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ダンジョン配信者の中で、なぜか俺だけサブスク(?)に入ってるんだが  作者: コータ


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なんかいつの間にか登録されてる!

 とりあえずゴーグル上の青い額当てに、ボタンらしきものがあるのでポチッと押した。


 ウィイィン、という感じの音が鳴った後、静かに風が吹くような音が続く。じんわりと額当てを中心にゴーグル周りが光りだした。


「あ、やべ。そういえば充電してなかったわ。えーと」


 付属の充電器があるので、ピカピカと光るゴーグルに差し込む。ゴーグル部分はとにかく薄いのでハイテク感があるけど、額当てはなんか趣を感じる。


『音声ガイドを開始します』

「うお!? 喋った!」

『起動開始まで一分……そのままお待ちください』


 突如女子っぽい声が六畳の部屋に響き、俺はあっと驚いた。女の知り合いがほとんどいない、悲しい男の部屋でこんな声が聞こえるなんて。


 そういえば大学デビューを狙ったけど、上手くいかなかったなぁ……ああ、なんて切ないんだ俺の青春。とか無駄なことを思い出していたら、ゴーグルが青白く輝きだした。


『起動開始。全てのプログラム更新完了。顔認証が必要です』

「顔認証? どうしすればいいんだ?」

『ゴーグルを手に持ち、顔に向けてください』

「……こう?」


 言われるがままにゴーグルを両手で持って、顔に向けてみた。黒いゴーグルの反射で自分の顔が映っている。


『顔認証完了しました。お名前をフルネームで教えてください』

「竜牙景虎」

「景虎様のお名前登録に成功。次回から自動的にログイン、本商品のご利用が可能です』

「お、やった」


 とりあえずゴーグルを丸テーブルに置いたら、今度は点滅しながらカチャカチャという音がしている。


『続きまして、景虎様の現在のステータスを登録する必要がございます。探索者カードを、ゴーグル横のスキャナに通してください』


 俺は言われるがままに、懐から探索者カードを取り出して、ゴーグル左側に付けられているスキャナっぽいものに通してみた。


 ちなみに探索者カードっていうのは、探索者の細かい能力が全て表示されているカードのことなんだ。


 探索者カードがないと、ダンジョンには入っちゃいけない決まりになっている。身分証代わりでもあり、街中にいくつもある探索者ギルドで作ることができる仕組みだ。


 能力値はリアルタイムで反映されるようになっていて、その人のレベルとかもすぐ分かっちゃう。今や個人情報にも使える大切なカードなんだ。


 しばらく機械音が続いた後、AI音声は改まって挨拶を始めた。


『この度は、M77INQ11フォアヘッドプロテクター付きゴーグルをお買い求めいただき、ありがとうございます。また、本商品付属の月額サブスクプランにつきましても、ご登録いただき感謝を申し上げます。私はサブスクプラン付属のAI、ミリアと申します』

「あ、どうもご丁寧に……」


 ……ん? なんか気になること言ってるな。


 M77〜とかは多分商品の番号的なものだろうけど、月額サブスクプランだって?


 そんなの聞いてないんですが。


「え、ちょっと待って。サブスクって何?」

『月額サブスクプランとは、毎月三千円のお支払いにより、様々なお得なサービスを受けることができるものです』

「俺、登録したっけ?」

『購入時にサブスク登録のサインをいただいております』


 そう言えば、なんかサイン書いてたわ。うひえー、なんだよあの婆ちゃん!


「なんかいつの間にか登録されてる! あの、返金とかそういうのは——」

『初月はお試しのため無料となります』

「無料? ってことは一ヶ月試して、ちょっと合わないなーって思ったら解約していいってこと?」

『……はい』


 なんか急に声量が落ちたな。返事が遅かったのも気になったけど、まあ無料だし問題ないか。何しろ今、お財布事情がヤバすぎる。


 新しい仕事を見つけないと、毎月お金が入らないし、本来こういうゴーグルも買ってる場合じゃなかったわけで。


『それでは、本商品のご利用方法及び、サブスクリプションの特典等についてご説明いたします。本ゴーグルではダンジョン情報をリアルタイムで取得、かつ共有が可能です。また、快適な速度のネット回線が可能となっており、動画配信を行うことができます』


 AIミリアが紹介してくれたのは、まずは簡単なゴーグルの使用方法。どうやら敵と出会ったとき、すでに巷で知れ渡っている魔物なら即座に情報が集められるらしい。


 動画配信もまぁ……せっかくだし一回くらいはやってみようかな。こういう話をしていると、なんだかその気になってくるから不思議だ。


 しばらくの間、ゴーグルの基本的な使用法や実況動画のやり方などを説明され、俺はなんとなく理解できたのでとりあえず返事を続ける。


『続きまして、本商品付属の限定サブスクリプションについてのご説明となります』


 きたきた。いつの間にか登録してた詐欺疑惑のあるサブスク!


『サブスクリプションにつきましては、私の音声ガイドを含め、月単位でお得なログインボーナスやミッション、その他の様々な特典を受け取ることが可能となっております。説明は以上です』

「え、説明終わり?」

『はい。後は都度ご説明していくので、ご安心くださいませ』


 いや、安心できるのかなーそれ。


 とりあえず、大体のことは理解した。まあせっかく買ったんだし、再就職活動をしつつ、合間で小遣い稼ぎにダンジョンに潜ってみようかな。

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― 新着の感想 ―
十五年くらい前にアメリカに現れて以来、ポツポツと世界中に出現するようになった なんて説明だから大した数はないのかと思いきや 街にいくつもギルドがあるとか各街にいくつもダンジョンがあるレベルじゃないか?
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