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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第3章 領地の防御

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70/250

70ー調査

「兄さま、じゃあスパイがいるのですか!?」

「ココ、そうとは限らないぜ」

「キリシマ、どういう事なの?」

 

 本当、ドラゴンって頭も良いのか? え? 俺が考えなさ過ぎなのか?

 霧島がまた説明してくれた。


「前に少し話しただろう? 人の心を操る奴もいるってさ」


 え……じゃあ誰かが操られているのか?


「それも今は不確定だな」

「どうして?」

「判断する材料が無いからだね、ココ」


 あ、ロディ兄も理解していたんだ。やっぱ俺の考えが足りないのか?


「ココ、例えばだけどさ。悪いと本人が思っていなかったら結界にも引っ掛からないんだ」

「そうね、悪意がないんだもの」

「だろ? だからだよ。こっちの情報を話している本人はまさかこんな事に利用されるなんて思ってないんだよ。世間話程度に考えてんじゃないか?」

「そっか」

「だから、1度話を聞いてみないといけないね」

「ロディ兄さま……」


 俺、分かっちゃったよ。ロディ兄はもう見当をつけているんだ。

 その日のうちに、ロディ兄は話を聞いて回った。厨房の出入り商人から始まってドワーフの親方や領主隊、そして司教様と司祭様だ。

 王子だと知らない人達に重点を置いて聞いたんだ。


「私は何も……」

「うちに客人が滞在している事もですか?」

「ロディ様、もちろんです」

「……」

「私はこちらにお伺いする事で知り得た事は一切外で話しておりません」

「司教様、ありがとうございます。助かります。では……おや、どうしました? 酷い汗ですね、顔色も悪いですよ」

「いえ……あの……」

「何か思われる事があるのなら、今のうちに話してください」

「は、はい……その……実は……食事の際……シスターに……」

「お話しされたのですね? 司祭様」

「も、申し訳ありません!」


 ロディ兄、空気が冷たいよ。冷えてきたぞ。流石、ロディ兄が歩いた後には氷の花が咲くとか言われていただけあるな。


「君はそんな当たり前の事が分からないのですかッ!」


 司教様が、冷や汗を流している司祭様に激昂した。

 ロディ兄が見当をつけていたのは、俺に勉強を教えてくれている教会の司教様と司祭様だ。そして、司祭様がシスターに話したと打ち明けた。


「も、申し訳ありません! そんなつもりはなかったのです! 決して悪気があった訳では……!」


 それは分かっているんだ。だけどな、領主邸の内部の事を世間話と同じ様に喋られては困るんだ。


「辺境伯様だけではないのです! どちらのお宅の事でも、軽々と話をするものではありませんよ!」

「は、はいッ!」


 司祭様が言うには、本当に普段のお喋りの延長で話したらしい。食事をしながら和気藹々とだ。

 もちろん、王子だとは知らない。だが、領主邸に綺麗な男の子が滞在していると。あれは誰なんだろうと話題にしたらしい。

 俺が勉強を教わっているのは週2回だ。それだけうちに来ていれば部屋も分かるだろう。

 それにだ、ぶどう畑に行った帰りゴブリンに襲われた事も偶然ではない可能性が高くなってきた。だって、俺が教会でぶどう畑に行くと言ってしまっていたからな。

 あれ? 俺も悪いのか? いや、そんな事ないよな? うん。


「で、そのシスターは誰だったか覚えてますか?」

「はい。教会にいるシスターと……そうだ、あのアップルパイを持たせてくれたシスターです!」


 繋がったな。

 ロディ兄が領主隊を連れて教会へ向かった。もちろん、そのシスターを調べる為だ。だが、既に教会にはそのシスターの姿は無かった。


「王都から派遣されたと本人は話していたらしいけどね。それも本当なのか怪しいね。本当にシスターかどうかも疑わしい」


 と、ロディ兄が言っていた。

 今から王都の教会に問い合わせをしても、後手に回ってしまっている。本当にそのシスターが教会に所属しているのか? 

 最悪、今迄の刺客と同じ立場の人間でシスターに成りすましているとも考えられる。いくらでも逃げ道はある。此処で身柄を拘束できなかった事は痛い。


「逃がしてしまった事はもう仕方がない! 2度と同じ手に乗らなければ良いのだ!」


 ユリシスじーちゃんは前向きだ。


「アレクシスとバルトが戻ってくるまではワシがしっかりと守るぞ!」


 父と兄が戻って来る迄滞在するつもりらしい。まあ、助かるよ。安心感が違うからな。じーちゃん、頼りにしているからな。


「ワッハッハ! 任せろ!」


 しかしなぁ、魔法陣なんか持ち出されると、どう防衛すれば良いんだ? 出入りする者すべての持ち物検査をするのか?


「ココ、大丈夫だよ。クリスティ先生に頼んであるからね」

「ロディ兄さま、クリスティ先生ですか?」

「ああ。魔法陣の調査と一緒に対策を頼んである」


 ほう。クリスティ先生、有能だな。


「ココ、そりゃエルフなんだろ? 魔法に関する事はエルフに頼むのが1番だぜ」


 と、霧島が言っていた。ドラゴンの霧島がそう言う位なんだ。俺なんかがいくら考えても何も役に立たない。クリスティ先生の調査結果を待つ事にした。


少しずつですが、ドラゴンのキリシマくんの出番を多くしようと^^;

読んでいただき有難うございます!

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