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【完結】「最低」から始まる二人の異世界恋愛譚  作者: HOT-T
第2章 学生時代・異世界救援編
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第10話 再会

今話は「異世界ハーフの家出少女」第28話をユリウスサイドから見たエピソードです。

ユリウスの強みって恐らくこの超ポジティブマインドだと思います。

 リリィ君たちの父親が生まれたという異世界、『地球』。

 初めて見る光景に僕は唖然とした。

 存在自体は古くから知られていたがまさか本当に目にする日が来るとは。


 そして……奇妙な連中と戦っているリリィ君をついに見つけることが出来た。

 元気そうなその姿に僕は歓喜の叫びを胸中で上げていた。

 勿論、大声で叫ぶことはマナー違反だ。

 あえてここは紳士的な態度を崩さないでおこう。

 

 この先、僕は彼女を攻略していく事になるわけだがやはり余裕のない男は好まれないだろう。

 出会いが悪かったのだから尚の事だ。


「あの、ところで何か私が家出する原因になった男もそこに居るんだけど……ていうか何か変な格好しているのは気のせいかしら?」


 流石は僕の想い人だ。

 しっかりとこちらの事も認識してくれている様だ。

 ウインクをしてみると口をへの字に曲げられた。

 うん、そんな表情も可憐だ。


「えーとね、リリィ。それなんだけど……あれ……あげる」


 お姉さん公認というのも何だか照れくさいものがあるね。


「はぁ!?あげるって何!?いらないわよ!意味わかんないわよ!ていうか何でこいつこんな格好で、え、え?」


 どうやら彼女はこのモンティエロ家の由緒正しき正装に目が釘付けの様だね。

 男性が怖いらしいからどうだろうかと思っていたが反応を見るに割と大丈夫そうで安心したよ。


「ふふっ、この格好について君は驚いているのだね。そう、見惚れるほどカッコいいと」


「あんた、脳みそ腐ってるの?」


 何という毒舌だろう。新たな魅力を発見だ。

 今、僕はほとんど話したことが無い彼女とこんなにも話をしている。

 どうやら彼女は言葉をただの悪口だけでは終わらせずその言葉で人を引き付ける様な聡明さも兼ね備えている様だ。

 ますます夢中になってしまうじゃないか。


「何かさ、ボクもよくわからないけどこいつ、リリィ姉に惚れちゃったみたいなんだよね」


「えぇぇぇぇぇぇっ!?」


 おや、アリス君に暴露されてしまったね。

 自ら迸るこの想いを口にしようと思っていたのに残念だよ。


「あのねぇ、私が男ダメだってわかってるでしょ!?しかもこんな格好……」


 そうは言いながらも彼女はチラチラとこちらを見ている。

 やはり気になって仕方が無い様だね。

 ああ、僕の魅力が彼女をくぎ付けにしているだなんて!!

 僕は興奮を隠せない。


「その割には割と普通ね……あんたの事だから悲鳴上げて泣き出すと思ったのに」


「まあ、そうなればボクもこいつ斬れたんだけどね」


 あれ、もしかして僕は命の危険にさらされていたのかな?

 だがそれすら乗り越えた。

 即ち、『愛の力』ということだね。

  

 それにこうやって普通に会話が出来ているという事は受け入れられている何よりの証。

 よし、ならば……


 僕はおもむろに膝をつくとそのまま……地面に頭をこすりつけた。


「リリィ君、本当に済まなかった!僕は本当に思いあがった愚かな男だった。君の気高き精神、ケイト君の為に怒った素晴らしき行いに僕は目が覚めたんだ。恥知らずだと思う。だが聞いてくれ、僕は君を好いてしまった様なんだ」


「あんた……」


 ちなみに『絶対踏んでくれ』とは言わない様ケイト君からきつく忠告されていたのでそこは守らせてもらう。


 本当は踏んでもらった方が誠意が伝わりそうなのだがね。だって、神様ですら心が動かされたのだよ?

 まあ、恐らく何度もすることでその価値が下がるとかそういう事が言いたいのだろう。


「ていうかあんた、何故その恰好なのよ!?」


「はっははは、これはモンティエロ家の男子にとってここ一番の時に行う正装だからね」


 そう。これは正装なのだ。

 今後彼女にプロポーズする際には是非ともこの格好でしたいと思っている。


 そして話題はやがて何故かこの場にいる謎の男へと移っていく。


「ていうか姉ちゃんさ、さっきから気になってたけどこの男の人とおばあさんは誰?」


 メール君の質問にリリィ君が答える


「そっちの男はタツルっていって一応私の相棒よ」


「え、姉ちゃんの彼氏?」


 彼氏だと!?

 待ってくれ、まさか異世界の男性と恋に落ちたというのか?

 男性は結構年上っぽいがこれは……新たな火種か!?


「何だって?おい、君!年上とは言え負けるわけにはいかないぞ。リリィ君をかけて勝負を」


「止めなさいバカユリウス!あんたと結婚する気なんかないし、タツルは相棒!わかる?あ・い・ぼ・う!!」


 わからない。クソッ、心がざわめく。

 これが嫉妬というものなのだろう。恋とはかくも苦しいものだ。


 貴族としては情けない姿だ。自分でも狭量だと思う。

 だが、それ程までにボクは彼女を好いているのだ。

 他の男との逢瀬など考えただけで涙が出て来るでは無いか。


 ケイト君たちは祖母だという女性を取り囲んで騒いでいた。

 お祖母様、か。流石にこの場に口を出すのは野暮というものだろう。

 リリィ君はこちらを見て何かに感心している表情を見せた。


「ふふっ、僕は空気が読める男だからね。割って入っていく程無粋では無いよ?」


「なら服を着なさいよ変態……」


 それ程まで目に毒というわけか。

 凄いなこの正装といい、謝罪方法といい。

 彼女との距離が一気に狭まった気がする。


こぼれ話

「異世界ハーフの家出少女」ではリリィとユリウスが結ばれるルートがいわゆる正史となりますが別ルートではユリウスはケイトと結ばれることになります。その場合、割と容赦なく家から放逐されてしまいます。

ちなみにリリィとケイトがユリウスと相性がいいのは『変態にきちんとツッコめる』からです。

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