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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第6章 王都

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177/250

177ーチョコレート

「あなた、戻ってくるなりご自分の事ばかり」

「ああ、すまん」

「ココちゃん、私達にも同じ効果の物があるのかしら?」


 と、祖母が言ってきたので俺は説明した。

 さっき話していた生地でドレスを仕立てると良いと。それまでは下着を着けてもらう。

 それと、俺達が馬車の中で編んだショールやリボンをつけてくれると安心だと。


「まあ、おリボンでも?」

「はい、お祖母さま。ちゃんと状態異常無効の効果がありますよ。流石にリボンだけだと防御力は変わりませんけど。だから下着やブラウスをしっかり着用してください」

「分かったわ」

「これからは、何が起こるか分からないからな」

「そうね」

「ココもだよ」

「はい。私達は大丈夫です。全部あの生地で作った物です」

「それなら安心だ」


 だが、いくら防御力が強化されるといっても剣で刺されたりしたら関係ないからな。弓矢にも要注意だ。

 『斬る』より『刺す』方が要注意なんだ。と、いう話をした。


「なるほど、力が1点に集中したら駄目なのだね」

「はい、お祖父さま。その通りです」


 そんな話をしていたら、メイドさん達がお茶を出してくれた。

 おや、このメイドさんは領地から付いてきたメイドさんだ。旅芸人に扮していた時と、印象が大違いだ。


「ああ、このお茶もとってもまろやかで美味しいわ」


 領地のものらしい。シゲ爺がぶどうだけでなく、茶葉も加工したりしているらしい。

 小汚い恰好で杖を担いで走っているシゲ爺からは、想像もつかない繊細な味なのだそうだ。


「定期的に送ってくれないかしら?」

「これからは可能でしょう。ココが沢山マジックバッグを作りましたから」

「なんとッ! マジックバッグまでココが!?」


 そんなに驚く事なのだろうか? と思い、キョトンとしていた。


「ココ、お前を隠しておきたくなるな」

「あなた、隠すなんて……でも、そうですわね。ふふふ」


 まだ、意味が分からない。マジックバッグを作ったら隠されちゃうのか?


「ココ、それだけこちらでは希少なものなんだ」

「ディオシスお祖父さま、そうなんですか?」


 でも、これだけ大きな街ならマジックバッグくらい作れる人が何人もいそうだけど。


「クリスティー先生が何と言っていたか思い出してごらん?」

「クリスティー先生がですか? えっと……あ、魔力量ですか?」

「そうだ。マジックバッグを作成する為に必要な魔力量と、緻密な魔力操作のできる者が少ないんだ。複数の魔法を同時に使うだろう? エルフのクリスティー先生には全く支障のないことだけどね」


 ああ、確かに。エルフの魔力量と魔法の知識は計り知れない。ついでに年齢も計り知れない。


「ココちゃん、私も欲しいわ」

「はい、お祖母さま。どんなのが良いですか?」

「ココ、そんな感じなのか?」

「お祖父さま、そんな感じって何ですか?」

「とっても気軽に言っていないか?」

「はい、元になる丈夫なバッグを用意して下さればいつでも作りますよ」

「なんとッ!?」


 また驚かれちゃった。エヘッ。俺って凄い?


「お嬢……」

「なんだよ」

「お顔がぁ……」


 うっせーんだよ。あれ? 煩いで思い出したけど、うちの煩いチームがいないぞ。どこ行った?


「裏ッスよ。いつもの如く」

「ああ、またやってんの?」

「はいッス」

「仕方ないわねぇ」

「習性ですねぇ」

「ワーッハッハッハ! 俺様サイキョー!」


 ああ、賑やかな声が聞こえてきた。本当、せめてもう少し落ち着いて欲しいなぁ。

 何処に行ってもあの煩さは変わらない。マイペースだ。周りを見ていないとも言う。


「ココッ! 戻っていたのか!?」

「ユリシスお祖父さま、鍛練ですか?」

「鍛練という程ではない! キリシマは強いぞッ!」

「じーちゃんもいい線いってるぜ!」

「そうかッ! ワッハッハ!」


 ああ、もう本当煩い。と、思っていると足元がソワソワした。尻尾がくすぐったいよ、ノワちゃん。


「ノワも一緒だったのね」

「アン!」

「ノワは可愛いわね~」

「アンゥ『俺はカッコいいが良いぞ』」

「ふふふ、カッコ可愛いわ」

「アン」

「ココと王都で買ってきたお土産がありますのよ。食べませんか?」


 そうだった。スイーツを買ってきたんだよ。チョコレートケーキをな。チョコレートを食べるのは初めてじゃないか?


「ココ! これうめーなッ!」


 早速チョコレートケーキに齧り付いた霧島が言った。そうだろ、そうだろ。美味いだろう? 霧島、口の周りにチョコがついてるぞ。エンシェントドラゴンの威厳もなにもないな。


「ほろ苦いのが癖になりそうだぞッ」


 おやおや、ユリシスじーちゃんもお気に召したらしいぞ。あれ? ノワにチョコレートって駄目なんじゃないのか?


「お嬢さまぁ、ワンちゃんじゃありませんよぅ」


 そうだった。ブラックフェンリルだ。ノワも尻尾をフリフリさせながら食べている。

 それはそうと、煩いチームの頭を今日はまだ見ていないな。ロディ兄もいないじゃん。


「まあ、今日中には戻ってくるだろう」


 と、母方のじーちゃんが言っていた。どこかに行っているらしい。

 ロディ兄は何かしら動くだろうなとは思っていたが、あの隠し事ができない父もなのか?


「肝心な時はちゃんとするさ」


 と、ディオシスじーちゃんが言っていた。あの煩い脳筋の父が本当にちゃんとできるのだろうか。ちょっと心配。


読んで頂きありがとうございます。

宜しければ、評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします!

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