表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第4章 立ち向かう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

129/250

129ーとにかく可愛い

「おや、ココ様は何を召し上がっているのですか?」

「クリスティー先生、マドレーヌです。美味しいですよ」

「私も頂きましょう」


 はいはい、ほらすぐにメイドのおねーさんが動いているよ。

 廊下から大きな声が聞こえてきた。


「だから俺の力は強すぎるんだよ!!」

「ワッハッハッハ!! なんだそれはッ!」


 ああ、じーちゃん達と霧島だ。ノワもいるのかな?


「あ、母さま。シュンとアキにはビックリしましたッ」

「ふふふ、そうでしょう」

「母さまは知っていたのですか?」

「ええ、ついさっきね。防御壁を破られた時にちょうどその話をしていたのよ」

「小さな子供は成長が早いですねッ」


 クリスティー先生、そういう事なのか?


「シュンとアキは獣人でっす。この領地や国には殆どおりませんね。これからは2人を見守っていこうと思ってまっす」


 色んな意味で見守るんだろうな。だって実験大好きなクリスティー先生だから。


「ココ様、失礼な事を考えてますか?」

「いいえ、クリスティー先生」


 俺は読まれやすいんだった。気を付けよう。

 しかし、俺は前世でも縄張り争いの様な事も無きにしも非ずだった。なんせ、一応は看板を出している組の若頭だ。そんな自分の立場も理解していた。だからという訳ではないが、誰かに突然襲われるかも知れないと覚悟をしている。そんな状況に慣れているんだ。

 だが、この邸の者達はそれ以上だ。だって、前世の世界には魔物なんていないんだから。

 防御壁が破られた。そこから魔物が入って来た。そして、黒装束の男達もだ。そんな事があったのに、どうだ。この日常感は。

 メイドのお姉さんまで、日常に戻っている。いや、正確な事をいうと後片付けに忙しそうだ。ついさっきまで剣を手にしていたのにさ。

 俺の記憶が戻る前はどうだったのだろう。まだ8歳の女の子がこんな事があっても平気だったのだろうか?


「お嬢さまぁ、何難しい事を考えてんですかぁ?」

「サキ、なんでもないわ」


 なんでもないさ。きっと考えても仕方ないことなんだ。だって、今は俺なんだから。

 それからの作業場のみんなの集中力はとんでもなかった。

 あの時、魔物が押し寄せていた時に皆同じ事を思ったんだ。もっと早く隊服を作っていればと。当然、隊服を例の特殊な生地で作ったからといって、魔物に何をされても大丈夫という訳ではない。訳ではないのだが、それでも少しでもと皆思ったんだ。

 だから、作業場も新しくなった事だし急ピッチで作業は進んでいった。

 とにかく糸から生地にしないと話は進まない。

 今まで1人織機担当で頑張ってくれていたマニューさんにみんな教わり、織機3台がフル稼働だった。

 そうして出来上がった生地を業者へと渡し隊服を縫ってもらう。

 俺は、ちょっと心配だったよ。そんなに必死で働いて欲しかった訳じゃないんだ。

 どっちかというと、のんびり自分のペースで働いて欲しかった。

 それが、アッという間にみんな技術を習得したんだ。そして、次から次へと要望に応えていった。よく頑張ってくれている。充分過ぎる程なんだ。

 なのにだ。今まで以上のピッチで動き出した。大丈夫か? 無理していないか?

 倒れたり怪我したりしないでくれよ。と、俺は心の中で祈った。


「お嬢様、みんなそんな柔じゃありませんよ」

「でも、ミリーさん。心配なのよ。本当に無理しないでね」

「お嬢様! 甘いおやつがあればモチベーションアップですッ!」

 

 とは、1番年下のナタリーさんだ。


「本当ね、甘いものは皆大好きだから」


 と、誰よりも甘党なミリーさんが言う。


「そんな事、任せてちょうだい」

「お嬢様、有難うございます」


 そんな事で良いならいくらでも持ってくるさ。

 俺は、恵まれているんだな。家族にも周りの人達にも。


「ココしゃま〜」

「こら、アキ。邪魔したらダメだよ」

「あら、シュンにアキ」

「ココ様、邪魔じゃねーか?」

「大丈夫よ。どうしたの?」

「俺たちココ様のマネをして書いてみたんだ」

「あら、何をかしら?」


 シュンが手に持っていた紙をひろげた。A4サイズを2枚並べて繋げた程度の紙だ。

 そこには、可愛いイラストと一緒に文字の一覧表が書かれていた。


「お上手ッ!」

「お嬢さまぁ、何ですかぁ?」

「サキ、見てよ。シュンとアキが書いたんですって」


 俺は咲や皆に見える様に広げて見せる。

 どうだよ? こんなちびっ子が書いたと思えない出来じゃないか?


「まあ、上手ですぅ」

「本当に上手ね。子供らしい文字が可愛いわ」


 ちょっと丸っこい文字に子供らしいイラスト。ほんわかしていて俺はとっても良いと思う。


「エヘヘ〜」

「そ、そうか?」

「シュンとアキ2人で書いたの?」

「アキね〜、色塗ったの〜」

「俺が下書きしたんだ。アキは色を塗ったり花を描いたり」

「凄いじゃないッ」


 大人やプロが描いた様にきっちりとはしていないんだ。色だって所々大幅にはみ出ているところだってある。でも、ちゃんと花だとかウサギだとかは分かるんだ。文字もつい最近覚えたにしては上出来だよ。少し辿々しいところはあるけれど、それでも上手に書けている。何という文字か分からないなんて事は一切ない。きっと丁寧に書いたのだろう事が伺える。


読んで頂き有難うございます。

毎日暑いですね〜。熱中症にはお気を付けてください。

宜しければ、評価とブクマをお願いします。

本当に嬉しいものなのですよ。

宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ