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下着モデル潜入捜査官レイラの事件簿  作者: 茜見零
事件簿No.9 リョウタの災難
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第101話 爆弾画像



 女性下着レディースアンダーウェアの世界で宇宙にその名を知られたドン・ハルキサワ事務所は、朝から騒然となっていた。



 「ねえ、見た?」


 「うん。びっくりした。なんだろう?」


 「リョウタ、さすがにまずいんじゃないの?」


 「まだ、決まったわけじゃないよ」


 「でも、リョウタ、前から女の子にだらしないしワキが甘いから、いつかやらかすんじゃないかと思ってたのよね」


 モデルたちは口々に。あちこちでリョウタの話題でもちきりだ。


 

 ドン・ハルキサワ事務所の通信(メッセージ)リストに、とんでもない投稿があったのだ。


 ベッドインしている、リョウタと、女性の画像。


 そして、


 「令嬢の身体を奪ったこと、再び近寄るなら、厳しく詮議する所存。もう当家とは、決して関わらぬように」


 との一文が添えてあった。



 ◇



 「僕は何もしていません! 本当です。信じてください」


 リョウタは青くなっていた。


 リョウタはドン・ハルキサワ事務所専属のカメラマンである。下着モデル撮影については、第一人者であった。ドンの信頼厚い、芸術家気質の職人。撮影の腕前については、誰もが認めていたが、


 「あなたねえ、とうとうやってくれたのね」


 リョウタを呼び出した事務所のNo.2で副社長のルイーザは、詰め寄る。事務所の経営面は、実質的にルイーザが切り盛りしていた。トラブルの対処も、ルイーザの仕事。


 「ルイーザさん!」


 リョウタは、叫ぶ。


 「信じてください! 絶対、何もなかったんです! 今回については」


 「今回については?」


 ルイーザ、不審のまなざし。


 リョウタ。凄腕カメラマンだが、前から女の子にだらしないところがあったのだ。とにかく、すぐ声をかける。あまり後先のことを考えずに行動する。別に女の子と付き合う事はいいけど、業界人として、ハメを外しすぎると、問題になる。


 「いや、その、いつも、僕は問題は起こしていません!」


 「うーん、そうだけどね」


 ルイーザ、眉を寄せる。


 「わかってると思うけど、ファッション業界ってイメージ商売なのよ。イメージが命。うちは女性下着レディースアンダーウェアの仕事だからね。女性に嫌われるイメージがついたら、それでおしまいなの。そこんとこ、いつも頭に入れておいてくれないと。しつこく言ってるでしょ」


 「え、ええ、だから、これは本当に」


 「ふーん」


 ルイーザは、問題の画像に目を落とす。


 「確かに、これだけじゃ何とも言えないわね。まだ、どうこうって話じゃない。でも、わざわざこういう画像を送ってくるってことは、何か考えてるってことだよね。これで終わりになるのかな。それならいいけど。あなたのことを心配してるのよ。ドンはあなたのことをすごく買ってるんだから。だから、自重してっていつも言ってるの。ちゃんと期待に応えてね」


 「あ、はい、僕は本当に潔白でーー」


 「うん。わかったから。とりあえず、今はね」


 と、ルイーザ。


 まだ大事になる状況でもない。ひとまず、様子を見よう。


 「じゃ、仕事に入って。モデルたちには、動揺しないように言って、私から言っておくから」


 仕事モードのルイーザ、テキパキと動く。



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