何も変わらない。トップモデルの世界。出入りは激しいのだ。


 「ルイーザさん、言っていたよ。エストのことは、これからもしっかり探すし、連絡がついて戻ってきたらきちんとフォローするから、今は目の前の仕事にみんな集中してって」


 と、ネクリ。


 そうだ。これは正しい判断。


 まだ、警察に届けるような段階でもない。事件にもならない。無駄に騒いでも仕方がない。


 事務所のモデルたち。みんな、気持ちを切り替えようとしている。



 ◇



 レイラは、気になっていた。胸が落ち着かない。


 下着モデルの失踪事件の捜査で、この事務所に潜入したのである。そこでまた、モデルが消えた。ただ突然情緒不安定になって混乱して、出ていっただけ、それならいいんだけど。


 せめて、密室密閉空間からの消失の謎だけでも、解けないものだろうか。それが分かるだけでも、安心できるんだけど。


 考え込むレイラの目に。


 大きな控え室の隅にいるカオリの姿が目に止まる。

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