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☆書籍化決定☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第6章 王都

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202/249

202ーどうしてこうなった?

「ココ……」

「はい、ロディ兄さま」

「今日は帰ろうか」

「えぇ~」

「ロディシス、構わん」

「はい?」

「私の侍従として居ればよい」

「え、しかし……」

「構わん。その方が城の奥にまで入れるぞ」


 あ、それは良いな。良い考えだ。ノワがまだ入っていない場所に行けるって事だ。


「本当に宜しいのですか?」

「ああ。構わない。全面的に協力する」

「ありがとうございます」

「いや、父上や王家を助ける為の事なのだ。協力するのは当然だ」


 先に第1王子を解呪しておいてよかった。良い方向に進んだじゃん。てか、俺はどうしたら良いんだ?


「ココアリア嬢は……そうだな……」


 どうしてこうなった? 2回目だ。

 俺は今、第2王子ニコルクス殿下の執務室にいる。何故なら、第1王子の「ニコルクスの侍従見習いにでもなるか?」と、いう鶴の一声でこうなったんだ。


「ココアリア嬢も強いのか?」


 と、いきなり第2王子に聞かれた。


「いえ、あたしは姉程ではありません」

「そうか! よかった。後で手合わせをしないか?」

「はい」


 王子殿下に嫌だとは言えない。

 隆は俺と一緒に第2王子のそばにいる。咲はメイドさん達と一緒に仕事をする事になった。なのに、この部屋にいる。シレッと第2王子にお茶を出している。


「この者達も強いのか?」

「はい、2人共強いですよ」

「そ、そうか」


 おや、何か拘っているか? 王子殿下なんだから強くなくても良いじゃん。守られる側なんだからさ。


「その……フィルドラクスは今までどうしていた?」

「はい。来られた当初の頃は、毒やらなにやらで……」

「ど、毒だと!?」

「はい。深く毒に侵されておられましたし、精神干渉もありました」

「一体誰が!?」

「でも、解呪してからは祖父達と一緒に鍛練されていましたよ。今はもうお元気にされています」

「た、鍛練か?」

「はい。お祖父さま達と」

「前辺境伯の事なのか?」

「はい、そうです。ユリシスお祖父さまとディオシスお祖父さまです」

「お2人となのか……私より強くなっているのかも知れないな」

「殿下、無理にお強くなられなくても」

「ココアリア嬢は、エリアリア嬢の強さを知っているか?」

「はい。こちらに来る時にも、姉さまに助けられました」

「そうなのか?」

「はい。でも姉さまみたいに強くなられなくても、王子殿下なのですから」

「ココアリア嬢は優しいのだな。エリアリア嬢なんて……」


 あ、やっぱ姉は第2王子をイジッているな。トラウマになったらどうすんだよ。


「殿下、姉の言うことは気になさらないでください」

「そ、そうか?」

「はい。殿下には殿下の良いところがあります」

「そうか! どんなところだ?」


 え? そんなの会ってまだ2度目なのに知る訳ねーじゃん。


「えっとぉ……」


 言葉が続かない……


「いや、良いんだ。無理にそう言ってくれなくてもな」


 なんだよ、そんなに拘る必要ないって。マジでさ。


「殿下、あたしも強くありません。辺境伯家なので、鍛練はしますし多少人より魔法は使えますが、それでもあたしはいつもこの2人に守られています。それでも良いんです」

「そうか……?」

「はい。殿下がお出来になる事をされていれば良いと思います」

「有難う」


 姉よ、どんだけイジッていたんだ。心が折れてないか? ちょっとやり過ぎだ。可哀想になってきたじゃないか。それとも本当に弱いのか? そんな事よりもだ。


「殿下、では殿下の従者見習いという事で動かせて頂きます」

「ああ。しかし、危険な事はしてはいけない。ココアリア嬢に、もしもの事があったら私は辺境伯に顔向けできない」

「はい。ありがとうございます」


 俺は第2王子の部屋を出て、周辺を歩いてみた。ロディ兄は兄で第1王子の周辺を探っているだろう。

 俺には探るなんて事は出来ないから、取り敢えず歩いて見ている。すれ違う貴族や働いている人達を見ているんだ。


「お嬢、どうッスか?」

「全滅だわね」

「全滅ッスか!?」

「そうよ、全滅よ。すれ違う人みんなだわ」

「どうするんッスか?」

「そうよね……ノワちゃん連れてきたらよかったわ」

「ああ、盲点ッスね」


 なんで盲点なんだよ。全然盲点なんかじゃないだろうよ。

 ノワはノワで別の場所を歩いている筈なんだ。だからなぁ……と思いながら庭に出た。

 ここは城の1番奥だ。その中庭だ。直接王族に接する人や、王城で働く重鎮達、その従者や部下等だけが入る事ができる。かなり中枢に入った場所なんだ。

 下働きの者などは入る事が出来ない場所だ。

 貴族でも役職を持っているか、呼び出された者位しか入れないだろう。

 そんな場所だ。まあ、当然と言えばそうなんだが……会いたくない奴が前から歩いてきた。

 俺は素知らぬ顔をして脇に避け頭を下げる。このまま通り過ぎてほしい。と、祈りながら。


「あら? あなた見た事がないわね」


 ああ、通り過ぎてくれなかった。俺が会いたくなかった相手、第1王女のマールミーア・ヴェルムナンドだ。


「あなた、誰の従者なの? 顔を上げなさい」


 ああ、バレないように……と思いながら顔を上げようとした。


「第2王子殿下の、従者見習いでございます。本日から登城しております」


 隆だった。第1王女の目についたのは俺ではなく、隆だったんだ。その派手な金髪が目に留まったんだろう。

 良かったぜ。俺は、頭を下げたままで待つ。


読んで頂きありがとうございます。

今日はこの後、ちびっ子転生者〜を投稿します。

宜しければ、評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

誤字報告もありがとうございます。

宜しくお願いします!

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