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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第3章 領地の防御

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87ー捕縛開始

 パッパカパッパカと馬は進む。まだ街の中だからね、ゆっくりと進むんだ。俺はいつもの如く咲の馬に乗っている。ああ、早く大きくなりたいね。


「お嬢さまぁ、小さいお嬢さまも可愛いですよぅ」

「そうッス。もう少しおしとやかだったら言うことないっス」


 隆は一言多いんだよ。


 ――ココさまぁ~! 気を付けてください~!!


 民達が声を掛けてくれる。俺は手を振りながら、いつもの様に答えるんだ。


「ありがとう~!!」

「お嬢はほんと人気あるッスね」

「本当ですぅ」

「末っ子だからね」


 この件、前も話したな。前世の俺だって人気あったんだぜ?


「えぇ~」

「フハハハ」


 なんだよ、2人共。本当だって。俺って結構モテてたんだからな。まあ、極道の息子ってバレたら即アウトだったけどさ。


 隊は森へと入って行く。木々が生い茂る中、領主隊が入る事でできたのだろう道とは呼べない獣道の様な雑草の切れ目を馬が進んで行く。まだ、森のほんの浅い部分だ。だからまだ日は差し込んでいて鬱蒼といった感じではない。魔物もそれほど出てこない。

 今回、キリシマは俺の肩に乗っている。先頭にユリシスじーちゃん。隊のしんがりはディオシスじーちゃん。俺は丁度真ん中あたりだ。霧島だけでなく、シゲ爺も側にいてくれている。


「ココは俺が守るぜッ!」


 なんて事を霧島は言ってくれている。そういえば、霧島と外に出るのは初めてだな。


「そうだよ。俺はいつも留守番だったからな」

「殿下の事があるもの、仕方ないわ」

「まあな、けど今日は良いのかよ」

「ええ、今日はロディ兄さまがついているわ」

「おう、ロディも鬼強いからな」

「キリシマ、分かるの?」

「あたぼうよ! 俺様は何でも分かるんだぜ!」


 はいはい、そうかよ。


「このメンツだとココが1番心配だからな」

「あぁ~、やっぱそう?」

「そりゃそうだ。まだちびっ子だからな」


 ちびっ子言うな。ちびっ子だけど。


「ココ、そろそろだぜ」

「キリシマ、分かるの?」

「おう、人の気配がしてきた」


 そりゃ、先頭のじーちゃんに知らせないと。


「ユリシス爺ちゃんは分かってるぞ」

「そうなの?」

「ああ。あの爺さんは半端ねーからな」


 そうか。やっぱじーちゃん強いんだ。


「ユリシス様は気配を読む事に長けとるんだ。あれは昔からだ」


 と、シゲ爺。


「シゲ爺はユリシスお祖父さまと討伐に出た事あるの?」

「お嬢、当たり前じゃねーか。昔はよく一緒に出たもんだ! ガハハハッ!」


 なるほどね。シゲ爺も、ぶどう畑の普通の爺さんじゃないって事だ。

 ほんと、うちの領地はどうなってんだ? 登場人物がじーちゃんばっかじゃないか。もっとさぁ、キュートな色っぺー女子の出番はないのかね?


「お嬢さまぁ……」


 あ、咲に読まれちゃった。


「フハハハッ! 確かに平均年齢高いッスよね!」


 あ、いらん事を言うから隆のやつ、シゲ爺に小突かれている。馬鹿だなぁ。


「ココ、気を引き締めろよ」

「分かったわ」


 霧島がそう言うと、隊の空気が変わった。何かに警戒しているのだろう。

 隊列が止まり、前の方で剣を交える音がしてきた。戦闘が始まっているらしい。


「お嬢、動くんじゃねーぞ」


 シゲ爺も何かを警戒している。


「盗賊団なんてユリシス爺ちゃんの敵じゃねーよ」

「それじゃ、あたしが付いてきた意味ないじゃない」

「でも人数はいるみたいだからな。油断すんじゃねーぞ」

「半分囲まれとるぞ!」

「えっ?」

「ココ、来るぞ!」


 俺達は馬から降りて構える。

 剣を交える音が段々と近くなり、声も聞こえてくる。


 ――くそッ! しつけー!

 ――森の中まで来るかッ!?


「お嬢、飛び出さないでくださいよ!」

「分かってる!」


 隆が俺の前に出る。

 前方から剣を振り上げて盗賊団らしき男達が走ってくる。


「剣を抜け! 逃がすなッ!」


 後ろから、ディオシスじーちゃんの声がする。

 前方と左右から男達が斬りかかってきた。

 隆とシゲ爺が突っ込んできた男達を一太刀で気絶させる。

 シゲ爺カッコいいんだけど、使っている武器が例のいつも使わない杖だ。意味が分からない。


「殺すんじゃないぞ! 捕まえるんだッ!」


 また、ディオシスじーちゃんが叫んでいる。


「お嬢さまぁ、来ますよぅ!」

「分かった!」


 俺と咲も剣で交戦する。俺はまだ小さいからさぁ、気絶させるってのが難しいんだ。力がないからな。

 斬りかかってこられた剣を自分の短剣で受け流し、スカートを翻しながら思い切り相手の腹に蹴りを入れる。


「とぉッ!!」


 腹を抱えて前屈みになったところを、首筋目掛けて剣の背で思い切り殴りつけ気絶させる。


「ふう、面倒」

「ブハハハッ! 面倒かよ!」


 霧島、うるさいよ。

 入り乱れて交戦している。霧島が魔法なのかどうやっているのか1発で倒している。空気の塊をぶつけているのか? やっぱドラゴンって強いんだ。


「ココ! 下がるんだ!」


 え? 霧島、何言ってんだよ?


「全員下がれぇッ!!」


 前方で、ユリシスじーちゃんも同じ指示をしている。隊員達は一斉に距離をとって下がる。


「キリシマ、何? 何なの?」

「下がるんだ! 魔物だ!」


 えッ!? どこにだよ?

 と、思っていたら俺達への指示なんて無視で逃げようとしていた盗賊団から叫び声が上がった。


 ――うわぁーーー!!!

 ――何なんだッ!!

 ――助けてくれーー!!


 叫び声をあげている男達の足や身体に、木の枝がクネクネと動いて絡まっている。


読んでいただき有難うございまっす!

活動報告にも書きましたが、リリのイラストが公開になりました!

で、画像を張り付けようとしたのですが、全く分からず……^^;

ちょっと調べてみます。

よろしければ、評価とブクマをお願いしまっす!

励みに頑張りまっす!

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