球体魔法陣パズル
とりあえず話も一段落ついたので挨拶もそこそこに受付を離れ、休憩スペースに移動しながら今度こそアイーシャとサニアにこれからどうするかを確認する。
「2人ともこれからどうする? おれは解体が終わるまでここで待機してようと思ってるけど、一旦解散するか?」
カルドラの質問にアイーシャとサニアが顔を見合わせる。
「それなら私たちも残りますよ? 1人じゃ退屈でしょう?」
「お話しながら待ちましょう♪」
2人とも付き合ってくれるらしい。確かに1人では手持ち無沙汰なので非常に助かる。
「わかった。皆で待とう。そうだサニア。待ってる間おれも球体魔法陣の展開に挑戦してみてもいいか? サニアがどれだけ難しいことやってるのかちょっと興味ある」
「あ! 私もやってみたいです!」
「あら、2人とも向上心があって感心ですね♪ じゃあ私がゆっくり展開していくのでそれを真似してみてください♪」
「「はーい」」
休憩スペースのテーブルに着きつつ、前々から密かに気になっていた魔法陣展開に挑戦することに。
最初にサニアから簡単な説明を受け、さぁやってみようと各自魔法陣展開に挑戦するも結果は散々。
カルドラはそもそも球体の土台すら組めず撃沈。
アイーシャは組み上げ自体はできるものの、どうしても途中で崩壊してしまいリタイヤ。サニア曰く組み上げの速さが足りていないらしい。
そしてサニアは2人を見ながら1層2層3層と組み上げていく。前日に2人に意見を貰ったことで一気にここまで組み上げられるようになったのだ。
しかし今はそこが限界。3層の終盤で崩壊してしまった。
「うーん…。もう少しで4層目にいけたんですけど…。2人とも、今ので何か気になる点とかありますか?」
「はい! 崩壊直前に"ぐにゃ"ってなりました!」
「んー、形ができていくテンポ?リズム?が時々変わるのが気になるかも?」
「歪みと…、リズムですか…、なるほど」
今まではサニアが自分で原因の予想をしていたが、2人に意見を聞いてみるとサニアとは全く違う角度から情報をくれるので検証の質が大幅に向上していた。
今貰った情報をサニアなりに噛み砕き、さっそく試してみる。すると今度は3層を全て組み上げることに成功。4層目に到達した。
「やった! すごいですサニアさん!」
「さっきの意見でよく改善まで持って行けるな…。ほんとにすごいぞ…」
2人が言葉を漏らす中、サニアは集中して4層を組み上げていたが半分あたりで崩壊してしまった。
「…ふぅ。今はここまでが限界ですね。ここから先はまだ解析が終わってないんです。でも2人のおかげでものすごく進展してます。ありがとうございます♪」
心からの感謝を伝えるサニア。
もし2人を頼らずに1人で作業していたなら、きっと今も1層を組み上げるところで停滞していたはずだ。それがあっという間に4層到達である。視点が増えることの重要性を痛感していた。
「あんな感じの意見でいいならどんどん聞いてくれ」
「協力してがんばりましょう!」
「はい。よろしくお願いしますね♪」
そしてサニアは今組み上げられるところまでの反復に取り掛かる。
カルドラとアイーシャも少しでも先に進めるように挑戦を再開した。
しばらくそのまま和気あいあいと魔法陣パズルに勤しみ、日が傾き始めた頃に受付嬢から声が掛かり精算カウンターへ。
納品素材の状態が良かったらしく、サイズも相まってとても高額な報酬が支払われた。
その後また解体受付に顔を出し、納品素材以外の部位の買い取りについて相談。骨やら肉やら内臓やら、クオーツサラマンダーはほぼ全ての部位が有効利用できるそうだ。
とりあえずアイーシャの希望だった珍味の内臓の一部と、サニアが料理で使ってみたいと希望した可食部の肉の一部を貰い、その他は全てギルドで買い取ってもらった。
そしてここでもサイズの大きさが嬉しい方へ作用した。単純に量が多いので買取金額も多くなったのだ。
そんなこんなでギルドでの用事を全て消化し、3人はギルドを後にした。




