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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第5章 王都へ

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151/250

151ーその設定は?

 宿へと移動すると、もう王子達がくつろいでいた。


「疲れていませんか?」

「全然大丈夫だよ。街を歩いたのは初めてなんだ。とても楽しいんだ」

「そうですね」

「ココ嬢も楽しそうだ」

「はい。堅苦しくないですから」

「辺境伯は全然気さくな方だよ?」

「でも、外に出ているというだけで何か気分的に違いませんか?」

「そうだね。それはよく分かるよ」


 王子だってずっと城にいたんだ。俺以上に外の世界を知らないで育ったのだろう。

 俺はまだ領地の中だと邸から出た事がある。必ず、ロディ兄か誰かが一緒だが。それでも王子よりはずっと自由だっただろう。

 もっともっと色んな世界を知って欲しい。俺も知りたい。

 この世界に転生して辺境伯領しか知らないんだからな。おまけに女児だ。せめて男児だったらなぁと何度思った事だろう。

 だからかな? 今はとっても楽しいぞぅ。


「アハハハ、ココ嬢も目がキラキラしているよ。楽しいんだね」

「旅の理由を考えたら楽しいなんて駄目なんですけど」

「そんなことはないさ。僕だって楽しいんだ。街はどんな風なのか。民はどんな生活をしているのか。この食べ物は何だろう。って、興味津々さ」

「分かります。知らない事を知るのは楽しいです」

「そうだね」


 王子も気に病んでいなさそうで良かった。

 クーデターの旗頭なんてとんでもない事に巻き込まれているのかも知れない。

 でも、この旅は楽しい。良い転機になれば良いなと思う。

 そして、王子がはっきりさせたい事。

 王は健在なのか?

 誰が王子を幽閉しろと命じていたのか?

 何がどうなっているのか?

 明確にしなければならない。

 父やじーちゃん、兄達はどう思っているのだろう? 何か探りでもしているのだろうか?


「お嬢さまぁ、難しいお顔になってますよぅ。眉間に皺がよりますよぅ」


 うっせーんだよ。


「大丈夫ですよぅ」

「サキ、何か知っているのか?」

「いいえぇ。でも、旦那様達なら大丈夫ですぅ」

「そうだな」

「はいぃ」


 そうだった。不可能を可能にじゃなけど、父達に任せておけばきっと大丈夫だ。母の実家もついている。


「ココ、フィル様、疲れてませんか?」


 ディオシスじーちゃんだ。じーちゃん達も普段よりずっとラフな格好をしている。俺達の護衛といった感じだ。ラフな分、体型がよく分かる。もうじーちゃんなのに、2人とも良い筋肉してるぜ。


「ありがとう、大丈夫だ」

「お祖父さま、大丈夫ですよ」

「そうか、よかった」

「お祖父さま達の設定は何なのですか?」

「設定かい?」

「はい。旅芸人にも商人にも見えません」

「そうだろうね。アハハハ」


 ディオシスじーちゃんは優しい。ユリシスじーちゃんや父と違って声も無駄に大きくないし落ち着いている。


「私達はね、一行を護衛する冒険者の設定だよ。でないと剣を持っていたら不自然だろう?」

「確かにそうですね。じゃあ、アルベルトさんもそうなんですね」

「そうだよ。アルはどうやっても商人には見えなかったんだ」


 どうやっても見えなかったって、もしかして色々試したのか?


「ミリー達も困っていたね」

「お祖父さま、そうなんですか?」


 そりゃそうだろうな。ガタイが良すぎるよ。


「じゃあどうしてリュウはあれなんでしょう?」

「え? お嬢、あれって何っスか?」

「だってリュウだけ系統が違いすぎる」

「アハハハ。でもリュウはピッタリだろう? ミリーが一押しの吟遊詩人だ」


 一押しなのかよ。だけど、似合っているぞぅ。


「あ、お嬢。今何か嫌な気がしたッス」

「気のせいよ」


 なんだよ、こんな事には敏感なんだな。


「ココー!」

「アンアン!」


 あ、また煩いのが来たぞ。


「キリシマ、どうしたのよ。ノワ、良い子ね~」


 ノワをヒョイと抱き上げてモフる。


「俺は外に出られなかったんだぞ!」


 そりゃあ当然だろう。霧島は自分が何なのか分かってんのか?


「キリシマ、それは無理よ」

「なんでだよッ! 俺だけ留守番なんて嫌じゃねーかッ!」

「だってキリシマはドラゴンだもの。みんなが恐れて驚くわ」

「そ、そうか?」

「そうよ。偉大なドラゴンのオーラは隠せないでしょう?」

「お、おう! そうか、俺様は偉大だからなッ!」


 手を腰にやって胸を張っている。チョロい奴だ。チョロドラだ。


「ココォーッ!!」

「アハハハ!」

「こら、フィル。笑い事じゃねーぞ! ココはな、言ってる事と思っている事が違う時があるんだぞッ!」

「嫌だ、キリシマ。偉大なドラゴンなのに小さな事に拘るんじゃないわよ」

「えぇー」

「アン!『おれは街を歩いたぞ。メイドさんが一緒に連れて行ってくれたんだ』」

「そうなの? ノワ、良かったわね」

「アン!『うん、楽しかった』」

「なんだよなんだよ! 俺だけじゃん!」


 本当に賑やかな奴だ。どうせ馬車で昼寝していたんだろう?


「ココ、だから俺には思っている事が分かるからな」

「だから、何度も言っているけど人の心を読むんじゃないわよ」

「ココは特別だ」


 そんな特別いらねーよ。


「ココォッ!」

「アハハハ。ごめんごめん。でもキリシマ、本当に仕方ないわ。ドラゴンだって分からなくても魔物だと思われたら大変じゃない」

「キリシマ、そうだぞ。普通、とかげは喋らないんだからな」

「だからじーちゃん、俺はとかげじゃないってのッ!」


 まあ、本当に霧島の場合は仕方ない。けどなぁ、ずっと留守番ってのもなぁ…… 可哀想じゃね?


「ココ、そうだろ? 俺って可哀そうだろ?」

「ん~、あたしのバッグにでも入る?」


 俺が肩から掛けているバッグ。余裕で入れるんじゃないか?


「おうッ! それで外に出られるのか?」

「出られるけど、絶対に喋ったら駄目よ」

「おうッ。ココなら念話が使えるからな。楽勝だぜッ!」

「アン! 『おれも一緒に行くぞ』」


 はいはい。みんな一緒に出掛けような。引率の先生になった気分だ。


読んで頂きありがとうございます。

今日は少し遅くなってしまいました。すみません。

ココちゃんは旅を楽しんでいます。その雰囲気が伝わればと思います。

宜しければ、評価をお願いします。

宜しくお願いします!

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