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ふとんの中で

作者: 星野☆明美

眠る時間帯がずれ始めていた。

毎日、これをあげたらあの人は喜ぶかな?という仕掛けをいくつも用意して、それが叶うたび、新しいことを準備する。

そして、これをやったら私は嬉しいかな?という仕掛けの準備もやって、実に幸せな気分で眠りにつく。

ふとんの中で、いろんな夢を見るけれど、薬を飲み忘れたら、夢の話の方向が、恐ろしいものへ変貌するから、慌てて起きて、心臓ばくばくで薬飲んで、もう一度眠りにつく。

暗い部屋の中で、セキセイインコと金魚がみじろぎをする音。

窓の外のベランダから、向こうの建物の常夜灯がポツポツと灯っているのが見える。極度の近視だから、光は多重に見える。

ふとんの中で、幸せだな、今死んだら、一番かな?とふと思い、いや、まだあの仕掛けの結末を見ていない。まだ死ねない、と思い直す。

私がいなくなったら、セキセイインコと金魚と離れて暮らす家族たちがどうなるだろう、って、とても心配だ。

死ぬ時は、ふとんの中で、夢を見ながら死にたい。自分が死ぬのを知らずに死にたい。

そして、心は相反する。

生きたい。まだ見てないこと、やってないこと、沢山ある。

やじろべえみたいにぐらぐら揺れるのに、釣り合いが取れているようだ。

きっと私はずぶといのだろう。そして、ひよわでもある。

二律背反を手のひらで転がして、今夜もおやすみなさい。

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