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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第4章 立ち向かう

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124/250

124ーシールド

「大丈夫ですよぅ」

「サキ、そう?」

「はいぃ。みんな度胸はありますからぁ」

「分かった」

「向かいにはシゲ爺が行ってる筈ッス」

『ココ、おれが先に行くぞ!』

「え、ノワ!?」

『おれが先に行ってくる! おれなら早いぞ!』

「ノワ、でも」

「お嬢、大丈夫ッス。ノワ、行けるな」

「アンアン!」

「よしッ!」


 隆とノワが出入口のドアをそっとあけて外の様子を窺う。


「大丈夫ッス。お嬢、ノワを出します! ノワ! ゴーッ!」


 ドアの隙間からノワが飛び出した。耳をピンと立て全速力で走って行く。弾丸の様に走り抜け、アッという間に向かいの屋舎に辿り着いた。そして、ノワが鳴き叫ぶ。


「アンアンアン!!」


 すると、中からドアが開いた。顔を出したのはクリスティー先生だ。

 俺がドアを少し開けて顔を見せる。手でそっちに合流すると合図する。クリスティー先生が頷く。よしッ。


「みんな、走るわよ! 殿下、走りますよ!」

「はいッ!」

「ああッ!」


 ドアを開け、皆一斉に向かいの屋舎を目指して走り出す。そう距離はない。魔物はまだ姿も見えていない。大丈夫だ。


「慌てないでね! 大丈夫よ!」


 俺は最後から付いて行く。先頭を走っていた爺さんがクリスティー先生の元に辿り着く。次々と向かいの屋舎へと入って行く。よし、大丈夫だ。


「ココ、何してんだ!?」

「キリシマ、ディオシスお祖父さまを見てくるわ!」

「馬鹿ッ! 何言ってんだッ!」

「ココ様! それよりシールドでっす!」


 クリスティー先生の声が聞こえた。そうだ、シールドがあった。

 ああ、俺は焦っていたのか!?


「サキ、シールドを張るわ!」

「はいですぅ!」


 咲と2人して邸の前庭の方へと走って行く。後ろから、隆とノワも来ている。

 シールドを張るほんの数秒、俺は無防備になってしまう。それを考慮して2人はついてきているんだ。

 邸の中から、ユリシスじーちゃんが叫んでいる。


「ココォッ!! 何をしているぅッ!!」

「お祖父さまッ! シールドを張りますッ!」

「おぉぅッ!!」


 邸からじーちゃんや父、兄達が出て来た。そして、裏へと走る。

 破られた防御壁近辺では魔物と戦闘になっている筈だ。そこに皆向かうんだ。

 少しでも魔物を中に入れない様に。少しでも犠牲者が出ない様に。

 前庭に到着した俺は息を整える。


「ふぅ~……」

「お嬢さまぁ、大丈夫ですぅ。お守りしますぅ」

「そうッス!」

「アン!」


 ははは、頼もしいぜ。

 息を整え、深呼吸して両手を空に向ける。そして俺は静かに詠唱した。


「シールド……」


 目には見えていないが、邸を透明なシールドが包み込む。そして、順に魔石を辿りシールドが展開されていく。

 邸から次々と魔石が反応し森との境にシールドが展開されていった。


「お嬢さまぁ、完璧ですぅ」

「凄いッス!」

「アンアン!」

「これでなんとかなるわ」

『ココ!!』


 一安心したのも束の間。俺の頭の中に霧島の声が響いた。


「え? キリシマ!?」

『ココ! 戻ってくれ! 魔物が入り込んでいるぞ!』


 なんだと!? もっと早くシールドに気付いていれば! ディオシスじーちゃんは大丈夫なのか!?


「サキ、リュウ、ノワ。戻るわよ!」

「はいですぅ」

「了ッス!」

「アンアン!」


 いつの間にか、咲や隆も手に武器を持っている。咲は短剣だ。腰には鞭を挿している。隆はロングソードだ。いつの間に持っていたんだよ。


「お嬢さまぁ」


 そう言って、咲に手渡された俺の短剣。持っていたのかよ!


「ふふふぅ」


 ああ、やっぱ武器を仕込んでいるんだ。こえーなぁ。だが、心強い!


「いくぞぉッ!」


 俺が言うより先にノワが駆け抜ける。やっぱワンちゃんじゃないんだな。風を纏い、疾風の様に駆け抜けて行く。


「はえーな」

「ノワちゃん、早いですねぇ」

「フェンリルッスから」

「そうだった」


 呑気な事を言ってるよ。だが、お陰で変な肩の力が抜けたよ。ありがとう。

 邸の敷地内にもう魔物が入り込んでいた。武器を手にしたメイドさん達が応戦している。皆、一切怯まず魔物を討伐していく。強いなぁ。

 それを躱しながら、俺達は母や王子のいる屋舎へと急ぐ。

 母とクリスティー先生がいた屋舎へ王子や作業場の皆が避難している。その屋舎を狙っているかの様に魔物が押し寄せてきていた。

 もっとずっと森の方、防御壁があるだろう辺りではじーちゃん達や父達が戦闘をしているのだろう。魔物の雄たけびや剣の音が聞こえてくる。シールドの外側でも戦っているみたいだ。

 ああ、上から見て魔法攻撃できれば良いんだけど。それよりも今はこっちだ。

 皆が避難している屋舎に迫る魔物達。それを目掛けておれは魔法をぶっ放す。


「ウインドアロー!」


 矢の様な風が魔物に向かって飛んでいく。


「アンアンアン!!」


 ノワが同じ様に風属性魔法を放つ。しかも広範囲だ。ノワ、小さいのに強いなぁ。


「さすがフェンリル」

「ね、そうですねぇ。ウインドアロー!」


 咲も魔法を放つ。


「喋ってないで討伐するッスよ! ウインドエッジ!」


 隆は風の刃を飛ばしながら、ロングソードで斬り付ける。

 裏にはメイドさん達だけでなく、従者達も皆武器を持って戦っている。皆やる気だ。

 こんな事をされて、大人しくやられるわけないじゃん。ああ、なんかムカついてきたぞ。酷い事ばっかしやがって。


「あ、お嬢さまぁ。怒ってますねぇ」

「咲、そりゃ怒るだろうよ!」

「ですよねぇ」


 そんな話しをしながら討伐ってどうよ? 咲、余裕じゃん。


「ココ! 中もだ!」

「キリシマ!?」


 なんだよ、霧島がいるのにどうしたよ。


「俺の魔法だと威力が強すぎてだな!」

「何言ってんだ!?」


 ほんと、お間抜けなドラゴンだよ。

 急いで棟の中へと入って行く。


読んで頂き有難うございます!

投稿が遅くなりました。申し訳ないです。

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励みに頑張りまっす!

宜しくお願いします!

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