表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
下着モデル潜入捜査官レイラの事件簿  作者: 茜見零
事件簿No.10 盗まれたショーツ
117/195

第117話 現れた調査員



 調査のための別室。


 「よう。レイラ。また会ったな。疑われているのはお前か。びっくりしたぞ」


 レイラの前に現れたのは、


 「ギルバン!」


 唖然となる。


 ギルバン。


 宇宙警察公認の探偵許可証を持つ、私立探偵。間違いなくその男だった。


 レイラと同じ年頃の、長身の男。


 今日も、黒いソフト帽に、黒いトレンチコートを着て現れた。


 レイラ、開いた口が塞がらない。目を白黒させる。


 ギルバンは、レイラと机を挟んで、正面に座る。


 

 ◇



 「……なんで、あんたが?」


 レイラ、やっとのことで自分を取り戻す。どういうことかは、まだ理解できない。


 「これは、企業案件だ」


 ギルバンは、応える。


 「企業の重大の機密事件を、極秘調査するように依頼された。俺はクレオラント社とも契約してるんだね。呼び出されて、すっ飛んできたわけだ」


 

 企業案件。今回の場合、大企業が巨額資金を投入して開発した新素材が、発表前に、紛失した。盗難を疑われる案件である。


 つまり、企業スパイ。


 それを前提に、ことが動いている。


 最新の研究開発の成果は、莫大な利益につながる機密情報であり、トップシークレットであった。それが盗まれたとあっては、大問題だ。企業の命運を左右する問題になりかねない。


 盗難事件といえ、こういう場合、企業は、正式に警察に被害届を出し、捜査を依頼する事は無い。警察に捜査依頼すれば、取引先や出入り業者を公然と疑うことになり、さらには自社の機密管理、警備(セキュリティ)が杜撰であると認めることになる。これは投資家の心理に悪影響を与える。機密情報の漏洩を許す企業となれば、信用度はガタ落ちになる。盗難の被害者とはいえ、事を公にするのは、マズイ。それが、現実であった。


 一方、内部調査は、厳正に行わなければならない。


 そこで、民間の調査員が活躍するのだが。



 「なんで、よりによってこいつなの?」


 レイラの疑問符、どんどん増える。


 「ん? なんだ?」


 と、余裕の表情のギルバン。


 「俺はこれでも、業界で評判が良いんでね。あっちこっちから、ひっぱりだこさ」


 「そう……なの?」


 と、レイラ。まだ、半信半疑である。


 「あんたみたいに、ウイスキーの匂いをプンプンされている若造が宇宙トップの女性物下着レディースアンダーウェアメーカー、クレオラント社に雇われているなんて。私立探偵業界って、いったいどうなってるのかしらね」


 「俺に期待されているのは、成果だ」


 ギルバンは鋭く言う。


 「さっそく今日、重要な成果、収穫があったぞ」


 「……なに? あんた、今ここに来たばっかなんでしょ? まだ調査もしない内から、いったい何がわかったっての?」


 「うむ。レイラ、お前、下着モデルやってるんだな? しかも、ドン・ハルキサワ事務所の。驚いたぞ、本当に」


 「え? そっちのこと? うん。確かに下着モデルだけど」


 そうだ。ギルバンとは何回か顔を合わせたけど、こっちが下着モデルをしてること、言ってなかったんだ。もちろん刑事の正体についても、隠している。


 こいつにいろいろ詮索されると……ちょっと面倒かな。


 レイラは動揺を気取られぬように、あえて強気な口調で、


 「なによ。私が下着モデルがやってちゃ、悪い?」


 「うーん」


 ギルバンは、レイラのメロン(サイズ)(バスト)を見つめ、


 「お前じゃ、下着より、中身をアピールしちゃうからな。あんまり向いてないと思うぞ」


 「なんですって!」


 レイラ、きっとなる。


 「あんた、今、仕事中なんでしょ? そういう発言て、服務規定違反よね? ふざけた口利くなら、宇宙警察へ通報して、探偵証を取り上げさせてやるんだから!」


 本当は殴ってやりたいところだが、今、取り調べを受けている立場である。調査員を殴るのは、いかにもまずい。


 ん? でも。


 ふと、気付いた。お前じゃ、下着より、中身をアピールしちゃう。ギルバンは、そういったよね。ひょっとして、これ、この男なりの褒め言葉だったりするの? 微妙にドギマギするレイラ。


 「レイラ、お前こそ、刑務所行きにならないように、気を付けろよ」


 ギルバンは、平然としている。


 「さ、調査といこうか」


 私立探偵の男の目が光る。鋭い視線。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ