表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第6章 王都

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

179/250

179ー王城

 翌日からロディ兄が話していたように、メイドさん達が出掛けていった。ついて来たメイドさん全員だよ、全員。うちのメイドさんはどうなってんだ?

 姉とロディ兄の婚約者は学園があるからと寮に帰って行った。


「ココちゃん、いい? 絶対に先走ったら駄目よ。ココちゃんだって身の安全を考えて動いてね。姉様と約束よ」

「本当ですよ、ココちゃん」


 帰る前に2人から、そう釘を刺されちゃった。俺ってそんなに先走らないぜ。ちゃんと落ち着いて王子を守るさ。


「ココ、そうじゃない。その気持ちは素晴らしいんだけどね」


 と、ディオシスじーちゃんに言われた。何が違うんだ?

 

「ココちゃん、あなた何してるの? 準備しなきゃ」

「お祖母さま、何の準備ですか?」

「昨日話したでしょう? 早速お城へ行くわよ」

「え……」

「お嬢さまぁ、お着換えしましょうねぇ」

「サキ……マジかよ?」

「マジですよぅ」

「お嬢に戻ってくださいッス」


 とっくに戻ってんだけど。ちゃんと女児用のワンピース着てるじゃん。あれ? これじゃまだ駄目なのか?


「ココちゃん、もう少し令嬢らしくしなさい」

「は、はい。お祖母さま」


 駄目らしい。あぁ、あのドレスを着るのか。超めんどくせー。


「お嬢、顔に出てるッス」

「だってリュウ。ドレスなんて面倒よ」

「これ、ココちゃん」

「はい、ごめんなさい」


 俺は咲に連れられ、ドレスにお着換えだ。まあ、領地で作った下着のお陰で以前よりはかなり楽だ。以前は子供であろうとお構いなしに窮屈な思いをしていた。コルセットまではいかないが、ギュウギュウと締め付けられたんだよ。身体に悪いだろうってレベルだよ。


「あぁ~、こっちのドレスかぁ……」


 と、俺はドレスを見て項垂れる。これ、母が張り切ってオーダーした方だ。ヒラッヒラのフリルやレースがいっぱいついていて、しかもおリボンもいっぱいだ。


「きっついなぁ」

「えぇ? まだ絞めてませんよぅ」

「ばか、サキ。気持ちがだよ」

「うふふぅ。とっても可愛らしいですよぅ」

「そうかよ」

「ココ、俺は留守番か?」

「キリシマ、もしかして行く気だったの?」

「そりゃそうだろうよ。ココが行くなら俺も行くぞ!」


 なんでだよ。お前は王子の護衛をしなきゃだろうが。


「あ、そっちかよ」

「そうよ」

「けどなぁ……ココ、いつでも念話できるようにな」


 そんな事意識しなくても、勝手にいつも俺の心を読んでるじゃん。


「いや、マジで。今回は最初から読ませてもらうからな」

「いつも通りじゃん」

「まあな」


 こら、キリシマ。お前マジでいつも読んでるな!?


「心配してやってんじゃねーか」

「やり過ぎよ」

「いや、今日は駄目だ」

「はいはい」


 なんだろう? そこまで言うのは初めてだな。


「お前さぁ、敵陣に乗り込むって事なんだぜ。分かってんのか?」

「分かってるわよ」


 なんなら、俺カチコミかけるぜ。


「お嬢……」

「はいはい」

「お嬢さまぁ、おリボンはどの色にしましょうぅ?」

「なんでもいいさ」

「はいぃ」


 咲が張り切ってるよ。もう着せ替え人形になった気分だ。髪にもヒラヒラのおリボンをつけられた。


「これ、例の糸で編んだおリボンですからねぇ」

「そうか」

「かわいぃ~とかないんですかぁ?」


 馬鹿咲、そんなのある訳ねーじゃんよ。


「ああ、もったいねーッス」


 隆、お前ヒデーな。てか、お前も霧島も男なのになんで着替えてる間ずっと部屋にいるんだよ。


「え、駄目ッスか?」

「ココ、何言ってんだよ」


 ああ、もういいよ。さ、行こうぜ。ばーちゃんが待ってるぜ。


「はいぃ」


 部屋を出て、下に降りていくと着飾ったばーちゃんとロディ兄がいた。

 ロディ兄がそんな恰好をしているのを初めて見たよ。

 例の糸を使って、織った生地で作った濃紺の上着の中に同色のジレを着て、現代でいうネクタイの代わりのクラヴァットをつけている。

 上着やジレだけでなく、トラウザーズにまで糸の艶や濃淡で華やかな模様を織り込んだ生地を使っている。

 中に着ているドレスシャツは袖がふんわりとしていて前には丁寧に細いタックが付けてある。

 これは、ミリーさん達頑張ったな。超力作じゃん。いつの間に作っていたんだ?

 俺のドレスは生地を持ち込んで、母がいつもオーダーしている店に作ってもらった。デザインから母が張り切って凝った一品だ。なんでも良いのにさ。

 ばーちゃんは、お上品に控えめな淡い色味のドレスだ。


「まあ、ココちゃん。そのドレスの生地ね!?」

「はい、お祖母さま」

「素敵じゃない。とっても綺麗な艶だわ。ロディのはなんて綺麗な模様なのかしら。それは織り込んであるのかしら?」


 と、興味津々だ。超至近距離、いや、手に取って見られたよ。


「やはりあれね。ミシンとかいうもので縫製してあるからかしらね」

「お祖母さま、そんなに違いますか?」

「ココちゃん、全然違うわよ。ラインが綺麗だわ。こんなに生地を重ねているのに、もたつきが全くないのね。素晴らしいわ」


 そうか? 俺はよく分からん。


「アハハハ、ココのそんなドレス姿なんて初めて見たよ」

「ロディ兄さま、当然です。滅多に着ませんから」

「ココちゃん、それは令嬢としてどうなのかしら?」


 あらら、これ以上墓穴を掘るのは止めておこう。


読んで頂きありがとうございます。

宜しければ、評価やブクマも宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ