104ー咲のデザインの元
「サキ、何色を使うの?」
「今の、ユリシス様達の色にしますよ」
「じゃあ、ダークグレー?」
「はい。ユリシス様とディオシス様だけ黒にします」
「分かったわ。リュウ、糸をもらってきてくれない? 戦闘服用の黒とダークグレーの糸をお願い」
「了ッス」
「マニューさんはリュウが持って来る糸でまたしっかりと織ってほしいの」
「分かりました」
ああ、また領主隊の隊服が後回しになってしまう。申し訳ないなぁ。
「ですねぇ。領主隊も欲しがってますからねぇ」
「そうなの?」
「お嬢様、そりゃそうですよ」
「そっか。申し訳ないなぁ」
「頑張りますよ!」
「でも、無理しないで。怪我もしないでね。特にルリアさん。ミシンで指を縫ったりしないでね」
「はい。気を付けます」
じーちゃん達のオーダーのお陰で忙しくなってしまった。
「お嬢さまぁ、どうですかぁ?」
咲がデザイン画を見せてくれる。どっかで見たな、これ。
「ふふふ、どっかのブルーの髪の魔王が似た様なのを着てましたねぇ」
またアニメからとったな。ああ、俺も見ていた転生もののアニメだ。これ、前世ならどこかから怒られないか?
「ふふふ、今は平気ですぅ」
はいはい。さすがだよ。
じーちゃんズにデザイン画を見せたら大喜びだった。
じーちゃん2人は黒だ。前の中央に領主隊の色であるモスグリーンで太いラインが入っている。
上着は袖口がもたつかない様に半そでにしてお尻も隠せるハーフコート丈だ。肩から袖かけても縦にモスグリーンのライン入りだ。
じーちゃんの兵達はこれの色違いでダークグレーにモスグリーンのラインが入っている。普段から着ている事が多いじーちゃん達には少しカジュアルで動き易さを重視したデザインだ。
シゲ爺には、カジュアルに中は普通のTシャツだ。上着はシゲ爺の希望を考慮して隆の戦闘服の上着の様にミリタリージャケット仕様になっている。
シゲ爺は戦闘メインじゃないからこんな感じで良いんじゃないか。それでも、しっかり防御力や耐性も付いている。もちろん、シゲ爺が気に入っていた防汚効果も付与してある。
「お嬢、シゲ爺は時々森に入って、魔物を間引いたりしてるんッス」
「そうなの!? 1人で!?」
「そうッス」
「元気ね……」
「元気すぎるくらいッス。しかも武器があの杖ッス」
シゲ爺が普段居るぶどう畑は森と接近しているからな。魔物を間引いてくれるならその方が良い。けどなぁ……
「シゲ爺、無茶しないでよ」
「なんだお嬢、心配してくれんのかッ!?」
「当たり前じゃない! 本当に気をつけてね」
「おうよッ!!」
ああ、ノリが霧島みたいだよ。
「あれ? そういえば、キリシマは?」
「殿下に付いてますよぅ」
「そうなの? 珍しい」
「お嬢、殿下がちょっと不安定になってるみたいなんッス」
「不安定?」
父達が帰ってきて話した内容と、自分に知らないうちに掛けられていた精神操作。それで王子は、考え込んでしまっているらしい。
「そりゃぁ、精神操作なんてショックでしょう。それに陛下は一応殿下の父親ッスから」
一応って何だよ。
「だって、ずっと会っていなかったみたいッスよ」
そうなのか? 隆、よく知ってるな。
「それこそ、母君の葬儀以来会っていないみたいッス」
「え!? そうなの!?」
そんなの父親って言えんのか? 何か理由でもあるのか?
「殿下が狙われない様にらしいッスけど。それでも、迫害されてたんッスから意味ないっスよね」
隆、お前のその情報は誰情報だ?
「みんな知ってるッスよ」
みんなって誰だよ。俺は知らねーぞ。
「お嬢はまだちびっ子ッスから」
ちびっ子言うな! ちびっ子だけどさ。
じゃあ、今は霧島に任せておくか。俺はさっさと戻ってパターンを起こそう。
早く作って領主隊の隊服に取り掛かりたいんだよ。
「サキ、じゃあ戻ろう」
「はいぃ」
「で、サキ。領主隊の隊服はどうすんだ?」
「もう、奥様と考えてるんですぅ。領主隊のはもっと隊服らしくしますよぅ」
「どんなの?」
「さすおにですよぅ」
え、マジかよ。あんなに派手なのにすんのか? デザイン画を見せてもらう。うん、確かにコレも見たことある。
「まさか、白とグリーンにはしませんよぅ。それに現実っぽくないですからぁ」
なんだ、そうかよ。安心した。
「今の隊服がモスグリーンみたいでしょうぅ? あの色は変えないですぅ。隊員はモスグリーンを基調に黒のアクセントにしますぅ。旦那様達は逆で、黒にモスグリーンアクセントですぅ。絶対にカッコいいですよぅ!」
ああ、もう咲の趣味に走っちゃってるよ。母がOKを出したのだから、いいけどさ。
「隊服ってちょっと難しいみたいなのよ。細かくパターンを作っておくわ」
「はいですぅ」
て、パターンを書いていたんだが、やはりちょっと王子が気になるなぁ。大丈夫だろうか?
「お嬢、大丈夫ッス」
「そう?」
「はいぃ」
「殿下も男ッス」
え、そういう問題か?
「でもなぁ……やっぱちょっと様子を見に行こうかな」
「そうですか?」
「うん、部屋にいらっしゃるのよね?」
「と、思いますよぅ」
領主隊の隊服のパターンをある程度作って、あとはミリーさんに任せて俺は王子の部屋に向かった。
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