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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第6章 王都

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207/250

207ー部屋の解呪

『んぐ……コホッ。ココ様ですか?』

『はい、クリスティー先生。どうしました?』

『今、奥様とお茶をしていたのでっす』


 ああ、何か食べていたんだな。だから、咽せたのか。平和そうで良かったよ。


『ココ様、どうしました?』

『クリスティー先生、以前お部屋の入り口に魔法陣が設置されたものがありましたよね? あれと同じものを見つけたのです』

『おや、なんて物騒な。ココ様、また1人で危険な事をされているのではないでしょうね?』


 なんだよ、俺って信用ないなぁ。


『大丈夫です。ロディ兄さまと一緒です』

『そうですか。なら良いでっす。で、それを解除しましたか?』

『まだこれからです』

『では、ドアの上下に魔法の痕跡がないか注意深く見てください』


 ドアの上下だな。確か前の時には鑑定眼で見るとドアの真上に不自然な光があった筈だ。

 俺は慎重にドアの周辺を鑑定眼で見る。と、ここでは真下だ。同じ様に、ここを通る度に精神干渉の魔法が掛かるようにしてあるんだ。


『クリスティー先生、ドアの真下に光る魔法陣があります』

『よく見つけましたね。ディスペルしましょう』


 クリスティー先生に言われた様に『ディスペル』と呟く。すると、パキンと割れるかの様に魔法陣が壊れて消えた。光ももうない。


『クリスティー先生、消えました』

『では、注意しながら部屋に入りましょう』

「殿下、もう大丈夫です。慎重に入りましょう」

「分かった」


 ドアを開けて部屋に入る。ああ、もう何なんだよ。やってる事が執拗なんだ。

 その部屋は勉強部屋の様にデスクが置いてあった。教える側と教わる側。その真下に大きな魔法陣があった。

 ここに座っている間は魔法陣の影響を受けるんだ。誰であろうと関係なくだ。

 ここで、王族の講義があるのを知っているかのようだ。


『クリスティー先生、デスクの下に魔法陣があります』

『ココ様、それに惑わされず周辺も見て下さい』


 周辺か……ああ、本当だ。大きな魔法陣に気をとられていると、引っかかるところだ。


『天井にもありました』

『確実に精神干渉する為でしょう。念には念を入れているのでっす』


 ムカつくなぁ。


『ココ様、部屋を一気にディスペルでっす』

『部屋をですか?』

『はい。魔法陣は保存ができませんからね。私がいればスキャンするのですが。そのままにしておいても害しかありませんから、部屋ごとやってしまいましょう』


 え、俺そんな事できるのか? だって部屋ごとだぞ。


『できますよ。いつもより魔力を少し多めに込めましょう』


 よし、やってやるよ。こんな魔法陣は消してやるぜ。


「ディスペル」


 俺はクリスティー先生に言われた様に、いつもより意識して多めに魔力を込めて詠唱した。すると、部屋中に光が充満しパキンッと魔法陣が壊れ直ぐに消えていった。ちゃんと消えているかどうか確認だ。


『大丈夫です。できました』

『はい、お利口さんです。もうその部屋は安全でしょう』

『クリスティー先生、ありがとうございます』

『いいえ。もしまたお部屋を見るなら同じ様にしてください。ココ様なら楽勝でっす』

『ありがとうございます』

『いつでも、念話してきてください。お1人で危険な事をしては駄目ですよ』


 また念をおされちゃった。大丈夫だよ、今回はロディ兄も一緒だ。


「ココ、もしかして魔法陣か?」

「はい、兄さま。領地の邸に設置されていた様な魔法陣です」

「ドアの部分と、どこにあったんだ?」

「ドアの下と部屋の天井、それにデスクの真下です。確実に精神干渉する様にでしょう」 

「なんだと、それがココアリア嬢には見えるのか?」

「はい。スキルです」

「ああ、そうか。そうだな。言っていたな」

「ココ、もう大丈夫なのか?」

「はい、部屋ごとディスペルしましたから」

「部屋ごと!?」

「ココ、無理をするんじゃないよ」

「兄さま、全然大丈夫です。次のお部屋に行きましょう」


 俺達は、第2王子直々に案内されて3箇所部屋を回った。全部の部屋に魔法陣があった。

 全部片っ端から解除してやったけどな!


「エリアリア嬢といい、ココアリア嬢といい……辺境伯一家はとんでもないな」


 え? 姉は学園で一体何をしているんだろう?


「私の学年でエリアリア嬢に剣で勝てる者はいないだろう」


 マジかぁ……そんなになのかぁ。


「クフフフ。エリアリアは領地を守ると言ってますから」

「それにしても、強すぎるだろう」

「いえ。父や兄、祖父には到底勝てません」

「……もう、言葉が出ないな」


 俺もだよ。姉はどこを目指しているんだ? まさか、あの脳筋集団の頭を目指しているんじゃないだろうな。


「アハハハ!」


 ロディ兄が堪えきれずに笑ってるよ。


「ロディ、笑い事じゃないぞ。同級にあんなに強い令嬢がいると、こっちはやっていられないんだ」


 そうだろうなぁ。ある意味、気の毒だ。

 そんな話をしながら第2王子の執務室に戻ってきた。そしたら、咲がマリスティナ様とセシリア嬢にお茶を出して楽しそうにお喋りをしていた。

 第1王子は執務に戻ったらしい。


「なんだ、楽しそうだな」

「はい、殿下。サキさんはとっても楽しい方なのですよ」

「本当、驚くお話ばかりだわ」


 咲、何を話していたんだ?


「ロディ様、お嬢さまぁ、どうでしたぁ?」

「サキ、見た部屋の全部にあったさ」

「全部ですかぁ?」


 そうだよ、全部だ。

読んで頂きありがとうございます。

宜しければ、評価やブクマをして頂けるととっても嬉しいです。

宜しくお願いしまっす!

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