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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第6章 王都

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174/250

174ー手土産

 バルト兄の婚約者キャリーナ様は、姉やロディ兄の婚約者とはまた違った感じだ。

 とっても女の子らしい可愛らしい人だ。小花を重ねた様なヘアピンが似合っている。バルト兄からのプレゼントらしい。


「バルト兄さまの婚約者がこんなに可愛い人だとは知りませんでした」

「やだー、ココちゃんったら。しっかりしているのね。リーナって呼んでね」

「はい、リーナ様」

「えぇー、様はいらないわ」

「じゃあ、リーナ姉さま」

「きゃー、可愛いぃー!」


 と、抱き締められちゃったよ。あざとくはないんだけど、ちょっと咲と似ていないか?

 姉やロディ兄の婚約者もいて、女性ばかりだ。とても姦しい。ちょっと引いてしまうぜ。

 その頃になって漸く咲と隆がやって来た。ご苦労な事だ。また稼いだのだろうな。


「ココちゃん、とっても似合っているわ」

「本当に弟みたいですね」

「可愛いわぁ」


 と、3人に俺はいじられている。本当に、姦しい。どうにかなんないかね。


「お嬢さまぁ、諦めて下さいぃ」

「サキもそれ変装なの?」

「はいぃ。エリアさまぁ」

「思い切ったわねぇ、スケスケじゃない」

「もしかして、メイドさん達もかしら?」

「はいぃ。旅芸人ですぅ」

「リュウはどうしてそれなの?」

「変ッスか?」

「変じゃないけど、敢えてそれなのね?」

「そうッス」

「姉さま、吟遊詩人です。サキと2人で歌うんですよ」

「そんな事をしてきたの?」

「はいぃ。良いお小遣いになりましたぁ」

「信じらんないわ。誰の提案なの?」

「お嬢さまですぅ」

「ココちゃん……」

「え? 駄目ですか? みんな楽しんでましたよ」

「張り切っていたのが想像できるわ」

「ですよね〜」


 それだけじゃないんだぜ。俺達は幌馬車に乗って暇だったから、手土産を作っていたんだ。

 途中、小さな村に寄っただろう? あの時に隆が編み針用の枝を取って道中作ってくれたんだ。元々、糸や生地は俺の亜空間に入れて沢山持ってきていた。こっちでも役に立つかも知れないと思ってさ。あと、生地はお土産だ。もちろん、祖父母や姉達用の下着もだ。土産に良いだろう? それで、少しその糸を使ってリボンやショールを編んでいた。

 ロディ兄が幌馬車を改造してくれたお陰で快適だったしな。3人でサクサク作っていたんだ。それを出したら姉達が食いついた。


「ココちゃん天才!」

「凄く綺麗だわ!」

「素敵ね、フワフワじゃない!」


 そのうち騒ぎを聞きつけて祖母まで輪に入ってきた。


「これね、例の糸から作ったのね?」

「はい、お祖母さま。皆さんの下着も持ってきています。糸や生地もありますよ」


 と、俺は亜空間に入れていた生地やら糸やらをドドンとテーブルに出した。


「まあ! ティエリアから聞いて欲しかったのよ!」

「伯母様、何ですか?」

「ああ、リーナは知らないわね。とっても着心地が良いらしいのよ」

「そうなんですか?」

「その上ね、グッと寄せて上げてくれるのですって」

「まあ!」


 ばーちゃんが、実際にお胸の前にブラを持ってきて当てている。その手つきはやめよう。リアルに想像しちゃうじゃん。

 女性はやっぱそっちの方が気になるよな。それよりも、状態異常を無効化する事の方が凄い事なんだけどさ。


「ココちゃん、それも大事よ。貴族はいつ誰に狙われるか分からないもの」


 そんな、物騒なのかよ。誰に狙われるんだよ。


「本当はドレスも作りたかったんですけど」

「それは仕方ないわ」

「はい、ですので生地を持ってきました」

「嬉しいわ。艶といい手触りといい、今迄にないわね」

「母上、どうしたのですか? 何を騒いで……」

「イーヴェル、見てちょうだい。ココちゃんが持ってきてくれたのよ」

「ああ、例のポジションですか?」


 父よ。こっちでもそんな事を言っていたのか。本当、ポジションというのは止めようぜ。男にしか分からないだろうよ。


「僕は黒ですよ」


 ロディ兄まで来てしまった。王子との話は良いのか?


「父上とお祖父様達が話しているよ」


 だからと言ってだなぁ……


「ロディ、黒とは何だ?」


 いや、だからさぁ……


「僕専用の下着は黒なのですよ。ココが黒の方がカッコいいと言うので」


 それはいいからさぁ……


「黒か!? 下着に黒なのか!? それは思いつかなかったな。いいな」


 ああ、もういいや。


「ココ、心配しても始まらない。もう来てしまったのだしね」

「でも、兄さま」

「バルト兄上やディオシスお祖父様がいるから大丈夫だよ。それにこっちのお祖父様もいらっしゃる」

「そうですね」


 うん、その3人に頑張ってもらおう。でないと、うちの父やユリシスじーちゃんは脳筋だからな。そっちの話し合いはまだ続きそうだった。もう昼だ。


「ココちゃん、食べ物は持ってきていないの?」

「お祖母さま、うちの料理人達が沢山持ってきていますよ」

「まあ、そうなのね。嬉しいわ」


 あら、そうなのか? 王都の方が珍しいものや美味いものが沢山ありそうなんだけど。


「ココちゃんそれは先入観ね。王都よりそっちの領地の方がなんでも美味しいのよ」


 あぁ~、これはルイソじーさんの功績のお陰かな?


「はいですぅ」

「あ、やっぱり?」

「はいぃ」


 領地のじーちゃん達が凄すぎるよ。

 

読んで頂きありがとうございます。

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