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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第3章 領地の防御

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73/250

73ーペンとえんぴつが欲しい

これまでのお話で少しだけ手を加えてます。

ちょぴり若が出ちゃってる場面を加筆しました。探してみて下さい^^;

※筆記用具についてのお話しになります。が、現実とは違います。あくまでも、このお話しでの設定です。ご了承ください。


   ◇   ◇   ◇



 張り切って教材を作ろうと、思ったんだけどさ!


「何だよ! 筆もペン先もなってないッ!」

「お嬢さまぁ、これが普通ですよぅ」

「信じらんないッ!」


 原案を考えたんだけどさ、この世界絵筆も文字を書くペン先もなってないんだよ! よくみんなこんなので文字を書いてるぜ!

 て、俺も勉強の時に違和感なくこのペンを使っていたんだけどさ。

 いざ、イラストぽいものを描いてみようとしたら全く使い物にならなかった。

 滑らかな線が書けないんだよ。小さな文字なら大丈夫だ。普通に使えるだろう。しかし、大きめの文字やイラストとなると話は別だ。途中でインクは掠れるし、線も歪だし。


「筆はまあ許せるさ。ダメなのはペン先、なんだこれッ!? これ、羽!? こっちはこれ何!? 何の植物だよ!? 有り得ない!」

「ブハハハ! お嬢、ちょっと若が出てるッス」


 悪いね、ついさ。でも隆、笑い事じゃないんだよ。直ぐにインクが掠れるから何度もつけ直さなきゃならない。こんなので絵は描けない。全然滑らかさがないじゃん!


「ちょっとロディ兄さまへ聞きに行こうかな」

「お嬢、一緒ッスよ」

「ロディ兄さまもこれを使ってるのか?」

「そうッス。まあ、王都の金持ち貴族とか王様とかは、前世の万年筆みたいな金属のペン先みたいッスけど」

「何それ、ペン先にも差別があんのかよ!?」

「いや、そうじゃなくて。王都には売ってるって事っス」

「げッ、最悪じゃん」


 ペン……ペン……ペンなぁ……

 筆かぁ……筆って何の毛で出来てんだ?


「とにかくロディ兄さまに聞いてみるわ。もしかしたら買ってもらえるかもしれないし」

「分かりましたぁ」


 と、言うが早いか咲はもうロディ兄のところへピュ―ッと走って行った。

 まいった。まさかこんなところで、基本的な壁にぶつかるなんて思いもしなかったよ。


「お嬢、前世はなんでもありましたから」

「そうね、PCですぐに描けたものね」

「そうッスね」

「PCどころの騒ぎじゃないぜ!」

「ブハハハハ! お嬢、興奮したら若が出てるッス」


 はいはい、気をつけるよ。本当にさ、笑い事じゃないぜ。文字を覚える為の教材擬きを作ろうと思ったら、筆記用具から考えないといけないなんてな。まいったよ。

 ペンなぁ……心当たりがない訳じゃないんだけどさぁ。一から作るとなるとまた大変じゃね? それよりも、ロディ兄が何か持っていてくれる事を願うよ。


「お嬢さまぁ、今から良いそうですよぅ」

「分かったわ」


 さぁ、行こう。早く行こう。ロディ兄に聞いてみよう。と、期待して来たんだ。


「ココ、何を言ってるんだい。これが普通だろう」


 まじかぁ……そうッスかぁ……


「で、どうして突然ペンなんだい?」

「兄さま、絵筆もです」

「ああ、それは大丈夫だよ。水彩画でも良いのかな?」

「はい! ありますか!?」

「それなら絵具と絵筆を一式取り寄せてあげるよ」

「やった!」

「で、ココ。何をするんだい?」


 そこで、俺は作業してくれている女性陣の話をした。文字を読めない。だから、種類別に分けてある物を見分けられないと。

 これからもっと種類は増えるだろう。だから、ここで頑張って文字を覚えて貰おうと思う。その教材擬きを作ろうと考えていると話したんだ。


「ココ、偉いよ。とっても良い事だ。領地の識字率を上げる事は長年の課題だったんだ」

「そうなのですか?」

「ああ。だけどね、毎日の生活の方が大事だろう? だから、なかなか広がらなかったんだよ」

「兄さま、分かりやすい教本がないのではないですか?」

「それもあるね。貴族はみな幼い頃から教師に付いて教わるからね」

「はい。でも、子供用もあって良いと思います」

「その通りだよ。しかし、教材から作るという考えもなかったね」

「兄さま、文字だけでなく簡単な四則計算も必要です。自分を守る事にもなります」

「ココ……今、兄様は感動している」


 なんだ? 何かのアニメのセリフみたいだぞ。と、思っていたらガシッと抱きしめられた。苦しいぜ。じーちゃんと違って良い香りがするぜ。


「素晴らしいよ! ココはその教材を描けるんだね?」

「描こうと思ったのです。でも、筆記用具がこれでは……」

「ああ、ペン先か」

「そうです」

「王都に行けば、金属のペン先を売っているけど」

「兄さま、ここから王都まで遠いです」

「そうだね」


 仕方ないなぁ。試してみるか?


「兄さま、ガラスはありますか?」

「また、話が飛んだね。大きなガラスはないよ」

「いえ、小さくて大丈夫です」

「ん? まさか、ペン先かい?」

「はい、そうです」

「ココ、ガラスでかい?」

「はい。確か出来る筈です。羽よりは使いやすいと思います」

「そうなのかい?」

「はい、多分」

「じゃあ、工房に連絡しておいてあげるよ。できたら兄様も欲しいね」

「はい、分かりました!」


 よし、やったぜ! 水彩絵の具と絵筆はある。あとはペンだ。と、ロディ兄に相談して、俺達はさっさと部屋に戻ってきた。


「お嬢さまぁ、何ですかぁ?」

「サキ、あれだ。前世でも持っていたわよ。ガラスペンよ」

「ああ、なぁ~るぅ」

「ね、あれなら良いでしょう?」

「はいぃ。羽ペンよりずっと使いやすいですよねぇ」

「鉛筆も作りたいね」

「えぇ~、鉛筆ですかぁ?」

「そう。でもどうやって作ったら良いのか分からないわ」

「お嬢、それこそロディ様に相談するッス」

「そうだった! もう1度行くわ!」


 また、ロディ兄の執務室へと向かう。


「ココ、どうしたんだい?」

「兄さま! えんぴつですッ!」

「え? 何だって?」


 俺はロディ兄に絵で説明した。木で包んであって中に芯が入っていて……とな。


「ふむ。ココは色んな事を思いつくんだね。少しだけ時間をくれるかい?」

「はい、兄さま。出来そうですか?」

「ああ、簡単だろう。しかし、そんな事思いつかなかったよ。便利なのに、どうして考えなかったのだろう」


 そりゃあ、貴族で羽ペンを使うのが当たり前の生活だからだよ。

 でも、庶民はいちいちそんなの使っていられないんだ。持ち運びも出来ない。そんな不便なもん使わないさ。その上、識字率が低い。筆記用具の必要性が低いんだ。

 紙は厚めだけど、あるからまだマシだ。紙を作るなんて、どう転んでも俺には出来そうもないからな。


「じゃあ、兄様。お願いします」

「ああ、分かったよ」


 と、ロディ兄に話して翌日だ。なんと、もうえんぴつが出来上がってきた。早いな。


読んでいただき有難うございます!

興奮すると若がでちゃうココちゃんです。

よろしければ、評価とブクマをお願いします!

それを励みに頑張ってまっす!

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