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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第6章 王都

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193/250

193ー第2王子

「実は色々聞きたい事があってな」

「兄上、私から話します」

「ああ」

 

 第2王子が話し出した。その内容は……

 実は、例のガラスペンにえんぴつだ。

 あれはやはり辺境伯領の物なのか? と聞かれたんだ。


「私はまだ手に入れられていないのです。みんな持っているのに……」


 と、悔しそうに手を握り締めて言った。なんでも、第2王子の周りの学生が次々と使い出し、贈り物にも良いと聞いたらしい。

 学園で流行っているのは、多分姉達がいるからじゃないか? 嬉しがって何本も持って帰ったし。えんぴつなんて、普段の授業でノートをとるのにとっても良いわ。なんて、話していた。

 で? だから第2王子は何が言いたいんだ?


「兄上が着ておられる下着も辺境伯領産だと聞いたんだ。それもきっと学園でエリアリア嬢達が話していた物なのだろう? 私は何も知らなかった!」


 ……で?


「その……だから……」


 だから? プクク。この王子、頼りないと言うより自分の感情に素直なんだな。


「ココ、持っているかい?」


 あ、ロディ兄が先に言っちゃったよ。欲しいと言わせたかったのに。


「兄さま……」

「あるんだろう?」

「そうなのか!? 是非、私も欲しいんだ!」


 おう、身を乗り出して言ったよ。そんなに素直に言われるとちょっと嬉しい。


「ありますよ。今出しますか?」

「え……?」

「あぁ、でもガラスペンはシンプルな物しか持っていないのです。ちょっと凝った物は姉が全部持って行ってしまって……」

「エリアリア嬢か!?」

「はい。アンジェリカ様もですね」

「またあの2人か!?」


 ……また?


「あの2人はシュークリームやエクレアも自慢するんだ。ああ、アイスクリームにプリンもだ。私は食べた事がないのに」


 姉とアンジェリカ嬢は何をしているんだ? 第2王子に自慢してどうすんだよ? もしかして反応を楽しんでないか? 

 この第2王子、いちいち素直に反応するんだ。だから俺もつい『欲しい』と言わせたくなったんだ。


「クククク……」

「ロディ、あの2人は直ぐに調子に乗るのが悪い癖だ」

「お祖父様、本当ですね」

「さすがに食べ物は持っていないわよね? ココちゃん」

「ありますよ」

「え……?」

「はい……?」

「持っているのか?」

「はい、ありますよ。出しますか? 食べてみられますか?」

「ああ、是非!」

「なんだ? そんなに美味いものなのか?」

「イザークス殿下、スイーツですわ」

「スイーツとは?」


 おやおや、イザークス第1王子はスイーツをご存じないと。駄目だねぇ。遅れているよ。


「殿下、今話しておりましたシュークリーム等の甘い菓子の事を近頃ではそう呼ぶのです」

「そうなのか? セーデルマン侯爵はよく知っていたな」

「ハハハ、私も存知ませんでした。しかし、当家にはエリアリアやアンジェリカ嬢が出入りしておりますので、それで知りました」

「なるほど、王都の流行りを作っているのは学園の女子だという。その最先端なのだな」


 いやいや、そんな大したもんじゃないだろう。

 潜入していたうちのメイドさんが、気を利かせて皿を出してきた。


「お祖父さま、良いのですか? 毒見とか……」

「そうだな。殿下、先ず私が頂きましょう」

「いや、構わん。頂こう」

「兄上、私もです!」


 はいはい、いくらでも出すぜ。

 先ずは、そのスイーツからだ。


「これが、シュークリームといいます。中にカスタードクリームが入っています。こっちがエクレアです。チョコレートを掛けてあります」

「チョコレートだとッ!?」

「はい、殿下。チョコレートです」

「わ、私はまだ食べた事がないんだ」

「そうなのですか?」

「王都ではそう珍しくありませんわよ」


 と、祖母が追い打ちをかける。そうだよな、俺も王都観光で食べたぞ。

 そして、アイスクリームだ。なんでこんなに亜空間に入れていたのかって? だって食べたいじゃん、それだけだよ。

 どれも日持ちしないだろう? アイスクリームなんて直ぐに溶けてしまう。だから、そんなの関係ない亜空間にそこそこの量を入れていたんだ。


「これが、アイスクリームです。冷たいですよ」

「冷たいのか!?」

「はい、殿下。ミルクと卵と砂糖で作ったものです。直ぐに溶けてしまいますよ」

「おぉー!」


 ハハハ、この王子ほんと素直で可愛いじゃん。プリンも出してあげようではないか。おっと、でもこの王子も精神干渉を受けているのか?


「ココ、こっそり見てみなさい」


 とうとうじーちゃんまで言い出した。

 はいはい。俺は無言で頷いた。そして、心の中で『鑑定』だ。


「あー、お祖父さま。駄目駄目です」

「そうか」


 1発いっとこうか? ん? いつでもやるぞ?


「ココ、待ちなさい。ココもエリアそっくりだね」

「えぇ、ロディ兄さま、そんな事ありません」

「何!? ココアリア嬢もなのかッ!?」


 ん? 何がだ?


「エリアリア嬢とアンジェリカ嬢は、もう私の手には負えないんだ。本当に強いんだ。あの2人は一体どこを目指しているのだか」

「アハハハ」


 とうとう、祖父とロディ兄が声を出して笑いだした。


「ご迷惑をお掛けしているのですかな?」

「いや、迷惑ではないんだ。ただ、悔しくてな」


 そんな事を話し乍ら、王子2人は俺が出したスイーツに夢中だ。


「美味いものだな」

「兄上、そうでしょう? これを自慢されるのですよ」

「自慢したくなる気持ちも分かるな」

「兄上! いつも自慢される私の身にもなってください」


 ああ、これはあの2人。王子をイジって楽しんでるな。決まりだよ。人が悪いなぁ。


読んで頂きありがとうございます。

宜しければ、評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします!

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