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【完結】「最低」から始まる二人の異世界恋愛譚  作者: HOT-T
第1章 学生時代・最低の出会い編
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第1話 三姉妹が転校してきた

時系列的には「異世界ハーフの家出少女」の1話より前からスタートです。

3話くらいまでひたすらユリウスが嫌な奴です。


 僕の名はモンティエロ・ユリウス。

 名門モンティエロ家の嫡男である。

 かつてこの国が王国制であった時、僕の家は爵位を持つ貴族だった。

 

 両親もやはり貴族の血統。

 共和国となった今も貴族の血統というものは重用される。

 即ち僕は生まれながらに選ばれた存在、というわけだ。


 付き合う友人たちも皆、貴族の血統だ。

 平民たちとはそもそもの出来が違う。

 貴族と平民では能力に大きな違いがあるのだ。

 古くから貴族社会に伝わる言葉に『血に交われば血にあらず』という言葉がある。

 貴族は貴族かそれ以上の王族などと関わっていなければ誇りを失ってしまう。


 そう思っていた時期が、僕にもあった。


「ユリウス、あの『レムシスターズ』がウチの学校に転校して来るらしいぞ」


 ある日、学校で友人が僕にそんな事を教えてくれた。


「レムシスターズ?何かな、そのセンスのない名前は?」


「知らないのか?同い年だけど母親が違う美人3姉妹だよ。この辺じゃあ有名だぞ?」


「母親が違う……ああ、一夫多妻の家なんだね。だがレムなんてどこの貴族だ?」


「いや、何でも平民らしいぞ」


 平民の一夫多妻か。

 正直言うと好ましいものではない。

 一応資格制のものなのである程度は裕福な家庭であったるするのだろう。

 冒険者などでも実績があれば取れる資格だがその場合でも大抵は裕福である。

 ただ品性という面では疑問も残る。


「それにしても平民が3人も来るのか……」


 頭が痛くなってきた。

 昔は貴族血統ばかりの古き良き伝統を重んじる学校だったと聞くが今や金さえあれば平民でも入れるようになってしまった。

 下手すれば平民血統の方が多いくらいなのだ。

 貴族と平民は同じではない。

 生まれながらに背負っているものも違うのだ。


「面白い事にうち一人は貴族血統らしいぞ?」


 奇妙な事を言う。

 平民の中に貴族の血統が居るというのか?


「何だって?それじゃあ貴族と平民が混在した家だというのかい?だがますますわからないな。そうなると普通は貴族の姓が家名になるはずなのに……まさか貴族血統の母親は2番目以降なのか?」


「何か次女だけが『ミアガラッハ』の名前を持っているらしい」


 ミアガラッハ。

 確か王制時代にミアガラッハ辺境伯領があったと聞いている。

 だがあの家は共和制になり急激に没落したと聞いている。

 なるほど、そんな体たらくだから平民家に取り込まれたのか。

 更に聞けば父親は平民という事なので血統としてもあまり大したことはなさそうだ。

 まあ、その3姉妹の中では一番まともではありそうだ。


 更に聞くと平民血統である長女と三女は前の学校で上級生を殴り倒すという暴力事件を働いて停学になった野蛮な過去があるらしい。

 そして次女はと言うと学校に行かず家に引きこもっていたらしい。

 聞くだけで普通の家庭では無いのは明らかだ。


 そんな事を考えていると教員がやってきて一人の女生徒を連れて来た。

 赤髪で品の言い整った顔立ちをした背の高い子であった。


「レム・ケイトリンです。皆さん、よろしくお願いします」


 どうやらウチのクラスに来たのは長女らしい。

 前の学校で上級生の暴力を働いた一人。

 ぱっと見た感じはそんな雰囲気が無い知的な女性に見えるのだが人は見た目に依らないという事なのだろう。


 それにしても一応ここって特進クラスなんだがね……平民なんかについてこられるのだろうか?

 もしかしたらクラスとしての格が下がるかもしれない。

こぼれ話

リリィの母親であるメイシーも初登場時は引きこもりでした。ただ、その日のうちに引きこもる家を失ったり洪水の如く色々な出来事に巻き込まれた結果、無茶苦茶アクティブになりました。

ただ、どちらかというと母親達の中ではインドア派です。


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