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40ー女性陣にも人気

 部屋を出て皆がいる談話室へと戻り、毒のサシェの件を報告する。すると、それを聞いた霧島が……


「俺が加護を授けたから平気だったんだな! どうよ! ワッハッハ!」


 ドラゴンの霧島が、両手を腰にやり小さな胸を張って超偉そうだ。思わず……


 ――パシッ!


 叩きたくなるよなぁ。軽く叩いちゃったけど。ま、仕方ないよな。


「イッテーな! ココ、何すんだよ!」

「キリシマ、あなた昨夜寝ていたでしょう? あたし達は応戦していたのに」

「そりゃぁ、寝てたけどさぁ。それと毒とは別だろうよ!」

「昨夜、毒を置かれていたのよ。あの騒ぎの中で、起きなかったの? しかも、殿下の部屋じゃなくて父さまのところで寝ていたって聞いたわよ」

「俺が寝てようと、どこに居ようと加護には関係ないじゃんか!」

「そういう問題じゃないでしょう? しっかり守ってほしいの。もし襲撃されたらどうすんの?」

「けど……!」

「寝ていたくせに」

「う……」


 はい、霧島。撃沈だ。ちょっとキツく言い過ぎちゃったかな。ごめんよ。でもな……


「リュウ、まだまだだわ」

「うぃッス」


 まだまだ躾がなってないぞ。本当にあの騒ぎの中、よく寝ていたよ。気配で起きないか? ちょっと頼りないなぁ。


「まあまあ、ココ。キリシマも打ち上げで騒いで疲れたんだろう」

「ロディ兄さま、甘いです」


 霧島がウルウルした眼で見てくる。今度は泣き落としか? 甘いぜ。甘々だぜ。


「ココちゃん、それ位にしておきなさい。サキ、ソフィはどうなの?」

「はいぃ。今は静かに眠ってますぅ。顔色もよくなりましたぁ」

「そう、良かったわ」

「しかぁしぃッ! この執拗な仕打ち、許してなるものかぁッ!」

「あなた、声が大きいですわ」


 母よ、父の声が大きいのはいつもの事だ。


「父上、証拠を固めないといけません。中途半端だと逃げられますよ。末端だけを捕えても仕方ありませんし」

「そうね、バルトの言う通りだわ」


 だからさぁ、もうみんなでカチコミかけるって事でいいんじゃないかなぁ。


「お嬢さまぁ、それはダメですぅ」


 分かってるって。思っただけだよ。それよりも、実際黒幕は誰なんだ? もう判明してるのかな?


「先ず、あちらでどれほどの証拠を掴んでいるかです。擦り合わせをしないといけません」

「バルト、お願いね」

「はい、母上」

「よしッ! 行くぞぉーッ!」


 はいはい、父よ。今の話を聞いていたか? まず、証拠だよ。証拠。


「とにかく、護送してあちらに話を聞きに行ってきます」


 と、バルト兄が言った通り、翌日には父とバルト兄が領主隊の一分隊と共に王都へ刺客を護送して行った。俺達はだな。


「やだぁ! お嬢様、これ凄いです! 欲しいです!」


 何をしているかと言うと、せっせと下着作りだよ。相変わらずだ。さっきのは、ナタリーさんが言った言葉だ。

 男性用のボクサーパンツとアンダーシャツを先に縫っていたんだが、それをナタリーさんが試着して気に入ったらしい。

 だけど、試着する必要があるのか? 男性用だぞ。


「え、ナタリー。それ男性用よ」

「お嬢さま、分かってますよぉ! でも、着心地が今までの物と全然違うんですよ! これ、めちゃ良いですね! あたし、欲しいですぅぅ」


 咲と同じ様な喋り方になってんぞ。


「女性用はもっといいわよ」

「え? そうなんですかぁ!?」


 お、眼がキラランと光ったね。


「当たり前じゃない。寄せて上げてなんだから」

「素敵ですー! でも、取り敢えず試着したコレ、頂いてもいいですか?」

「もう、仕方ないわねぇ」

「え!? お嬢様! ナタリーだけズルイですわ」

「みんな、頑張って数を作ってちょうだい。そしたら上下1セットずつなら持って帰っていいわよ」

「キャー! やった!」


 だからさぁ「キャー!」て、何だよ。

 頑張ってくれてるからなぁ。1セット位いいよ。


「お嬢さまぁ、あたしも欲しいですぅ!」

「あ! 姉貴、ズリー! 俺だって欲しいッス!」


 うんうん、作っているみんながこれ程良いと認めるんだ。良い手応えだよねぇ。うへへ。


「お嬢さまぁ、悪代官みたいなお顔になってますぅ」


 酷いな! 悪代官て何だよ! 俺達はマイペースで、平和な日々を送っていたんだ。

 あれから、襲撃もないし。ドラゴンの霧島は父がいないせいか、ずっと王子の肩に乗っている。安心だ。え? 本当に安心か?


「リュウ、今更なんだけど」

「はい、お嬢」

「キリシマって攻撃とか防御は何ができるの?」

「あー、特には……」

「え……?」

「いや、まあ。防御はシールド張れますよ」

「攻撃は? 例の棲家を焼いてしまったドラゴンブレスは?」

「あー、ファイアボール程度ですかね」


 なんだよそれ! 全然頼りないじゃん! 安心できないじゃん!


「いやでもお嬢、加護があるんッスから」

「関係ないわよ。イザという時にどうすんのよ。サキ、リュウ、行くわよ」

「はいぃ」

「うッス」


 俺は慌てて作業場を後にした。もちろん、ドラゴンの霧島を取っ捕まえる為だ。


日間ランキング129位でした!ありがとうございま〜す!

PV数も着実に増えてます!

読んで下さる皆様、有難うございます!

宜しければ、評価とブクマお願いします!

まだまだ頑張ります!

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