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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第3章 領地の防御

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94ーシュンとアキ

 のんびりとティータイムだ。と、壁を見ると俺が書いた大きな文字の一覧表が貼ってある。


「あれ、とっても便利です!」

「私はあの小さいのを持ち歩いてますよ。近所のみんなに見せて自慢しちゃいましたッ!」


 と、話しているのは文字が読めないと言っていた、マニューさんとナタリーさんだ。


「そう、作って良かったわ」

「お嬢様、実は欲しいと言っている人がいるんです」

「そうなの?」

「みんなもっと難しいと思っていたみたいでぇ」

「こうして表にしてみれば、分かり易いわよね」

「お嬢様、あれもです。えっと……」

「ミリーさん、えんぴつですよ」

「そうそう。ルリア、それよ。もう最近なかなか新しい事が覚えられなくって」


 と、言いながら、パンケーキを頬張るミリーさん。そのパンケーキ、メープルシロップかけ過ぎじゃね? ベットベトじゃね?


「ああ、甘くて美味しい」


 そうか、美味しいならいいや。


「で、えんぴつが?」

「ああ、そうでした。あれ、パターンを描く時にも良いですよね」

「そうね、にじまないし」

「はい。あのえんぴつはみんな欲しがりますよ」

「そう?」

「はい。私達庶民はインクを付けて書くなんて慣れてませんから」

「でもぉ、あたし見せてもらいましたけどぉ」


 と、また、ナタリーさんが咲みたいな喋り方になっている。


「あのガラスペンって言うんですか? とっても綺麗ですよね~」

「そうでしょう? それに、書きやすいのよ」

「そうなんですか?」

「ええ。ペンをつかう練習も必要になるかもね」

「はいはいは~い! あたし練習しま~っす!」

「もう、ナタリーったら最近まで文字が読めなかったのに書けるの?」

「練習しますぅ!」

「ナタリーは、ガラスペンが欲しいだけでしょう?」

「ミリーさん、酷い。そんな事ないですぅ」


 うんうん、良い事だ。何でも興味を持つのは良い事だよ。それに、今まで無理だと諦めていた事が出来る様になるのって嬉しいよな。


「じゃあ、えんぴつで書く練習をしてからね。まずは、自分の名前からね」

「はいッ! お嬢様!」


 賑やかにお茶の時間は終わり、さて明日からだ。


「明日からね、メイド服に取り掛かりたいんだけど、防汚効果を付与してからなの」

「はいッ!」


 元気よく手をあげたのが……


「はい、ルリアさん」

「お嬢様、ぼうお効果って何ですか?」

「汚れないようにする効果ね」

「はい、分かりました!」

「その防汚効果の付与の仕方を明日教わるからそれからなのよ」

「では、私達は何をしていたら良いですか?」


 と、リーダー役のミリーさんが聞いてきた。


「あのね、領主隊の隊服の方に掛かってもらえるかしら?」

「はいッ! やっとですね!」

「そうね。と言ってもまだ生地にできていないでしょう? パターンもまだできていないのよ。で、ナタリーさん。基本になるサイズのパターンは作るから、他のサイズのパターンを任せても良いかしら?」

「お嬢様……がんばりますッ!」

「お願いね」

「マニューさんは、どんどん生地にしていってくれる?」

「はい! 分かりました!」


 そこにシゲ爺がやって来た。


「お嬢! ワシも欲しいぞ!」


 だから何をだよ!?


「シゲ爺、何が欲しいの?」


 本当にこのじーちゃんは自由だな。


「アン! アン!」


 声がしたのでシゲ爺の後ろを見てみると、ノワと保護した猫獣人の兄妹がいた。


「どうしたの? ノワ、来ちゃったのね」

「アンアン!『ココ、俺も欲しい!』」

「え? ノワも?」

「アン!」


 と言ってもだな。


「やだ~! 可愛いぃ~!」


 食いついたのが意外にも最年長のミリーさんだ。


「森で保護したの。ノワよ、よろしくね」

「ノワちゃんですか~!? 可愛いですね~!」


 赤ちゃん言葉になりそうな勢いだ。


「入って、遠慮しなくてもいいのよ」


 俺は猫獣人の子達にも話しかける。


「ココさま、ありがとう」

「ココさま!」

「あら、名前を憶えてくれたの? あなた達のお名前は?」

「俺は、シュン。妹はアキ」

「シュン、アキ、よろしくね」

「うん!」

「あいッ!」


 ふはっ、可愛いぜ!

 兄のシュンは7歳だそうだ。俺の1歳下だ。妹のアキちゃんは、まだ4歳になったばかりなのだそうだ。

 じーちゃんが話していた隣国で起きた内乱。その余波でまだまだ国内は安定していない。

 最近起きた暴動に、2人の両親も巻き込まれて命を落とした。その後のどさくさに紛れて2人は盗賊団に攫われてしまった。

 特に寂しい場所でも、まったく人がいない場所でもない。普通に村の中であっという間に攫われたそうだ。


「なんて、酷い事を……」

「お隣の国ってそんなになんですか?」

「ユリシスお祖父さまが言うには、そうらしいわよ」

「この子達はこれからどうなるんですか?」


 ミリーさんが聞いてきた。気になるよね。


「この子達が国に帰りたいと言うなら送って行くわ。でも、ご両親もいなくて2人だけって聞いたらね……」

「そうですよね」

「ねえ、2人で住んでいた村に帰りたい?」

 

 ミリーさんが2人に聞いた。2人は何故かシゲ爺の服の裾をずっと握っている。懐いちゃったか? 小汚い爺さんだぞ?



読んでいただき有難うございます!

パンケーキを焼こう!

よろしければ皆様もパンケーキを……ではなく!

評価とブクマをお願いしまっす!

励みに毎日投稿頑張りまっす!

※ネネのお名前を変更しました。アキちゃんです。よろしくお願いします!

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