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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第4章 立ち向かう

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128/250

128ー討伐完了

 このままだと王子に命中してしまう! と、誰もが思った。ソフィの腕を掠めた事で多少威力は落ちているが、しかしナイフだ。


 ――ガキン!!


「え……?」

「マジッスか!?」

「やだぁ、かっこいいぃ!」


 呑気な咲だ。なんとノワがフリスビーを取るが如く、ナイフをジャンピングキャッチしていたんだ。しかもちゃんとグリップの方を咥えている。


「ノワ! 大丈夫? 怪我はない?」

「アンアン!『大丈夫! これくらい平気だ!』」

「ノワ、凄いわ! よくやった!」

「アン!『おれ、スゴイ!?』」

「ええ、超カッコいい!」

『エヘヘ! おれ、カッコいい!』


 思わずノワを抱き上げ撫でまくる。本当、偉いぞ。ノワに助けられちゃったよ。


「殿下、ご無事ですか?」

「僕はどこも怪我していない。ソフィ、腕を!」

「大丈夫です。これくらい何ともありません」

「ソフィ、危なかったわ」

「奥様、申し訳ありません。夢中で……」

「ココちゃん、治してあげてちょうだい」

「はい、母さま」


 俺は、血が流れるソフィの腕に向かって詠唱した。


「ヒール」


 パックリと開いた傷口が光りながら閉じていく。光が消えると傷も綺麗に消えていた。


「大丈夫? 念の為、鑑定するわね」


 こいつら執拗だからな。ナイフに毒を塗っている可能性もある。

 ほら、やっぱりだよ。


「アンチドーテ」

「ココちゃん、毒もなの?」

「はい。もしかしてと思って鑑定してみました。投げナイフに塗っていたんですね」

「ココ様、有難うございます」

「ココ嬢、ありがとう」

「いえ、怪我がなくて良かったです。母さま、どこからですか?」

「私が戻ってきたらその後から普通に入ってきたのよ。咄嗟にシールドを張ったんだけど私は攻撃魔法が得意じゃないから」


 いやいや、そんな事を言うけどいつの間にか1人倒していたじゃん。


「アルベルトがシールドの内側から攻撃してくれていたのよ。ほら」


 母が言う方を見ると黒装束が数人倒れていた。


「人を呼んでくるッス」


 リュウが走って行った。これで本当に終わりだよな? もういないよな?


「ノワ、分かる?」

「アン!『もうなにもいないぞ』」

「ノワ、有難う」


 さて、中を確認しておこう。念には念を入れてだ。

 俺は鑑定眼を使いながら屋舎の中を確認して回る。


「お嬢さまぁ、何かありますかぁ?」

「今んとこないな」

「ほら、若になってますぅ」


 そりゃごめんよ。気が緩んだらつい出てしまう。


「サキ、そこの黒装束がいた場所には近寄らないで」

「えぇ~、何かありますかぁ?」

「クリスティー先生に確認してもらうわ」


 うん、あとは大丈夫そうだ。

 クリスティー先生に黒装束の男達が倒れていた場所を見てもらった。


「おやおや、毒を持っていたのですね?」

「はい、クリスティー先生」

「自害しようとでもしたのでしょうか?」

「え……?」

「毒が零れていますね。アンチドーテ」

「そうなんですか? 自害する隙はなかったと思います」


 そんな暇を与えず、意識を失っていたからな。

 だが、俺の鑑定眼では見えなかったんだ。俺は、今までの事があったから念のためクリスティー先生に見てもらったんだ。


「ココ様、それが経験というものでっす。そうして経験を積み重ねていくと分かることも多いのですよ」

「はい、クリスティー先生」

「はい、お利口さんでっす」


 授業みたくなっているが、目の前に大の男達が気を失って縄で縛られている。この男達も王都へ連行して行くのか? 無意味な気もする。


「ココッ! 男達が侵入していただとぉッ!?」

「父さま、リュウが縛ってくれてます」

「おうッ! リュウ、よくやったぁッ!」

「はいッス!」

「ココちゃん、殿下も邸に戻りましょう。後は任せましょう」

「そうですね、殿下戻りましょう」

「ああ。アルベルト、ソフィ、行こう」


 もう俺には用はないよな? 咲も武器を仕舞っている。俺の武器も仕舞ってよ。


「はいぃ、お嬢さまぁ」


 ほんと、どこに隠してんだ? ジッと見る。


「お嬢さまぁ、エッチですかぁ?」


 何でだよ。何がエッチだよ。あ、そこに仕舞ってるんだ。ほほう。


「だからぁ、見ないでくださいぃ」


 はいはい、分かったよ。まあ、一応前世は男だしな。いや、今女だし! しかも子供だし!

 母や王子達と一緒に邸に戻ってきた。作業場のみんなももう戻っている。

 邸の中も普段通りにメイドさん達がいる。あんな事があったのにいつも通りだ。


「ふうぅ、美味しいお茶でも頂きましょうね」


 直ぐに母にメイドさんがお茶を出す。


「あたし、甘いのが欲しいわ」


 と、俺が言うとお茶と一緒にお茶請けも出てくる。よく教育できているよ。


「さあ、殿下もどうぞ」

「有難う」


 王子もよく無事でいてくれた。アルベルト、グッジョブだぜ。

 しかしなぁ、こんな強硬手段に出て来てどうするつもりなんだろう。て、王子を狙っているんだろうけどさ。それにしても、場当たりというかお粗末すぎる。


「おや、もうお茶ですか?」


 優雅にクリスティー先生がやって来た。もうあっちは良いのか?


「一通り見て回りましたけど、大丈夫でっす」

「そう、クリスティー先生。有難うございます」

「いえ、奥様」


 クリスティー先生が座ると直ぐにお茶が出てきた。


読んで頂き有難うございます。

ノワちゃんの活躍がなかなか無くて、やっと少し活躍しました。

宜しければ、是非評価とブクマをお願いします。

本当に嬉しいものなのですよ。

宜しくお願いします!

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