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詩集  作者: 豊田直輝
1/4

その1

これから先の歩む道のり

誰もが気づかぬ視線の先は

まだ見ぬ世界の始まりなのかもしれない

不安が身体にまとわりつく

それが白い吐息と混ざってしまい

困惑の境地がたちまち現れてしまう

ああ

先の見えぬということは

これほどにまで人の心を揺さぶってしまうのか

私は道で足がすくんでしまう

勇気を出して

さらなる一歩を出さないと

これから先は私が孤独になってしまう

溶けていく空がどこか悲しげであったんだ

世界に終わりがあるのなら

私はこの最後の終幕に人生を迎える事が出来て

本当に良かった

記念すべき時代に生まれて来れた

どの世代の人達も味わえない

妙味というものを感じる事ができる

私は幸せだ

世界の破滅は私と共にある

元々 未来に描いているものはなかった

夢を描こうとしても

世界の終わりはどうなるんだろうみたいな

そんな事ばかりを考えていたんだ

あと少し

もう少しで希望が叶いそう

春の季節を肌で感じる

陽気な空が包み込むように辺りに広がる

それはあまりにも清涼すぎて

心の中が洗われるようだ

これから先の生きる道筋は

あまりに鮮明に魅せられるが故に

躊躇していたら

大事な何かを見過ごしてしまいそう

大気の中の虚空には

人々の想い描けない何かがあるのかもしれない

手を伸ばせば届きそうな蒼い空は

私だけに与えられているなら

私はどうやって期待に応えばいいんだろうね

雨があまりにも強く降っていて

昨日の記憶が薄れていく

傘も差さずに外に出ていくけど

目的もない外出はどこか淡い記憶に沿うようだ

静かな境地が外の風景と相まって

不思議な落ち着きを感じているんだ

寒くないのは春だから

雨が建物からしたたる音を聞いて

季節の変わり目を感じてしまうのは

時の移り変わりまで思考が及んでしまう

このまま世界から消えていくなら

私という存在はどうなっていくんだろ

この季節の中でたゆとうように流れて生きるのは

無理のない範囲で行動するという事

やがて到来する未来に身を任せて

流れるように生きるのは自然と一体になる

季節の別れがあるのは嬉しい事

日本のあるのは特有の四季

時間の流れを常に感じる事ができる

寂しい時もあるけれど

時の進みを感じる事で

一期一会の瞬間を味わう事ができるのは

それはそれで幸せの一部なのかもしれない

海の音がいつまでも耳から離れないんだ

日常の仕事生活があまりに窮屈過ぎて

自然という名の海に全てを委ねてみた

少しの間しか海にはいれないけどさ

心がいくらか掃除されたような気がするんだ

世間の日常に戻りたくない

そんな想いが強過ぎたのか

いつしか内省的な人になってしまった

友との語らいは私に意味をなさない

孤独の語らいが全てを物語ってくれるんだ

ゆっくりと足を前に進めては

気になる事を払拭し始める

生きていくということは

時には楽しくないこともあるわけで

つまらない事もあるわけで

心穏やかにならない事もあるわけで

私は君に鋭い言葉を投げかけた事もある

その時に

世界があまりにも優しく見えたんだ

包み込むような優しさを感じられたのは

ひとえに

君のおかげであったのかもしれない。

やがて巡り来る最後の瞬間は

あまりに早く到来したような気がする

思い残したものは何もないと言い張りたいけど

やり残した事が山積みの現実は

後悔という言葉で埋め尽くされるのかもしれない

人生の終盤になると

今まで思ってもみなかった考えがやってくる

こない人もいるけど

少なくとも私には

きている事が確実であり

それがまた焦りに繋がっていくんだよ

金を追い求める人生とは

終盤の局面まで見えてくると

あまり重要な目的ではなかったななんて

思えてきてしまうんだ。

誰しもが見る景色など

私にとってはどうでも良くなってしまった

ありきたりのことが

あまりに当たり前過ぎたので

普通のことに飽き飽きしているんだ

新しい風が吹いていないと

私は自分で自分というものを支えられないのかも

普通に生きていて

何が楽しいというのか

なんてそこまで考えていてもさ

特に新しいやる事を見つけられてる訳じゃあないんだ

今まで平凡に生きてきたからさ

平凡な考えで頭の中が終始してしまうんだ

世界との繋がりに希望をみいだす

どこの視点から見るかによって

物事の見え方は大きく変わる

私は楽観的過ぎるが故に

世界はきっと素晴らしくなると思ってるけど

それがあまり世間に馴染みのない考えなのも知ってる

絶望したって仕方ないじゃん

思い通りにいかない事なんてたくさんあるし

上手くいかない事を嘆いていたって

何も前に進まないんだ

世界を見る切り口が大切なんだ

誰もが知っているこの世界は

実は幻想であるのかもしれない

世界に80億人の人々がいるというのは幻想で

私が頭で作りだした空想の産物なのかもしれない

地球には実は私しか人がいなくて

完全に孤独の世界が真実であるのなら

私の今まで認識していた世界が音を立てて壊れる

そして私も壊れると思う

そんな寂しい世界にこれからも生きていくなら

あまりにも心詰まるものがあるんだ

ため息まじりの空を見上げて

雪が深々と舞い落ちるのをや眺めてる

白の世界が辺り一面に広がっている

小さな悩みだとか

取るに足らない出来事は雪でかき消される

ため息なのか白い吐息なのか

段々と分からなくなってきた

少なくとも言えることは

今この地には私しかいないという事

私1人の舞台芸術であり

観客は大自然の奥行きのみだ

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