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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第6章 王都

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189/250

189ー分からない

『なるほどでっす。大勢の人間を解呪ですか』

『はい、クリスティー先生。あたしにできますか?』

『できない事はないと思いますよ……そうですね、少しお時間をくださいませんか?』

『はい、クリスティー先生』

『また、連絡しまっす。皆様、無理をなさらないで、身体には気を付けてくださいとお伝えください』

『はい、有難うございます』


 できない事はない……か。でもクリスティー先生が考えるということは、俺が解呪するよりもっと有効な手立てがあるのか、若しくは俺の能力がギリギリなのか……?

 とにかく、俺には分からないからクリスティー先生の返事を待つとしよう。


「ココ、無理は駄目だよ」

「はい、ロディ兄さま」


 もちろん、自己犠牲なんてしないさ。そんな事をしたら、悲しむ人達がいるのが分かっているから。


「お嬢……」

「お嬢さまぁ」

「大丈夫よ。クリスティー先生が手立てを探してくれるわ。それまで待つわ」

「はいですぅ」


 ホッとした顔をした咲と隆。こいつ等を置いていくわけにはいかない。一緒に天寿を全うするんだ。転生したと分かった時にそう俺は決めたんだ。

 だから、そんな心配しなくても大丈夫だ。


「ココ、お前本当に良い奴だな」

「キリシマ、また勝手に読むんじゃないわよ」


 これは言っても聞かないな。


「敢えて読んでいるんじゃねーんだ。ココと繋がりがあるだろう。だから勝手に流れてくるんだよ」

「じゃあ、殿下も?」

「いや、あいつよりココの方が繋がりが深いらしい」

「意味分かんないわ」

「まあ、色々あんだよ」


 そうかよ。色々都合の悪い、隠し事があるって事だな。


「ココー!」

「アハハハ」


 キリシマとそんな事を話しながら、ノワとじゃれていたんだ。そこに父とバルト兄が戻ってきた。


「ふぅ~、いかんな!」

「父上、報告しましょう」

「ああ、任せる」


 と、結局バルト兄が何をしていたのか話してくれるみたいだ。

 父が何故か疲れている。頭を使う事は苦手だからな。なんせ脳筋だ。脳筋集団のドンだからな。

 また、談話室にみんな集まっている。が、今日は姉達は欠席だ。学園があるからね。


「結論を申しますと、騎士団や事務管理の方にも何も情報が集まりませんでした。どちらも陛下のお姿を、久しく見ていないそうです。管理の方は、いつもなら陛下によく呼び出されていたそうなのですが、この数年ぱったりと無いそうです」

「アレクシスが、殿下をお連れする時にもお目通りできなかったのだろう?」

「はい、義父上。陛下にも、王妃様にもです」

「その頃かららしいですね」

「では、最悪の事を考えると、その頃から城内は精神干渉を受けていたということか」

「そうなるかと。しかし、何が目的で一体誰がというのが全く掴めません」


 そこだよ。王族に精神干渉をして、城で働いている者まで精神干渉をして、一体何がしたいのか?

 それが、全く分からない。まさか他国の間者が? とも考え辛い。何故ならこの大陸にある国は、各国と安全保障条約を結んでいるからだ。


「ココは何故そうなったのか勉強したかい?」

「はい、ロディ兄さま」


 昔々、ずっと昔、各国は領地を求めて戦を繰り返していたそうだ。

 それが何年も何十年も続いて各国は疲弊した。土地も荒れた。どの国もその戦が元で国力を削いでしまったんだ。

 それで、停戦し各国と安全保障条約を締結するに至ったんだ。

 奪うより、流通させようという事だ。

 当然だ。そんなに長い間戦をしていたら、どの国にとっても有益にはならない。なる筈がない。

 其々の国が欲しいもの、売りたいもの、領地は渡せないがその分物でという事になったのだろう。

 平和的に解決するしかもうなかったのだろう。そこまでになった戦だったらしい。

 だから2度と戦を起こしてはならない。

 平和を守らなければ1番傷つき疲弊するのは民達だと、領地にある教会の司教様に教わった。


「そうだね。だからもし今回の事が他国の侵略行為だとしたら国際問題になる」

「そんな事を、どこの国でもしようとは思わないだろう」

「お祖父さま、どうしてですか?」

「各国から批判されるだろう? もしかしたら流通を止められてしまうかも知れない。そんな事になったら困るのは自分の国だ」


 なるほど。それだけ強固な条約なんだな。


「こんな事をして、誰が1番得をするのかを考えたのです」

「誰だ?」

「それが、誰とも。強いて言えば王妃様の一派でしょうか?」


 そうだよ、だから俺達は1番最初に王妃を疑ったんだ。


「でも、王妃様ご自身も表に出てきておられません」

「そうなんだよ。だからその線も弱い」

「全く分からんぞッ!」


 ああ、父が投げやりになっている。メイドさんが出してくれたお茶を一気飲みしちゃって、おかわりを貰っている。


「ヒューマンとしてはそうなんだろうな」

「キリシマ?」

「いや、まだ俺も全然分かってねーぞ。でもクリスティー先生と話していたんだけどな、こんな精神干渉を続けるのにはヒューマンだと魔力が足らないんじゃないかと思ってな」

「キリシマ、なら黒幕はヒューマンじゃないって事か?」

「それも半々だ。ヒューマンの比較的魔力量が多くて、魔法操作に長けている魔術師が何人もいるなら話は別だ。人数でカバーすんだよ。ならできねー事もない」


 なんだ、結局振り出しだよ。まだ何も確実な事は分からない。


「いや、陛下がご存命だと分かった事は大きな事だ」


 どんな状態で生きているかだ。と、俺は思った。

 何故なら精神干渉を受けていた頃の王子を知っているからだ。


読んで頂きありがとうございます。

宜しければ、評価やブクマをして頂けると嬉しいでっす。

宜しくお願いします!

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