シャイニング・レイ
光を目指し歩く3人。
あの後更に数回戦闘し、一度だけカルドラが後退を強いられるほど追い込まれたが、何とかサニアの魔法で押し返し、また光を目指し歩き出す。
そして少しずつ光が強くなり、ついにあと数分で外に出られるところまで来た。
(よし。外に出たらアイーシャを背負って町まで走ろう。サニアの体力は大丈夫だろうか。一応確認を――)
ここまで思考しているとサニアから声が掛かる。
「カルさん! 近くに来てください! 後方から今までで一番大きな群れです!」
「!!!」
すぐに振り返り2人の近くまで走る。到着と同時にアイーシャがプロテクションを発動し、3人は防壁の中に入った。
そして防壁内から魔物の群れを見て冷汗が出る。
「多過ぎだろ…」
わらわらわらわらちゅうちゅうばさばさと、様々な種類の魔物が魔物の上に覆い被さりながら我先にと3人に迫ってきていた。さすがのカルドラでもあの中には突っ込めない。
すると途中からジェスチャーだけで意思を伝えていたアイーシャが言葉を発した。
「サニアさん。だいぶ魔力貰ったので、ここから外に出るまでは余裕で持ちます。ぶっ放しちゃってください!」
その言葉に一瞬ポカンとした表情をしたサニアだったが、すぐにニコッと笑い返事をする。
「了解しました。2人とも! 眩しいの使うので直視しないように気を付けてくださいね!」
「え? 眩しい???」
カルドラが疑問思っている横で、大杖を構えたサニアがすごい速さで巨大な魔法陣を展開する。
群れに向けられたその巨大な魔法陣はゆっくりと回転し始め、徐々に加速していく。
そして…。
「シャイニング・レイ!!!」
カッ! ゴバアアアアアアアアアァァァァァ!!!
大杖の先が一瞬強烈な光を放ったかと思うと次の瞬間、回転する強大な魔法陣から坑道の幅いっぱいいっぱいに凄まじい勢いで光が噴出し、向かってきていた全ての魔物を飲み込んで焼き尽くす。
「ひえええええええぇぇぇ」「うわぁぁぁぁ……」
数秒間続いた光の放射を見たアイーシャとカルドラの口からは情けない声が漏れ、光の放射を受けた坑道の表面は融解しキラキラと輝いている。
そして光を放出し切った魔法陣は回転速度を落とし、ゆっくり回転しつつ端から光の粒子に分解され解けるように消えた。
「滅多に使えないので使ってみました♪ どうでした?」
笑顔で感想を聞いてくるサニア。
アイーシャは口をぱくぱくさせている。
カルドラは何とか言葉を捻り出す。
「…あ、うん。こんなすごい切り札があったんだな…。すごく…頼もしいな。ははは…」
「ふふ、ありがとうございます♪」
(サニアが使える攻撃魔法…。どんなものがあるのか、ある程度教えてもらった方が良さそうだ…)
そのあまりの高威力に、森の魔導士に対し畏怖に近いモノを感じた2人だった。




