ソラと遊ぼう
「これからサニアは何するんだ?」
なんとなくサニアの今日の予定を聞いてみるカルドラ。
「今日はこれから魔法陣の解析を進めようと思ってます。昨日寝る前に4層の解析が終わったのでこれから5層の解析に入りますよ。2人に意見を貰うようになってから本当に順調です♪」
うれしそうに報告してくれるサニア。
2日前は魔法陣のことでかなり悩んでいたみたいだったので、今のサニアの表情を見ると本当に安心する。
「あとはアイーシャさんが起きる前にクオーツサラマンダーの内臓とお肉の調理もしたいですね。ここのキッチン借りられるかしら…」
「あぁ…。例の珍味か…」
サニアは昨日、解体受付のおっさんにクオーツサラマンダーの調理方法を熱心に聞いていた。さっそく試したいのだろう。
その時におっさんの横にいた女性職員に珍味の味についてこっそり聞いてみたのだが、「お答えしかねます」と言われたのですごく怖い。
「まぁ借りられなくてもどこかの空き地で調理してくるので楽しみにしててください♪」
「あぁ…。内臓以外は楽しみにしてるよ…」
サニアは簡単な調理器具をポケットに入れて持ち歩いているのでどこでも調理できる。この町までの道中はサニアの料理にそれはもう助けられた。初めは野外でおいしい料理が食べられるのがどんなに幸せかをアイーシャと熱く語り合ったほどだ。
なので珍味の内臓以外は普通に楽しみである。
「カルさんはこれから何するんです?」
今度はサニアが尋ねてくる。
それを聞き、ベッドの上で丸くなっているソラを見ながら答える。
「おれは今日1日ソラと遊ぼうと思ってるよ。この町に来てからあんまり構ってやれてないしな」
思い返してもこの町に来てからソラと一緒にいる時間は極端に短くなっている。
カルドラたちが坑道に入ったりギルドに長時間滞在したりしているのもあるが、ソラ自身もカルドラから離れて行動することが増えたのだ。
暗くなる頃にはちゃんとカルドラのところに戻ってきて甘えるのだが、それまでどこで何をしているのか全くわからない。
「そうですね…。昨日も依頼の関係で町に残ってもらっちゃいましたし…。いっぱい甘やかしてあげてください」
「あぁ。そうするよ」
そしてサニアは「そろそろ戻りますね」と言って部屋を出ていった。
サニアを見送り、さっそくソラを構おうとベッドへ振り返る。
すると…。
「ピー!」
「うわ!」
さっきまで丸まって寝ていたソラがカルドラの顔面に突進してきた。
びたっと顔に張り付くソラを撫でつつ頭に移動させる。
「はは! おはようソラ。元気いっぱいだな!」
「ピ!」
そのままベッドへ座り、ソラと戯れる。
「ソラ~、今日はいっぱい遊ぼうなー」
「ピ~♪」
嬉しそうに転がるソラ。そんなソラを微笑みながら転がすカルドラ。
しかし急にソラが何かに反応したかのように立ち上がり、窓から山を見つめる。
「…? ソラ、どうした?」
そしてパタパタと飛んで窓から外へ出て、滞空しながらカルドラを見つめる。
(…ついて来いって言ってるのか?)
ソラの意思を何となく読み取り、一応サニアに外に出ることを伝えて宿の外へ出る。
それを確認したソラはカルドラの頭に着地する。
「山に行けばいいのか?」
「ピ!」
元気に返事するソラ。
山に何があるというのか。現在坑道が立ち入り禁止になっているため鉱山に近づくのはあまり良くないのだが、ソラは行けと言っている。
(…まぁ軽い散歩だと思えばいいか)
自分に言い訳をしてカルドラはソラと鉱山へ向かった。




