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【完結】「最低」から始まる二人の異世界恋愛譚  作者: HOT-T
第2章 学生時代・異世界救援編
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第9話 我が家の正装に神がドン引きしていた

今回の話は「異世界ハーフの家出少女」28話直前の時系列になります。

ユリウスの編態度が加速しています。

 リリィ君を助ける為には異世界へ行かなければならない。

 その手段としてイシダは裏山に住む『神様』に頼むと言っていた。


 裏山には僕の他、ケイト君、アリス君。

 そして長男のホマレ君、四女のメール君が集まっていた。


「ちょっと待ってユリウス。皆を代表して言わせてもらうわね。ふざけてるの?」


「どういう事だね?僕は至って真面目だが……」


「いや、何というか……その恰好についてよ。鏡見せてあげるから確認してみて」


 ケイト君が鏡魔法を使い空間の一部を鏡にした。

 仕方なく自分の姿を確認する。

 ブーメランパンツと上半身は胸元を開いたシャツ姿。


「ふむ。全く何の問題もないね」


「問題だらけよ!あんた目がついてないの!?何なのその卑猥な格好は!?」


「何を言うか。これはモンティエロ家の男子がここぞという時にする正装だよ?」


 それは間違いない。

 幼い頃の話だ。トイレに起きた奥は途中でこの格好をしてウキウキした様子で寝室へ向かう父上に出くわした。

 何故そのような格好をしているか聞いてみると父上は最初困った顔をしていたがしばらく考えこう答えた。


『ユリウスよ。この格好はモンティエロ家の男子にとってここぞという場面で行う正装なのだ』


 謝罪の仕方といい、父上から教わったことはとてもタメになるものが多い。

 未来の妻を迎えに行くのだ。この正装ほど相応しいものは無いだろう。


「これリリィに見せて大丈夫かなぁ。何か事故に見せかけて始末した方がいい気が……でも頭数は多い方が安心だし……」 


「ホマレ兄ちゃん。あの変態がリリィ姉ちゃんの旦那さんになるの?」


「認めないぞ。姉さんに相応しい相手は俺意外にいないはずだ」


「ホマレ、あんた斬り捨てるよ?」


 アリス君が刀に手をかけていた。


「随分と物騒だね。内輪もめはいかんよ?」


「発端はあんただからね!!」


 何故かケイト君に怒られた

 そんなやり取りをしている内にいつの間にか場の空気が厳かなものへと変わっていくのを感じた。

 霧が立ち込め、神々しいオーラを放ち鎧を纏った男性が姿を現す。


「よく来たな。我が名は『クサビ』。人の繋がりを司る神で…………えぇ、な、何これ?」


 クサビと名乗った神様は動揺した様子でこちらを見ている。


「何か変な奴が混じっているのだが……どういうことだ?」


 神の問いかけにケイト君が額を片手で覆っていた。


「どうしたんだいケイト君。誰か変な奴が混じっているのか?」


「あんたの事よ……」


 ため息をつきながらケイト君が鏡魔法を使う。

 

「僕が?どういうことだろうか……」


 自分の格好を鏡で確認して気づく。


「ああっ、シャツの襟が曲がっている!申し訳ありません。神前で何という非礼を」


「だから違う!ああダメ、もう頭がおかしくなりそう……」


 嘆くケイト君をアリス君が慰めている。

 美しき姉妹愛とは正にこの事を言うのだろう。

 

「神よ。僕達をリリィ君が送られた異世界へ連れて行っていただきたい。その為に僕はこの格好で来ました。この格好こそが僕があなたに捧げる誠意の印です!!」


「ちょっ、止めてよ!神様が怒ったらどうするの!?」


「えぇ……もしかして男色の神とかと勘違いされてるのかなぁ……そう言うんじゃないけどなぁ……」


「神よ!是非とも!!」


 神の前に歩み出て土下座をして……


「なっ!?」


「僕を踏みつける事で、異世界行を許していただきたい!大切な人に危機が迫っているのです。何卒!!」


 力の限り叫んだ。


「怖っ!人間の進化怖すぎる!?え?この前の少女といい人間ってこんな予想外の生き物だったっけ!?」


「最悪の展開やっちゃったじゃない!!」


 ケイト君も叫ぶ。

 まさか、何か手順を間違えたというのか!?


「非礼があったのなら詫びます。ですが何卒、何卒お願いします!!」


「わ、わかった。先日異世界へ行った少女の所だな?良い、皆を送ってやる。だから頼むからこの頭がおかしい男を何とかしてくれ!!」


 そして僕達は異世界『地球』へと降り立つのだった。

こぼれ話

前話と合わせて分かる通り、ユリウスの変態ぶりは完全に父親の背中を見て育ったせいです。

当然、モンティエロ家にそんな正装はありませんが母親が「面白そうだから」と否定しなかったのでいまだに信じ続けています。


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