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ダンジョン配信者の中で、なぜか俺だけサブスク(?)に入ってるんだが  作者: コータ


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25/73

あたしちょっと、酔っちゃったかも

 霧雨玲奈との縁は、大学に入ったばっかの頃に遡る。


 まあきっかけは些細なことで、その些細なことが原因で四年も何かしらいじられているわけで。


 今回もいきなり「飲もーぜ」と来やがった。


 ああ、俺が忙しい身だったら行かないのにな、と思いながらもお金に余裕ができたので行っちゃう。


 だがその前に、一度ギルドに寄って探索者カードの更新をした。これは所属とか関係なしに、どこのギルドでもやっているので助かる。


 なんかギルドの人達がざわついてたけど、俺なんか変なことしたかな?


 気まずい感じになったので、そそくさと抜けて居酒屋に来たんだけど。


 今回も普通の居酒屋っぽいなぁ……と思って入ってみると、落ち着いた雰囲気が漂ってる。店員がやってきて個室へ連れられる俺。意外と高そうな店?


 引き戸を開けた先にはいつもの金髪ギャルがいやがったんだが、あれ?


「よー! 虎、こっちこっち」

「あれ? 他のメンツは?」

「いないよ」

「え? マジ?」


 なんていうか、大学では友達みんなで飲むことはあったけど、玲奈と二人っていうのは久しぶりだった。


「何? あたしと二人じゃ嫌なわけ?」

「いや、別にそんなことないけど。珍しい格好してんな」


 なんていうか、まさにOLって格好してる。こういう姿を見たのは何気に初かもしれん。


「仕事帰り! ってかさぁ、ちょっと聞いてよ」

「え?」


 この後、俺はやっぱ来るんじゃなかったと思ってしまう。その後は仕事の愚痴トークが延々と炸裂した。


 ちなみに上司のおっさんの目が最近やばいらしい。どことは言わないが、これだけ立派なものがあれば、まあそういう目で見ちゃう奴もいるだろう。


 俺も最初の頃は目のやり場に困ったわ。


「っていう感じなんだけどさー……ね、聞いてる?」

「ああ、聞いてる。そういう上司ってやだよな」

「うん。……ってかあたしの話ばっかしちゃってるけど、虎はどうなの?」

「俺? ああ、俺はまだぷーだけど」


 ついさっきがっぽりお金が入ったせいか、プー太郎状態が継続していてもあんまり危機感がなくなってる。


「ヤバくない? 大丈夫なの?」

「ま、まあ大丈夫」

「絶対やばいやーつ。で、ダンジョンのほうはどう?」

「ダンジョンか……まあ、ぼちぼちやってるよ」


 その後はなぜかダンジョン探索の話に変わっていった。話しているうちに分かったんだけど、玲奈もけっこうダンジョンには潜っているらしい。


 しかも、ギルドにも入っているみたいで、仕事のストレスは大体ダンジョンで発散しているとか。


「あたし魔法が得意っぽいんだよね。なんか物理でやるの苦手でさ。ね? ステータス見る?」

「え、別にいいよ」

「なんで? 別にいいじゃん減るもんじゃないんだし。あたしが見せるんだから、ね?」


 こっちが見せるターンがくると、すげー負けてそうでなんか怖い。と警戒している間もなく、玲奈は普通に探索者カードを見せてきた。


 ======

 名前:霧雨玲奈

 探索者レアリティ:S

 レベル:32

 体力:99/329

 魔力:157/498

 力:117

 速さ:435

 頑丈さ:137

 器用さ:506

 運:322

 使える魔法:

 ファイアボール、フリーズ、サンダー、オフェンスダウン、ディフェンスダウン、グラビトン、ブラスト、フレア

 ======


「すげー! 魔法めっちゃ覚えてるじゃん」


 俺はカードを見るなり、驚いて飛び上がりそうになる。でもよくよく見ると、なんか他は俺のほうが強いっぽい?


 あと気になったんだけど、体力と魔力だいぶ削れてないか。仕事でだいぶ消耗してるんだろうか。


「ま! あたしもめっちゃ潜ってたからね。大学から暇さえあれば潜ってたし!」


 へへん、という分かりやすいアピールをされた。


「す、すげえじゃん。ありがとよ」


 見せてくれたことにお礼を言いつつ、カードを返したところ、今度はニヤニヤしてくる玲奈。


「じゃあ次はあたしの番だよね?」

「え、何が?」

「何って、あたし見せたじゃん。見せてよ?」


 うわ、やっぱりか。


「いやいや、いいって俺のは」

「だめ! だーめ! はい、はい見せる」


 なんだかんだ粘られてしまい、結局は探索者カードを見せることに。


「……へ?」


 すると、しばらく固まってしまう。なんだこの気まずい時間。


「ウッソおおお!? なんでこんなにメチャ強くなってんの!?」

「うわ! ビックリしたぁ!」


 しばらくして、いきなり叫ばれてビビる俺。


「マジで何があったの? あたし、こんなに強いステ初めて見たんだけど!」

「いやいや、それは違うって。お前はあれだよ、まだ探索界隈を知らないんだよ」

「もしかして、あのサブスクとかってやつで強くなった感じ?」

「ああ、まあ……でもAIが言うには、俺なんてまだ全然らしい」


 俺よりもレベル低い人に言うのも失礼だった気がしたが、もう口に出ちゃったのでどうしようもない。でも、そういうところを玲奈はあんま気にしない。


「そのサブスクやっぱおかしいよ! ってか、そのゴーグルっていうのも気になる」

「あ、ゴーグルは今持ってきてるんだ」


 酒飲みに行こうとバッグに色々詰めているうちに、間違って持ってきちゃってた。とりあえず出して見せてみると、金髪ギャルはパッと手に取って調べ始めた。


「んー? なんかちょっと、古風なデザインだよね。見た感じは、そんなに変でもないけど。ねえこれ、電源どこ?」

「そこ」

「……? 付かないよ」


 あれ? 電池切れかな。その後はサブスクなんておかしい! とかいろいろと話が進み、ダンジョンの話もひと段落したところで、けっこういい時間になっていた。


「そろそろ終電じゃね?」


 とりあえず帰る準備始めないと、と思ってたんだが、玲奈はなんだか動きが鈍い。


「あたしちょっと、酔っちゃったかも」

「うん、めっちゃ酔ってるから。気をつけて帰れよ」

「何それ、冷たくない?」


 とか言いながら腹をこづいてくる。今日はやたらと叩かれたりしてるんだが。


「ってか、家まで遠いんだよねー。虎の家ってこっから近いよね?」

「ああ。電車でちょっとだ」

「じゃ、じゃーさー。その……今日は虎の家——」


 と話をしていたところで、何かが上から降ってきた。え、大根?


「痛! な、何!?」


 そういえばこういうアイテムあった!


 ちょうど玲奈の頭上に、ヒール大根という回復アイテムが落下したみたい。これにはマジでビックリ。


『本日のログインボーナスです』

「え!? ゴーグルが喋った!」

「この声がAIミリアなんだ。ってか、なんで今ログボが落ちてきたんだ?」

『本日から新人応援ログインボーナスがスタートしています』


 ログインボーナスの種類、また増えたのか。もう俺の頭じゃ覚えられないや。


「もー。なんなんだよログボって。っていうかさ、今日虎の家に泊ま、」

『本日のログインボーナスです』

「痛ったぃ!? ちょ、なんでまた落ちてくんの?」


 今度は魔力回復ニンジンが落下してきた。玲奈の頭上に。たんこぶできそう!


「もー! っていうかこの現象何!?」

「いや、説明すると長いから。とにかく今日は帰ろうぜ」


 完全に調子が狂った玲奈を駅まで連れて行き、その日のよく分からない飲み会は終了した。


 そういえば最後に「一緒にダンフェスやろー!」とか言われたっけ。あんまり分かってないけど、まあ誘われてからにはやってみようかな。


 俺はこの頃、だんだんと就活より、ダンジョンのことを考えるようになっていた。

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― 新着の感想 ―
LV32でSに上げてるのか 早くランクアップした方がいいのか限界まで上げきってからがいいのかどっちの仕様なんだろうね
やきもち?ムーブ楽しいね
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