2 ××1年8月24日☔︎
ハルくんとエマ姉ちゃんがうちに来た。
おれに大事な話があるらしい。
2人はリビングに招かれた。
ママが麦茶を入れて、2人と対面するようにおれのとなりに座った。
ハルくんがうつむいていて顔が見えず、固い表情のエマ姉ちゃんがそれを横目にみておれに話し始めた。
台風の来る前、ハルくんは習い事の帰りにピッグを見つけ、家に連れて帰っていた。
ハルくんはピッグを裏庭の倉庫に隠して内緒にしていたらしい。
その倉庫はエマ姉ちゃんの迷宮探索で使うものを保管している倉庫だった。
そこにうろうろしている弟をエマ姉ちゃんは問い詰めてピッグをとったことを知った。
その時「盗ってない!かくまったんだ!」と顔を赤くしてハルくんは大声をあげた。
それを聞いておれははじめてハルくんがおれのピッグに対する態度に不満をもっていたことに気がついた。
おれは「ピッグのこと探すの助けてる振りしておれのことだましてたんだ」とつぶやいた。
ハルくんはまたうつむいて体を震わせていた。
エマ姉ちゃんはそんな弟の頭をつかんで下げさせてごめんなさいと謝った。
ママが机の下で手を握ってくれておれは一つ深呼吸をして感情をおさえた。
けれど考えた口から「友だちだと思ってたのにな」という言葉が皮肉げに出た。
2人が帰った夜、おれはエマ姉ちゃんに詳しいことをメッセージアプリで尋ねた。
ハルくんは21日の朝にピッグはいなくなって探していて、それを見たエマ姉ちゃんはハルくんの隠し事に気がついたらしい。
倉庫はハルくんが用意した段ボールに毛布やボール、ラジオなんかが置いてあって連れ去られた形跡はなかったらしい。
そもそもそこはきちんと整理整頓されていなく、埃がうっすら被っていたんだそうだ。
エマ姉ちゃんは倉庫の写真を何枚も送ってくれた。
倉庫らしき扉の内側には不自然に盛られたような灰が映っていた。




