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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第3章 領地の防御

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67/250

67ースライム出現

「何が起こっているのでしょう?」


 司教様もどうして良いのか分からず、戸惑っている。


「司教様、私がお守りしますので!」


 いつも司教様の補佐をして付いてきている司祭も動揺しながらそう言った。

 様子を見に行っていた隆が、ノックもせずバタンとドアを開けた。


「お嬢! スライムです! 邸に大量のスライムが出ました!」

「スライムですって!? どうしてスライムなんか!?」

「でも、実際に出てるッス! 今、領主隊とメイドで討伐してます!」


 領主隊はまだ分かる。メイドのお姉さん達もなのか!?


「余裕ッス!」


 と、隆は言いながらウインクして親指を立てている。

 余裕なのかよ! やっぱ毎日一緒に鍛練しているだけの事はある。

 だが、おかしい。昨日、母やクリスティー先生と一緒に特殊結界を張ったところだ。

 あれから、誰も結界に弾かれたりしていない。なのに、どうして? どうして、邸にスライムが現れるんだ!? まあ、スライムに悪意もなにもないか?


「リュウ! スライムがどこから入って来たのか分からないの!?」

「今、ロディ様が調査してるッス!」

「お嬢さまぁ、お部屋を出ないでくださいぃ」

「サキ! 何言ってんのよ! 出るわよ!」

「やっぱりですかぁ?」

「当たり前じゃない! 先生はこの部屋にいてください!」

「ココ様、危険です!」

「大丈夫です!」


 俺と隆、咲は部屋を出てスライムが襲ってきている方へと急いだ。


「リュウ、殿下は!?」

「部屋におられます! キリシマが守ってるッス!」

「母さまは?」

「討伐されています! 奥様の魔法は威力絶大ですから!」

「分かった!」


 スライムには魔法だ。母は魔法に秀でている。しかも隆が言うように威力絶大なんだ。

 此処は3階だ。まだ、スライムには出くわしていない。

 咲や隆と一緒に廊下を階下へと急ぐ。2階に下りたところでユリシスじーちゃんに会った。

 そうだ、じーちゃんもいるじゃん! 頼りになるじーちゃんが!


「うおぉぉーーーッ!!」

「お祖父さま!」

「おうッ! ココか!」


 相変わらず大きな声を上げながらバッサバッサとスライムを倒している。それは槍か? 槍なのか? いや、大薙刀か? 刀身が長いし反っている。

 その、大薙刀と思われる武器を両手で軽々と振り回し、スライムを真っ2つに斬っている。確実にスライムの弱点、身体の中央にある核をぶった斬っているんだ。凄いじーちゃんだ。


「お祖父さま! 大丈夫ですか!?」

「おうッ! スライムごときなんともないぞぉッ!」


 流石だよ! ユリシスじーちゃんがガンガン前へと進み、その後ろを側近のマティアスが取りこぼしのない様にフォローしている。まったく、良いコンビだよ。


「ココ様、2階は大丈夫です。下へお願いします! 下の方が数も多いようです」

「分かったわ! 上に殿下が居られるの! 気をつけてちょうだい!」

「了解です!」


 よし、此処はじーちゃんズに任せて大丈夫だろう。


「サキ、リュウ、下に行くぞ!」

「了ッス!」

「はいですぅ!」


 俺達はスライムを倒しながら1階へと下りて行った。

 邸の中に出現したスライムだけど、ちょっと面倒なんだよ。打撃があんまり有効じゃないんだ。

 1度剣で斬りつけた位だとポヨヨンと弾いて倒れてはくれない。2度3度と斬り付けてスライムの中にある核を壊さないと倒れてくれない。

 まあ、ユリシスじーちゃんは力業で1度で倒している様だが。信じらんない。どんな力なんだよ。いや、技か?

 一般的にスライムと呼ばれる魔物は魔法に弱い。だから、俺は膨大な魔力量に物を言わせてだな……


「なんだよ、めっちゃ多いじゃん! ウインドカッター!」


 複数の風の刃が現れスライムに向かって飛んでいく。そして、中心にある核を真っ2つに斬った。

 ほら、1度で斬れた。風の刃で核ごと真っ2つだ。打撃よりは魔法攻撃の方が倒しやすい。

 1階に下りるとまたいるよ、スライムさんが。ポヨヨンポヨヨンと、うじゃうじゃいるよ。領主隊が剣に魔法を付与して倒している。


 ――えいッ!!

 ――きゃーッ!!

 ――キモイー!!


 おや、本当にメイドのお姉さん達も、短剣片手にメイド服を翻してスライムを倒している。

 『きゃー!』とか言いながら、手に持った短剣でしっかりスライムの核を斬っている。

 メイドの身のこなしじゃないよ。踏みつけているお姉さんもいる。踵で核を踏みつけたのか粉々になっている。

 なんだ、みんな強いんじゃん。あれ? メイドのお姉さん達が持っている短剣も薄っすらと光ってないか?


「お嬢、当然ッス! 魔法付与してるッス!」


 凄いね、戦うメイドさん。やるじゃん。


「ココ!」

「ロディ兄さま!」

「母上が厨房にいる! そっちへ行ってくれ!」

「えッ!? 兄さま、厨房ですか!?」

「ああ! どうやらそこからスライムが出て来ているらしいんだ!」


 厨房からスライム? 意味不明じゃん。


「分かりました!」


 とにかく、俺達は厨房へと向かう。すると、領主隊に囲まれながら厨房の奥へと進もうとしている母がいた。それを阻んでいるのが当然スライムだ。

 どうやら、母が行こうとしている厨房の奥から出て来ているらしい。


「母さま!!」

「ココちゃん! 良いところに来てくれたわ! ちょっと蹴散らして欲しいのよ! 進めないの! 気持ち悪くって」

「はい! 母さま!」


 そこで俺はたっぷりと魔力を込めて詠唱した。


「ウインドカッター!!」


 うじゃうじゃといたスライムに向かって風の刃が飛び切り刻んでいく。


「ふぅ~、やっぱりココちゃんの魔法は強力だわ」


 そんな事を言いながら母は厨房の奥へと入って行く。厨房の床や壁までスライムでぐちゃぐちゃだ。


メイドのお姉さん達強いです! 戦うメイドさん、良いですよね〜

読んでいただき有難うございます!

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励みにまだまだ頑張りまっす!

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