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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第6章 王都

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198/250

198ー潜入か?

「でもあのモヤモヤはどこに行くんでしょうね? 不思議です」

「あれはね、精神干渉を掛けた本人に戻るらしいわよ。クリスティー先生がそう言ってたわ」

「やだぁ、怖いぃ~」


 なんて急に、ブリブリぶりっ子じゃん。でも、その顔だと本当は、後を追いかけてみようとか考えてんだろう? イケイケじゃん。

 いい事聞いちゃった。て、顔してるもんな。


「でも、ココ様。追いかけたくなりませんか?」

「なるわね」

「ですよね~」

「こらこら、ダメだよ」


 ロディ兄に叱られちゃった。先に言われてしまうと出来ないじゃん。


「ココ、だから追いかけては駄目だ」

「でも、ロディ兄さま。追いかけたら犯人が分かりますよ?」

「そうだけどね。危険だろう?」

「ん~、そうですか?」

「お嬢様、ノワちゃんに追いかけてもらいますか?」


 いやいや、それも危険じゃん。変わらないじゃん。


「そうですか?」

「そうよ」


 メイドさん、大胆だね。可愛いノワちゃんに危ない事をさせちゃダメだよ。

 まさかノワまで黒いモヤモヤを食べてしまったりしないよな? ノワはそんな事をしないと思いたい。

 そのノワは、知らん顔をして後ろ脚で首筋をカッカッカッカと掻いている。まるでワンちゃんだ。


「見ているとつい追いかけたくなるんですよ。フワフワ~ッて飛んで行くんです」

「そうなの?」

「はい。ですから後を……」

「ダメだからね」

「はぁ~い」


 プププ。ほらまた言われちゃった。念押しされちゃった。


「残念ですぅ」


 やる気だったのかよ! まさかもうやっちゃったりしてないよな?


「フフフ」


 こえ~、うちのメイドさん達アグレッシブで怖いよ。


「もうあと数日で、全部回れるんじゃないかな」

「流石に、建物の中も全部だから日数がかかりましたね」


 と、ノワの方は順調に進んでいる。それにしても、最近父とバルト兄は何をしているんだ?

 じーちゃんの邸ではあまり見かけないぞ。


「ココが起きてくる頃には、もう出かけているからね」

「ロディ兄さま、そうなんですか?」

「ほら、ユリシスお祖父様とディオシスお祖父様も見かけないだろう?」

「はい、邸が静かです」

「ハハハ、騎士団の訓練に参加しているんだよ」


 ああ、とうとう我慢できなくなったか。身体を動かしたくて仕方ないんだろうな。


「ココ、それもそうなんだけど潜入の意味もあるんだよ」

「え、ユリシスお祖父さまがですか?」

「ああ。そうなんだ」


 グスタフじーちゃんの息子と連絡を取り合っているらしい。俺はまだ会った事がない。


「お2人共文官だよ」

「騎士団じゃないんですね?」

「いや、次男の方が騎士団付きの事務官だ」


 なるほど、その線からの潜入か。

 俺はやる事もないから、その騎士団へ見学に行った。


「気合が足らんぞぉーッ!」


 ん? この声はうちのドンじゃね? いや、うちの父だ。何してんだよ、調べてんのじゃないのか

「おぉー!!」


 いかん、これはもう馴染んでいるぞ。当たり前のように鍛練を仕切っているじゃないか。


「お嬢、予想できた事っス」

「はいですぅ」

「そうだけどさぁ」


 本当、脳筋だね。バルト兄はどうした?


「バルトーッ! どうした! 弛んでいるぞーッ!」


 ああ、参加しているんだね。じゃあ当然、ユリシスじーちゃん達もいるだろうな。

 ちょっと鍛練場の隅から離れて見ていた。だって「ココも参加しろ!」とか言われたら嫌じゃん。

 このまま鍛練が終わるまで見ていよう。


「ココーッ!」


 空気を読まない奴がいたよ。そうだよ、小汚い小さなとかげさんだ。


「とかげじゃねーぞッ!」


 ぴゅーッて飛びながらキックしてきた。そんなの、痛くも痒くもないぜ。ペチッて音がするだけだ。霧島も本気じゃないしな。


「キリシマ、こっそり見ているんだから来るんじゃないわよ」

「なんでだよ、一緒にやろうぜッ」


 それが嫌だからコッソリ見てるんじゃないか。なんで遥々王都まで来て、鍛練しなきゃいけないんだよ。


「ココ、楽しいからに決まってるだろ?」

「キリシマ、楽しくないわよ」

「えぇッ!? そうなのか!?」


 なんで驚いてんだよ。楽しい訳ないじゃん。キツイだけだよ。

 分かってるか? 俺はまだ8歳の幼女なんだぞ。それを大の大人に混じって鍛練なんてさ、キツイに決まってるだろう。


「ココ、来たのか」

「あ、ディオシスお祖父さま。やっぱり鍛練していたんですね」

「アハハハ、仕方ないね」


 まあね、父やユリシスじーちゃんがじっとしている訳ないよな。

 あれのどこが潜入なのだろう? 俺には全く分からない。


「ハハハ、そうだね」

「ディオシスお祖父さま、本当に鍛練をしているだけじゃないですよね?」

「ん? さあ、どうだろうね」


 もう、ディオシスじーちゃんはいつもこうだ。俺はまだ子供だからか?

 俺だって役に立ちたいんだよ。


「ココ、充分役に立っているよ。状態異常無効はとても有難い」

「そうですか?」

「ああ。よぉーく見てごらん」


 じーちゃんが鍛練している騎士団を見る。騎士団の鍛練を良く見ろって事か?

 いや、違う。騎士団にも精神干渉を受けている者がいるんだ。じーちゃんの言う通り、よぉ~く見ていると分かる。

 

「だろう?」

「はい、驚きました」

「これで篩に掛けているんだ」


 一目瞭然とはいかない。鍛練をした事がない人には一緒に見えてしまうかも知れない。その程度の変化なんだ。

 でも、領地で毎日欠かさず鍛練をしてきた俺の目には違って見えたんだ。


読んで頂きありがとうございます。

宜しければ、評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いしまっす!

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