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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第3章 領地の防御

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68ー魔法陣発見

「母さま、どうしてスライムが厨房から?」

「分からないのよ。でも、こっちから出てくるのよ」


 俺は母の後をついていく。そこには、バスケットが置いてあった。誰かの差し入れか何かか? どうやらそこからスライムが出てきているらしい。

 と、見ている間にもスライムがポヨヨンと出てくる。


「母さま、あれですね」

「そうね」


 母と一緒にたった今スライムが出て来たバスケットを開けてみる。


「母さま、これって……」

「ココちゃん、アップルパイね」


 母よ、それは分かってる。開けたバスケットに入っていたのは、おいしそうなアップルパイだ。周りがボロッとなってるけど。スライムが齧ったのかな? いや、そこじゃないんだよ。


「母さま、最近のスライムはアップルパイから出てくるのですか?」

「ココちゃん、そんな訳ないでしょう」


 だよね。じゃあどうしてだ?

 その時、ポヨヨンとアップルパイの下からスライムが出てきた。


「奥様、俺アップルパイを持ち上げるッス」

「ええ、リュウ。お願い」


 隆がホールのアップルパイをそっと持ち上げるとそこには……


「まあ、嫌だわ。誰かしら?」

「母さま。これ、何ですか?」

「ココちゃん、魔法陣よ」

「魔法陣!?」


 アップルパイの下には魔法陣が隠されていたんだ。そこから、ポヨヨンポヨヨンとスライムが次々と出てくる。


「ココちゃん、それ壊しちゃいなさい」

「母さま、どうやってですか?」

「バスケットごと壊しちゃえば良いのよ」

「な~る……」


 て、事はだな。こうか?


「とぉッ!」


 俺はその魔法陣の隠してあるバスケットを思い切り床に叩きつけ踏みつけた。


「うわ、お嬢。そう来るッスか」

「え? だって壊すんでしょ?」

「そうですけどぉ」

「サキ、見てみてちょうだい」

「はい、奥様ぁ」


 咲がぐちゃぐちゃになったバスケットを持ち上げると魔法陣も壊れていた。


「ほら、壊れたじゃない」

「魔法陣には意志など何もないから結界に弾かれなかったのね」

「母さま、バスケットを持って来た人にも悪意や敵意がないって事ですか?」

「そうなるわね。もしかして、魔法陣の事を知らないのかも知れないわね」

「誰が持って来たんでしょうねぇ」


 そうだよ。それが問題だ。メイドさんなら知ってるかな?


「お嬢、聞いてくるッス」


 隆がぴゅーっと走って行った。相変わらず、早い。

 あぁ、せっかくのアップルパイなのに。スライムが齧ったアップルパイなんて食べられないじゃん。


「お嬢さまぁ、食い気ですかぁ?」


 うるさいよ。アップルパイ好きなんだもん、仕方ないじゃん。


「奥様、アップルパイを受け取った者を連れて来ました!」


 隆がメイドさんを1人連れて戻って来た。早いね。


「アップルパイですか?」

「そうよ、バスケットに入った」

「えっとぉ、あれです。司祭様が下さったんですよ」

「司祭様!?」

「はい、手土産ですって下さいました!」

「そう、ありがとう」


 司祭が持って来たものに、スライムを呼び出す魔法陣って事か?


「母上、ココ、どうだった?」

「兄さま、スライムはどうですか?」

「もう全部倒したよ。メイドが後片付けをしているよ」


 そうか、メイドのお姉さん逞しいな。ありがとう、助かるよ。


「ロディ、魔法陣だったのよ」

「母上、では誰かがその魔法陣を持ち込んだという事ですか?」

「それが、司祭様らしいのよ」

「司祭様……確かに、今日はココの授業で司教様が来られていますからその付き添いですね」

「もしかして、ご存知ないのじゃないかしら?」

「魔法陣の事をですか?」

「ええ。でないと結界で入って来られないはずですもの」

「確かにそうですね。とにかく、その魔法陣はどこに?」

「ロディさまぁ、これですぅ」

「え……?」


 咲がボロボロになったバスケットを差し出した。


「これ?」

「はいぃ。お嬢さまが踏みつけられてぇ」

「だって、壊さなきゃって言ったじゃない」

「そうですけどぉ」

「ココ、ここまでボロボロにしなくてもね」

「え、兄さま。ダメですか?」

「ダメと言うかね。魔法陣なら、クリスティー先生に見てもらったら誰が書いた魔法陣なのか分かったかも知れないからね」

「え? そうなのですか?」

「ココはまだ魔法陣を教わっていないのかい?」

「はい、まだです」

「ココちゃん、お勉強しなきゃね」


 え……そうなのか? だから、皆引いてたのか? そんなの先に言ってくれないと。俺、知らないもん。仕方ないよ。不可抗力だよ。

 と、いう事でスライム騒動は落ち着いた。だが、司祭が知っていたかどうかだ。


「ココ、司教様と司祭様はまだいらっしゃるかい?」

「はい、3階のお勉強の部屋に」

「そう。母上、話してきます」

「ええ、ロディ。お願いね」


 実際に持ち込んだのは司祭様だったとしても、悪意や敵意はないという事になる。何故なら、結界が張ってあるからだ。なら、一体誰が魔法陣を忍ばせたのか? 一体何の為に?

 魔法陣を忍ばせた者は確実にうちに敵意や悪意を持っている者だ。でないと、こんな質の悪い事をする意味が分からない。

 一体、誰なんだ?


読んでいただき有難うございます!

連休ですね〜。お休みの方も多いのかな?

宜しければ、評価とブクマをお願いします!

励みに頑張るのです〜!

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