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下着モデル潜入捜査官レイラの事件簿  作者: 茜見零
事件簿No.5 氷点下の下着モデル
42/181

第42話 流されモデル



 


 「ほらー、みんな、集まってー、遊びに来てるんじゃないんだからねーっ」


 後ろから、ルイーザの声。


 「さ、戻ろう」


 レイラ、カオリの手を引いて、歩き出す。



 その時。



 ゴオオオオオッーン!



 空に大きな音が響いた。破裂音? 振動で地表までビリビリする。


 

 ピカッ!



 空いっぱいに光。天と地を貫き、裂いていく。


 「みんな、伏せて!」


 ルイーザの絶叫。


 事務所の撮影スタッフにモデルたち、慌てて氷原に伏せる。


 レイラは、カオリを抱えて伏せた。


 「なんだろう、今の。雷?」


 「いいえ」


 と、カオリ。落ち着いている。


 「雷なら、まず光が来て、その後に音です。今の音と光は。プラズマ放電の逆流です」


 「プラズマ? それって何だっけ。そんなのよくあったっけ?」


 「いいえ。めったにあるものではありません。そして、これは予測できないものです。私も初めてみました。星の極点から宇宙への電流放射が、ごく稀に、宇宙空間の電磁場の状況によって、跳ね返されることがあるのです。それがこの現象です。起きた現象としては、強力な雷が落ちた、そう考えてよいと思います」


 「ふうん、滅多に見れない自然現象なんだ。これ、危険なんだよね」


 「ええ。でも、直撃する可能性はほとんどありません。今回は、だいぶ近くに落ちたようですが。一度発生したら、続けての逆流放射は、もうありません」


 「そっか、もう安全なんだね」


 レイラ、立ち上がる。


 カオリは、氷原に座ったまま。


 

 モデルやスタッフたちも、そろそろと立ち上がっている。もう安全でいいのかな? 戻らなきゃ。すごいスペクタルだった。リョウタは、ばっちり撮影したのだろうか。


 

 バキッ



 大きな音がした。


 なんだ。レイラは、あたりを見回す。



 バキッ、 バキッ、



 不気味な大きな音が続く。


 「ええっ!」


 レイラの目の前。


 氷原に大きな亀裂が走る。それは見る間に黒い谷間となり拡がり、


 「なに? どうなってるの?」


 レイラの、足元がグラつく。


 「うわっ」


 氷原に片膝をつくレイラ。また何か起きた。カオリを抱える。


 目の前にできた氷の亀裂、そして谷間。それは広がり、どんどん向こう側と距離が離れていく。


 「あっ!」


 やっとレイラは気づいた。


 レイラとカオリは海のすぐそばまで来ていた。


 その足元、今のプラズマ逆流放射の直撃の振動で、氷原の縁にヒビが入り割れ、レイラたちいる場所は小さな浮かぶ氷山となって、海に流されているのだ。


 速いスピード。氷海、結構流れが速いの?


 遠くでルイーザが叫んでいるが、もう聞こえない。


 どうしよう。


 小さな氷山に乗って、カオリと一緒に漂流。


 身に付けているのは、撮影用の下着とミュールだけ。


 氷点下の世界で命綱の温油(ホットオイル)


 確か。


 30分しか保たないんだっけ。


 その時間が過ぎたら。


 ええ! これ、まずくない!?


 

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