表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第4章 立ち向かう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

123/250

123ー移動しよう

 俺達がそんな事を考えている頃、ユリシスじーちゃんは邸に入っていた。

 皆に聞こえる様に叫びながら指示を出していた。


「皆、武器を持てぃッ!!」

「お祖父様! 何が起こっているのですか!?」

「バルト、ロディ、どうやら裏の防御壁を破られたらしいッ!」

「父上ぇッ!」

「おうぅッ! 戦闘態勢だぁッ!!」

「おうぅッ!」

「守るぞぉッ!!」

「はいッ!」


 ユリシスじーちゃん、さすがに百戦錬磨だ。皆を鼓舞していく。確実に戦う準備をしていた訳だ。

 そして、父やバルト兄だけでなく、普段は頭脳派のロディ兄も手に武器を持ち臨戦態勢だ。

 うちの皆は強い。従者達だけでなく、メイドさん達まで戦う気満々だ。皆手に武器を持っている。

 ああ、俺は見たかったよ。メイドさん達が戦闘モードになっているのをさ。

 だってカッコいいじゃん! え、そんな場合じゃない? まあ、そうなんだけど。


 そして、もう1人のじーちゃんディオシスじーちゃんだ。

 響き渡っていた合図の笛、これを吹いていたのがディオシスじーちゃんだ。

 ディオシスじーちゃんは、1番危険な場所にいた。

 見回りに出ていた領主隊の報告を受け、防御壁の状態を確認する為に走っていたディオシスじーちゃん。

 防御壁の一部を、粉々に壊されているのを確認し取り敢えずの再建を試みていた。

 どうするかというと、土属性魔法が得意な者を集めていたんだ。そして、一時的にでも防御壁を塞ごうとしていた。

 だが、そんな中でも魔物は迫ってくる。それを倒しながら土属性魔法で防御壁の再建を試みる。さすが、ディオシスじーちゃんも冷静だ。

 魔物が多少入ってしまってもそれ以上入れない様に、防御壁を再建しようとしているんだ。

 壊されたままで、雪崩れ込まれるよりはずっといい。


「ディオシス様! 土属性魔法が得意な者を集めましたッ!」

「よしッ! よいか! 合図をしたらアースウォールだ! できない者はロックウォールでもストーンウォールでも構わん!」

「「はいッ!」」

「いくぞッ! 3 ! 2! 1!」

「「アースウォール!!」」

「「ロックウォール!!」」


 こうして、領主隊とディオシスじーちゃんとで緊急の防御壁が作られた。

 元ある防御壁ほどの強度や高さもない。一時しのぎだ。だが、この壁があるうちに体制を立て直せる。

 この時点でディオシスじーちゃんが攻撃を始める合図の笛を吹いていたんだ。

 この笛の合図で今どんな状況なのか分かる。

 それに合わせて俺達も行動開始だ。


「リュウ、取り敢えず下の爺さん達と合流しましょう」

「了ッス」

「みんな、下に降りるわよ!」

「「はいッ!」」

「殿下、行きます」

「ああ、分かった!」


 下の階にいるじーさん達と取り敢えず合流だ。

 その後、向かいの屋舎にいるだろう母とクリスティー先生に合流したい。向こうには子供達もいる。守らないと。

 階段を下へと下りて行く。2階にはロウ爺さんとルイソ爺さん、そして後から入ってきた爺さんが2人。

 4人共、手にはショートソードを持っていた。ショートソードなんて、どこに置いてあったんだよ。俺、見た事ねーぞ。


「お嬢、みんな自前ッス」

「知らなかったわ」

「ココ嬢、僕の事は気にしなくてもいい。動きたいように動いてほしい」

「殿下」

「大丈夫だ、アルベルトもいる。向かいの屋舎に行けば良いんだね?」

「はいッ、取り敢えず向かいの屋舎にいる母やクリスティー先生と合流したいです!」

「よしッ、今のうちに行こう!」


 おお、王子がやる気だ。今までの、ほんわかしていた王子とは印象が全く違う。自分の意思で決断している。


「元々、フィル殿下は剣術や体術にも秀でておられたのです。それをあんな別宮に閉じ込められたので……今の殿下の方が本来の殿下だと思います」


 アルベルトが言った。別宮に軟禁されてから精神干渉も受けていたのだろう。性格まで変えてしまう精神干渉。

 それだけ王子は優秀だったのだろうな。それを脅威とみなした者がいるんだ。

 多分……この襲撃もそんな奴等じゃないか?


「ココ、多分そうだろう」

「キリシマ、そう思う?」

「ああ。あの防御壁が魔物に破られるはずがない」

「キリシマ、僕に構わずココ嬢を守ってくれ」

「何言ってんだ!?」

「ココ嬢を犠牲にはしたくないんだ」

「犠牲も何もみんな助かるんだよ!」

「そうです、殿下。大丈夫です!」

「はい、殿下!」


 皆、全く諦めていない。これしき乗り越えてやるさ。そんな意気込みを込めた目をしている。


「キリシマ、ココ嬢、アルベルト分かった!」

「よし、爺さんいいッスか? 皆で向かいの屋舎へと移動するッス!」

「おう、いいぞ!」

「私は外の様子を見てくるんですねぇ」


 爺さん達も平常心だ。誰も怖がったり慌てたりしていない。それがこの領地の強さなんだ。


「今ならまだ魔物はここまで来ていないんですねぇ。行くなら今ですねぇ」


 ルイソ爺さんが戻って来て、今だと判断した。

 よし。行くぞ。


「いい? 頑張って思いっきり走ってね。魔物が見えたとしても、構わず向かいに走るのよ!」

「「「「はいッ!」」」」


 心配なのはミリーさん達だ。彼女達は普通の領民だ。

 戦闘訓練をしている訳じゃない。魔物を間近で見た事もないだろう。

 恐怖心で、足が動かなくなったりしなければ良いが。


読んで頂き有難うございます。

宜しければ、是非とも評価とブクマをお願いします!

励みに毎日投稿頑張りまっす!

宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ