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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第4章 立ち向かう

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127ー王子を助けろ

 下に降りると、ノワがいた。


「ヴヴヴ……」


 縄で縛られた、黒ずくめの男2人に向かって威嚇していた。そのノワの側にはシュンがいた。


「ノワ、シュン」

「ココ様!」

「アン!」

『ココ、おれ見つけた! シュンと2人で見つけたんだ』

「え? シュンもなの?」

「ココ様、やったよ!」

「驚いた。危ないじゃない」

「大丈夫だ。じーちゃん達がずっとそばにいてくれるから」

「シュン、いつの間に?」

「クリスティー先生に教わったんだ」


 まただよ。クリスティー先生、シュンには何を教えていたんだ?


「猫獣人ですからね。身体能力は高いのでっす。ノワに付いて行きますからね。それにシュンは索敵能力が優れていたのでっす」


 ああもう、天才かよ。天才がここにいるよ。いや、チートとでも言うべきなのか? みんな凄いからさぁ、主人公形無しだよ。


「お嬢さまぁ、変なお顔になってますぅ」


 そりゃ悪かったね。


「お嬢、戦闘になると若が出るッスね」


 え、そうだったか?


「そうッス」

「さて、ココ様。鑑定してみましょう」


 クリスティー先生が言う。捕縛した黒ずくめの男2人を鑑定するんだ。


「はい、クリスティー先生」


 クリスティー先生と一緒に、隊員達がいる場所まで移動するとじーちゃん達がいた。


「ココ! よくやったぞッ!」

「本当だよ。あそこでシールドを展開してくれて助かったよ」

「ユリシスお祖父さま、ディオシスお祖父さま、お役に立てて良かったです。怪我はありませんか?」

「おうッ!」

「怪我する程じゃないさ」


 おう、じーちゃんズかっこいいぞ。


「さ、ココ様」

「はい」


 俺は鑑定眼を使って黒ずくめの男2人を見た。


「駄目です。闇ギルドとしか分かりません」

「鑑定眼ならそうですね」


 ん? て事はクリスティー先生にはまだそれ以上に見えているのか?


「いいえ、今回は闇ギルド員としか分かりません」


 そうなのか。


「依頼者を教えられていないのでしょう。1人はテイマーで、1人は火薬の取り扱いが得意みたいですね」


 いや、それ以上に見えてるじゃん。俺はそんなの全然見えねーぞ。


「どんどん使う事でっす」

「クリスティー先生、鑑定眼をですか?」

「そうでっす。スキルや魔法は使う方が良いのでっす。レベルアップしまっす」

「分かりました。じゃあこれからどんどん使いまっす」

「はい、良い子ですね」


 クリスティー先生の語尾が移っちゃったよ。


「ブハッ」

「お嬢さまぁ」


 恥ずかしいじゃん、スルーしてくれ。


「クリスティー先生、テイマーって事は魔物を誘導していたのですか?」

「ロディ様、そうなりますね。防御壁の内側に入っていたゴブリン達がそうでしょう。マジシャンが率いていました。そのマジシャンを誘導したのでしょう。あの男の魔力量ならそれが精一杯でしょうね」

「では、押し寄せてきていた他の魔物はどうなりますか?」

「ロディ、それはこれだな」


 ディオシスじーちゃんが剣に肉の塊を刺して見せた。


「撒き餌って事ですか?」

「そうなるな。森の中に点々と置いてあった形跡がある」

「どれだけの者の命を危険に晒したと思っとるんだぁッ!」


 ユリシスじーちゃんが怒り心頭だ。こんなやり方、下手したら黒ずくめの男達だって命を落としていた可能性もある。見境なしかよ。


「ココ、殿下はどうしておられる?」

「バルト兄さま、大丈夫ですよ。アルベルトさんと戦っておられましたよ」

「戦うだと? 大丈夫なのか? 怪我は?」

「大丈夫です、ありませんよ」

「そうか、良かったよ」


 ちょっと待て。王子がいないぞ。


「キリシマ、殿下は?」

「ああ? 屋舎じゃねーか?」

「ちょっと気になるから戻るわ」


 そう言って俺は走り出した。何か嫌な予感がするぞ。いつもなら王子は討伐を見に来る筈だ。それが、今はいない。

 さっき母が、子供達が気になるからと屋舎に戻って行った。母も何か予感がしたのかも知れない。母と一緒にいると良いのだが。


「アン!『ココ、おれ先にいくぞ!』」

「ええ、ノワ頼んだわ」

「アンアン!」


 ノワがまた弾丸の様に駆けていく。ノワも何か感じとっているのだろう。風を纏って走る。


「ノワ早いわね」

「びっくりですぅ」

「とんでもないッスね」


 そんな話をしているが、俺達だって全力疾走だ。だが、訓練場は広い。

 防御壁から裏に入り訓練場を抜ける。王子のいる屋舎に辿り着いた時に、中からノワの激しい鳴き声が聞こえてきた。


「アンアンアン!」


 ヤバイ。俺の嫌な予感が確信に変わった。


「お嬢、俺が先に入るッスから待って下さい!」

「リュウ、そんな場合じゃないだろッ!」


 バタンとドアを開け入っていく。そこに、シールドを張っている母がいた。母がいてくれたんだ。良かった。


「ココちゃん、遅いわよ」

「母さま」


 シールドの中には王子とアルベルトもいた。4人の黒装束の男達に取り囲まれていたんだ。


「リュウ! サキ!」

「了ッス!」

「はいぃ!」


 黒装束の男達に斬りかかる。早いうちに、防御壁の壊れたところから入り込んだのだろう。

 それ以降は、俺がシールドを展開させたから、入れないはずだ。そして逃げ出す事もできない。

 ノワが1人の足に噛みついた。その隙にリュウが剣で殴り昏倒させる。咲は両手に剣を持ち、素早く首筋を狙い倒している。

 俺も短剣で斬りかかってくる男の剣を躱わす。アルベルトが背後から斬り付け倒す。あと1人だ。と、思ったら母がいつの間にか倒していた。

 え、母すごいじゃん。強いんだ!?


「殿下、ご無事ですか!?」


 ソフィが慌てて駆け寄ってきた。


「ソフィ! まだ危険だから……」


 俺が注意しようと声を出したその時だ。昏倒していた筈の男が投げナイフを王子に向かって投げた。


「ソフィ!」

「殿下! 危ないッ!!」


 男が投げたナイフが、庇おうとしたソフィの腕を擦りそのまま王子に向かっていった。


読んで頂き有難うございます。

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