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【完結】「最低」から始まる二人の異世界恋愛譚  作者: HOT-T
第3章 学生時代・復学編
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第13話 復学お昼事変・下

 スクールカーストというものが存在する。

 ふざけた話だがそれによって食事をする場所というものが暗黙の了解で変化するのだ。

 上位の方にいるいい家の出である学生などは学食に併設された日当たりのよいテラスなどで優雅にランチをしている者が多い。

 そこから学内の食堂や教室、その周辺の庭園などとそんな感じで食べる場所は変わってくるのだ。

 今、僕達が居るのは教室などから遠く離れた人気のない敷地を囲っている外壁近くだった。


「うむ、静かだがいい所だね」


「最悪……まさか復学初日でクラスに変態が来るとは……ああ、もう一度引きこもりたい」


 そう言えば彼女はかつて引きこもっていた様だね。

 ああ、でもその事は『絶対に触れるな』って母上も言っていた。

 その助言に従うとしよう。


「それはちょっとシャレにならないからやめて……ていうかそんな事言ったらあたしなんかこいつと同じクラスよ?学校来たら確実に顔を合わせるし大半の時間傍に居るのよ」


 おやおや、ケイト君も随分と手厳しいね。

 これはつまり、僕達は新たな関係を迎えたという事だね。

 うむ、順調じゃあないか。


「うむ。あまり気を落としてはいけないよ」


「誰のせいよ、このバカユリウス……元はと言えば全部あんたが発端じゃない」


 ああ、リリィ君。君は怒った顔もまた素敵だよ。

 一方のアリス君は不思議なものを見るような表情でじっと僕の顔を見つめている。


「何かな?」


「ねぇ、ユリウス。お前本当にリリィ姉と結婚する気なの?」


「当然さ。僕は彼女の持つ魅力に夢中になってしまったからね」


「ふぅん……」


 アリス君は僕とリリィ君を交互に見ながら呟く。

 そして……


「うーん…………意外とありかも」


「ちょ、アリス!?あんた何とんでもない事を口にしてるのよ!?」


「うぇ!?あ、ごめん」


 おやおや、アリス君は見る目があるじゃないか。

 リリィ君がなかなか認めてくれないのはやはりあれだね。『照れ』かな?


「そもそも元はケイトが好きな相手だったんじゃない。だからケイト、あんたが責任もってこいつを引き取りなさいよ」


 指さされた姉は顔を歪めて首を横に振る。


「絶対嫌!あたしだってあの頃はこんな変態だとは思ってなかったのよ……大体ねぇ、何が悲しくて妹の事を好きって公言している男を引き取らないといけないのよ……」


「あっ……そ、それはそうね」


「ていうかどっちが引き取ってもこの変態は義理の家族になるよ?」


 アリス君の言葉に2人が固まる。

 うむ。この姉妹。息がぴったりだね。


「誰かにこいつを押し付けられない?ほら、こいつって表向きは人気者なんでしょ?」


「でもさっきの騒ぎであたしらと関係が深いって認識されたし……ていうか何それはそれで相手に申し訳ないわ」


「やっぱりリリィ姉が引き取るしかないよ」


「アリスあんたねぇ。そんなに言うならあんたが引き取ればいいじゃない」


「え、嫌だよ。ボク、こんなもやし男子好みじゃない」


「私だって父様みたいな人が理想よ!!」


 なるほど、リリィ君はファザコン気味な所があるという事か。

 これはひとつ自分を磨いていく方向性というものが見えて来た気がするね。


「となるとケイト姉じゃない。元はユリウスの事好きだったって事で」


「何の事?記憶にございません」


 その様子を見て僕が小さく笑ったのをリリィ君は見逃さなかった。


「何よユリウス。何がおかしいのよ」


「いや、気を悪くさせたなら済まない。ただ、とても仲が良さそうでいいなと思ってね」


 僕の言葉に3姉妹が首を傾げる。


「僕はひとりっ子だからね。兄弟姉妹がいるというのが羨ましいよ。それも異世界まで躊躇なく迎えに行くくらい大切に思いやってくれているだなんてね」


「……そうね。私は幸せ者ね。でも、それならあんただって後先考えないで来てくれたじゃない。本当に……バカなんだから」


「ふふっ、そうだね」


 そんな僕達のやり取りを見ながらケイト君とアリス君が顔を見合わせていた。


「やっぱりあんたの言う通り、意外とありかも」


「でしょ?」

こぼれ話

リリィはぼっち系なのでカーストでは下の方に居ます。転校前は姉妹揃って中級くらいのカーストに居る生徒でした。

ケイトが社交的なのはカーストの上部にいる事でリリィを間接的に守れると考えているからです。

アリスは武力行使で守ろうと考えているタイプです。

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