2 ××1年8月17日☔︎
2××1年8月16日☔︎
ピッグが消えた。
見つからない。
親戚が家に来ていた間にいなくなったみたい。
親戚の誰かが盗んだとは考えたくない。
あまりよく知らない人たちだからこそ疑いたくない。
お供物におれの好きなゼリーやハムを持ってきてくれる人たちだからっていう単純な理由もある。
おれは昨日家に来た人にピッグを見ていないかを確認した。
誰もピッグを見ていないし、知らなかった。
今日になって家が落ち着いてもどこにも姿がない。
ママにもパパにも聞いてみたけど親戚が来る前の朝以降姿を見ていなかった。
嵐の中、一体どこに行ったんだろう。
家のどこにいてもわかるくらい雨音がする。
吹き飛ぶ雨風の強さにベランダの扉を一瞬で閉めた。
ずっと雲から雷が落ちる場所を探して鳴っていて、それをのぞいている窓にうつった自分の顔は途方にくれていた。
ハルくんからピッグを見かけたって連絡がきた。あたりが白くなるほどの雨だったから見間違いかもしれないとそえて。
灯台に向かって歩いていたと聞いてすぐ向かいたかったけどパパに止められた。
荒れた海に近づくのは危ないからだ。
必死な説得におれは耐えることにした。
おれと同じようにパパがおれの心配をしているのがわかったからだ。
もっと大切にしていたらこんなことにならなかったのかな。