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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第3章 領地の防御

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89/250

89ーテイムしちゃった

「能力を解放してもらったからな。使える様になったんだ。亜空間収納さ」

「やっぱ、亜空間収納なのね」

「ああ。ココはマジックバッグとか無限収納って知ってるか?」

「知ってるわ。マジックバッグは欲しいけどすっごく高いのよ」

「今のココならマジックバッグくらい作れるんじゃないか?」

「え? 本当に?」

「ああ。帰ったらまたエルフの先生に聞いてみたらいいさ」

「そうするわ!」


 欲しいんだよ。前から欲しかったんだ。俺は単純に亜空間収納のカモフラージュなんだけど。それが、作れるなら是非作りたい! みんなに作りたいんだ! 領主隊に持たせたいんだ!


「ココ! 怪我はないかぁッ!?」


 大きな声で叫びながら、ユリシスじーちゃんが走って来た。


「お祖父さま、大丈夫です!」

「そうか! トレントへの魔法攻撃は良かったぞ! サキやリュウもよくやった!」

「はいッ!」

「はいぃ! 有難うございますぅ」

「まさかトレントが出るとはな」


 ディオシスじーちゃんだ。


「ああッ! あれは驚いた!」

「ユリシスお祖父さま、そうなのですか?」

「あれは、滅多にいないぞッ!」

「俺が遭遇したのは何年も前だな」


 ええッ!? そんなになのか!?

 でも、ユリシスじーちゃんは気配を察知していたよな。いち早く指示を出していた。


「あいつがいるとな、森の空気が違うんだ!」

「ハハハハッ! 兄上、それじゃあココには理解できませんよ」


 本当だよ。ディオシスじーちゃんの言う通り、全然理解できないよ。


「お嬢、空気で感じとれるなんてユリシス様位だッ!」


 ほお~、じーちゃん凄いんだ。いや、経験値なのか?


「ココ、兄上は野生の勘だよ」

「ふふふ、ディオシスお祖父さまったら」

「ハハハハ!」


 でも、良かった。無事に盗賊団を捕縛できたし、魔物も退治できた。蜂蜜とメープルシロップも手に入ったし。回復薬になるキノコまで手に入った。お土産が沢山できたぞ。


「お嬢、まだ気を抜いたらいかんぞ! ここは森の中だ!」


 そう言いながら、シゲ爺が出て来たウルフ系の魔物を杖でぶん殴っている。しかも片手でだ。それ、杖の正しい使い方じゃないよね。絶対に違うよね。


「お嬢さまぁ、馬に乗りますよぅ」

「うん、分かった」


 俺はまだチビだからさ、馬に乗るのも咲にヨイショと乗せてもらわないといけないんだ。


「ああ、本当に早く大きくなりたいわ」

「また言ってるんですかぁ?」

「だって、何するのも不便だわ」

「急いで大きくなる事ないですぅ」

「そうッスよ」


 なんだか、生温かい目で2人に見つめられちゃった。それって、保護者目線だよね。

 2人の保護者目線に耐えながら、咲に馬へ乗せてもらおうかという時だった。


「お嬢、動くんじゃねーぞ」

「ココ、そのままだ」


 と、シゲ爺と霧島が注意を促した。どうしたんだ?


「こんな近くに来るまで気がつかねーなんて」

「いや、シゲ爺。かなり弱ってるぞ」

「え? 何? 何なの?」


 と、1人と一匹が見ている方を俺も見た。トレントが倒れていた場所のすぐ近くに、動く黒いものがあった。


「何なの?」

「ココ、分からん。あのオーラは魔獣じゃないんだけどな。なんせ弱っている」

「キリシマよう、魔獣じゃねーのか?」

「ああ、シゲ爺。あのオーラは違うな。魔獣というよりもっと……」


 話しているうちにその黒いものが、ゆっくりとこちらにやって来た。

 漆の様に真っ黒で艶やかな体毛に金色の瞳。まだ柴犬の子犬位の大きさだろうか。きっと犬ではないんだろうな。唯の犬が、魔物が棲息しているこの森で生きていけるはずがない。

 身体の彼方此方から血を流していて、片足も引きずっていて折れていそうだ。


「やだ、かわいそう!」

「お嬢! 何言ってんだ!?」

「お嬢、危険ッス!」

「お嬢さまぁ!」

「だって弱っているんでしょう!? 傷だらけじゃない、かわいそうよ。それに、可愛いじゃない!」


 俺は皆の言葉を流して、その黒いものに近寄って行った。小さな傷だらけの身体で威嚇してくる。

 態勢を低くして、驚かせないように慎重に……


「ね、噛まないでね。君を助けたいんだ。怪我してるじゃない。トレントにやられたの?」


 話しかけながら、そっと……あと、1メートルといった距離まで近づき片手を伸ばす。

 先ずはこっちの匂いを嗅がせて、判断させる。


「あたしは君の敵じゃないわ。まだ小さいのに可哀そうに。ね、治してもいいかな?」


 話しかけながら、そっとだ。

 その黒いものが少し威嚇の声をあげる。


「大丈夫よ、何もしない。大丈夫」


 もう少し、手を伸ばす。

 俺の手の匂いをクンクンと嗅ぎだした。よし、もう少しだ。


「怪我を治すわね。噛まないでね」


 話しかけながら、俺はヒールと唱える。すると、眩い光が真っ黒なそれを包み込み傷を癒していく。

 傷が治ったのが分かったのだろう。キョトンとした顔をして俺を見ている。


「ね、もう痛くないでしょう? 君、ちょっと汚いわね。クリーン」


 今度はシュルンッと全身が綺麗になり毛並みもよくなる。


「うわ、フッサフサじゃない。良い毛並みをしているわ。ねえ、君の親はどうしたの?」

「クウゥ~ン」

「いないの? もしかして、トレントにやられちゃった?」

「クウ……?」


 キョトンとしている。どうやら、そうではないらしい。

 霧島がフワフワと飛んでやって来た。



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