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☆6/17②発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第3章 領地の防御

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91ー帰路

「う……うにゃ~ん! にゃ~ん!」

「ほ、ほんとにもう怖くないのか?」


 兄だろう子がそう聞いてくる。


「大丈夫よ。あいつ等は捕まえたわ。怖かったでしょう。家族のところへ帰れるわよ」

「お、俺……俺達に家族はいない。2人だけだ。とーちゃんとかーちゃんは死んじゃって……う、ヒック」


 今まで堪えていたのだろう。兄らしき猫獣人の子も涙が流れる。


「そうなの。よく生きていてくれたわ。大丈夫だからね」

「なんとも酷い事をするッ!!」


 じーちゃんが怒っている。あと2名の女性と女の子は隣国に家族がいる事が分かった。

 4人とも酷く汚れているし食事も取れていないらしい。食べ物は持っていなかったが、水をあげると4人共喉を鳴らして飲み干した。

 とにかく邸に連れ戻ってからだ。


「さあ! ココ、帰ろうッ!」

「はいッ! お祖父さま!」


 俺は、ノワを抱っこして咲の馬に乗っている。大人しく、抱かれているんだ。もう、ふわもこだよ。手触り最高だ。

 保護した4人も領主隊がしっかり馬に乗せている。

 今日はとにかく捕縛した盗賊団を連行して戻る。

 森の中に潜んでいたんだ。手荷物等もあるだろう。それを放置はしない。魔物が寄ってくる元になる場合もある。食べ物とかさ。

 しかし、魔物が生息する森の中で檻に入れられて、どれだけ怖かった事だろう。

 盗賊団の片付けはまた日を改めて領主隊が派遣されるらしい。

 森の中で、魔物を警戒しながらお片付けだ。迷惑な事だよ。

 隣国では、懸賞金が懸けられていた盗賊団だ。多分、隣国にも知らせが行くだろう。うちの領地の手柄じゃん。でも多分、外交の手土産にでもされるんだろう。

 何を考えて領地に入ってきたのか。辺境の地だと舐めてたのかね。

 領民達に被害が出なくて良かったよ。

 そんな事を考えながら、パッパカパッパカと街中を邸に向かって進む。


 ――うおッ! 盗賊団捕まえたんだ!

 ――さすがだねッ!

 ――ユリシスさまー!

 ――ディオシスさまー!


 おうおう、じーちゃん達も人気者じゃん。領民全員が顔を知っているじーちゃん兄弟。

 領地の西から東までフットワークも軽く走ってくれているからだ。そりゃ、人気もあるよ。


 ――ココさまぁー!

 ――お疲れさまですー!


 ハハハ、俺もか。有難いね。


「ありがとうー!」


 ――ココ様、可愛いー!


「お嬢、可愛いそうッスよ」

「リュウ、いいじゃない」

「ブハハハ!」

 

 笑うんじゃないよ。どこからどう見ても可愛い令嬢じゃんか。


「はいですぅ」

「ね、サキはよく分かってるわ」


 行きより和やかな雰囲気で隊は進む。だからか、帰りの方が多く声が掛かる。領民達も分かっているんだね。


「お嬢、もう無謀な事はしないでくださいよ」

「何よ、リュウ。無謀って」

「それッスよ。ノワ」

「そうですぅ」

「え、無謀だった?」

「何言ってんスか。手を食いちぎられてもおかしくないんスよ」


 げ、食いちぎるなんてそんな大げさな。こんな小さな可愛いワンちゃんが。


「ココ、大げさじゃねーぞ。フェンリルはそれだけ力があるんだ」

「え、早く言ってよ!」

「いやいや! 言う間もなくココが近付いて行ったんじゃんか!」

「えぇー! 腑に落ちないなぁ」

「何がだよ!」


 こんな事を言っているが、霧島の知識は豊富だ。今回もノワのあの弱った気配で魔獣ではないと見抜いていた。ドラゴンて凄い存在なんだな。


「ココ、少しは見直したかよ」

「ほんの少しね」

「少しかよー!」


 アハハハ。こういうところが面白い。無邪気で良いよな。

 さあ、邸が見えてきたぞ。


「ノワ、あたし達の家よ。ノワも今日からあそこに住むのよ。母さまと兄さまがいるから紹介するわね」

「アン」


 可愛いじゃん。霧島よりずっと素直で可愛いよ。


「あん? ココ何か言ったか?」

「何でもないですぅ」


 霧島、地獄耳だぜぃ。


「あらあらまあまあ!」


 母がノワにロックオンだ。


「ココちゃん、その可愛らしい子は何なの?」

「はい、母さま。森で保護しました。ブラックフェンリルのノワです」

「ココ! ブラックフェンリルなのか!?」

「はい、兄さま」


 ロディ兄が目をまん丸にしてるよ。


「キリシマ、僕の知識だとフェンリルって森で最強の守護聖獣なんだけど?」

「その通りだよ、ロディ。俺が止める間もなくココがテイムしちまったんだ」

「テ、テイムってあのテイミングか?」

「ああ、それだ」

「ココ……」

「え? 兄さま、駄目ですか?」

「駄目も何も……また父上が喜ぶよ」

「ロディ! そこかよッ!」

「アハハハ! キリシマはツッコミが激しいなぁ」

「もう、この兄妹は……」

「ココちゃん、懐いてるの? 母さまが抱っこしても平気かしら?」

「ノワ、あたしの母さまとロディ兄さまよ」

「アン!」

「まあ! 分かっているのね。お利口さんだこと!」


 母はそう言いながら手を出して、そっとノワを撫でる。


「まあ……手触り最高じゃない!」

「え、母上。そうなんですか?」

「ええ、ロディ。ふわもこよ」


 俺はノワを母に渡す。お利口さんだ。大人しく抱っこされている。


「まあまあまあ! なんて可愛いんでしょう!」

「母上、僕も触らせて下さい」


 母とロディ兄はノワに釘付けだ。



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