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8.信頼

「僕に信じて欲しがってるゆえ、君が信じられる。」

.

.

.

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「内に行くな...兄さんが見つけない所へ連れてくれ。」夜月が虚弱な声で言った。


夜月が雲から落ちて怪我した。郁の爪で引っ掻き傷が一番酷かった。全身が痛みしか何も感じないというところだ。意識を持つうちに、内へ行かぬって言った。


夜月「この格好が夏兄さんに見られたら、兄さんがまた罪悪感に陥るようだ。もともとこの傷は兄さんと関係ないし、修練のせいではないし、僕の我がままだから。アッ、まだ郁に『大丈夫』って言わなかった...」と思っていたら意識を失った。




「痛い...」目が覚めて、相変わらず痛みしか何も感じない。

「夜月!」キツネ

郁が夜月にくっついてる。


「馬鹿!あの木が強い魔力で守られてるよ。そうやって触るのは、裸で飛んで来る隕石を止めるのと同じようだ!」


「ごめん、二人を心配させた。暫く一緒に遊べないね...

 そして、キツネ。もう一つの頼みがあるけど...僕の傷が癒えるまで僕にかわり、夏兄さんたちと一緒にいてくれ。キツネなら、完璧に僕に変身できるでしょう。」


そんな真剣な目つきで見られているだから、断れなかった。

「しようがないね...友達のことだから。」


「ありがとう、キツネ。郁もキツネと一緒に帰ろう。

 兄さんたちが知ったら大変だよ。絶対だめ!!頼む!」



完璧な変装のために、夜月がキツネにいっぱい教えた。

この間に、郁が魔力で夜月の傷を治療してみた。


「もう良いよ。はやく帰ろう。僕も自分で傷を治療してみるから、心配しないで。」


「神器にとって、主の神力が一番良い薬だけど...

 ここは結界があるから、安全というものだ。ここなら、見つからない。とにかくここから出るな!またく心配させるやつだ...」


キツネと郁が出かけた。




-----------------------------------------------------------


あと数日


郁の治療のおかげで、体がなかなか動ける。でも、夜月の魔力で傷が癒し難い。郁が毎日来て、夜月の傷を少しずつ治療して上げる。


「キツネがここ数日来なかったことから、事情がうまく進んでいるだろう。あの晩帰らなかったことをちゃんと説明したかな。


この家は寂しさの気味が濃い。キツネの寂しさを感じる...一人で一人の家へ帰ることがそんなに苦しいか知らなかった。寂しいって言えば、もっと遊んで上げるものを。」横たわってる夜月が郁に言った。



夜月は発動なしに、この所で起こったことが詳しく見えないけど、強い感情を含む場面が少しく見える。そして、テレパシーのように関係者の感情が感じられる。



「今僕らの家で、夏兄さんと紅葉君の傍にちょっと幸せになれるかな?キツネが

 ......

 もし、僕がずっと帰れなかったら、兄さんが気付けるかな?ばれたくないが、兄さんが気付けて欲しい。自分の気持ちと考えさえだんだん分からない。

 ......

 今ここにいる僕が本当の僕ですか?若しかすると僕が誰かの望みで生まれたものかもしれない。執事になる魔獣のような存在だ。」


夜月が寝てしまった。

夢の中で誰か言った。「君が俺の望みだと言えば、君を持ち得るか?お前さえ信じれば、事実になる。」




「寒い...暖かい郁を抱っこしたい。」キツネの家が雪山にある。夜中に寒すぎで、夜月がよく寝られない。


結界が解けたせいで、もっともっと寒くなった。キツネは夜月が耐えないと思うだにしなかった。神獣や妖怪にとって、この程度はなんでもないから。



「月!!」夏目がついにキツネの家を見つけた。


夏目が倒れている夜月を見て、イライラした。夏目が冷えている夜月を抱えて、神力を伝えるべく、夜月の額にキスをした。実はキスするまでもなく、触るのたりとも神力を伝え得る。


相変わらず痛みと寒さしか夜月が何も感じなかった。何も知らなかった。




夜月が終に目覚めた。やつれる夏目の顔を見たところ、とても後悔した。


「月は執事じゃない!俺もぼっちゃんになりたくない。心配させてもいいし、我がままでもいいし、ただ消えるな!馬鹿。」夏目が自分の顔を覆った。


泣きじゃくる夏目の声を聞いたところ、夜月が涙を禁じ得なかった。

でも、同時に嬉しかった。


夜月「僕は何で今まで知らなかったか...愚かね。

夏兄さんは、僕が好き...僕が兄さんを愛するほど僕を愛している。ただ愛の成分が違うきりだ。これは寂しいことじゃない。

兄妹といい親といい恋人といい友達といい、この愛は純粋じゃなくて、どっちか簡単に噛み分けない。僕らの唯一無二の愛だ。」と思っている。



「ネ、兄さん。実は僕が魔獣だと疑ったことはないか?」夜月


「ないよ。俺が月の太陽のことだから、知ってる。ここにいるお前よりお前らしい人はない。

 言っただろう。俺の月になるかわりに、俺がお前を守る。俺を信じろ!必ずお前を助けに行く!信じさえすれば、きっと間に合える。」夏目


「......」夜月が感動するといったらありはしない。



「俺も紅葉が俺たちを迎えに来ると信じる。」

「信じるよ。でも...最初から紅葉君と一緒に来ればいいじゃない?」夜月が突き込んだ。

「...突き込まないで」

二人も笑った。そして、紅葉が到着するまで待ってた。




「羨ましい...そんな感情を知りたい。君を笑わせる人になりたい。」

誰か二人を眺めている。




-------------------------------------------------------------


夜月が一週ぶり内に帰った。郁がもう家の外で待っている。


「ただいま。」夜月が郁を撫でて、見回した。

「キツネは?」

郁が甘えるとばかりに、夜月を舐めて、後ろに向かった。


「キツネ?ここで何をしてるか?」

キツネが家の裏で睨んでいた。郁のせいでばれてしまった。


夜月がじっとしてるキツネへ歩いて行ってから、キツネを抱き締めた。


「ただいま。ご苦労様でした。僕のために、頑張ったね。

 ありがとう、キツネは僕の一番最高の友達だよ!」

「...何で?責めないの?」

「見ろ!こいつが今幸せそうだろう。君の選択が正しい。」夏目

「そうよ!今度は僕がキツネの望みを叶わせよう。」

「いいの?」

「いいよ。言ってみろ。」夏目


キツネが迷っていたら、ついに言った。


「名前が欲しい...」赤面してしまった。


夜月がちょっと驚いた。キツネが「一緒に住んで欲しい」って言うと思いきや、これは意外な望みだ。


「僕がつけてもいいの?」夜月

「ウン...」



「雨が好き?」夜月が考えぬいて、何か思い当たった。

「嫌いじゃない。」

「セー.ウ、どう?」

「晴雨か。確か...」夏目


キツネがまだ反応できないうちに、夜月が話し続けた。


「僕が前に住んでいた世界にいろいろ言葉があるよ。その中で晴雨は狐の雨と呼ばれる言葉がある。狐の雨は、優しくて、癒される雨だよ。」


「君らしい雨だぞ。

 その間に、俺たちも君の優しさを感じた。ありがとうね。」夏目


「晴雨、何時も来たがったら、来てくれる。待っている!」夜月



キツネはこの名前を気に入る。

そして、雨も好きになったそう。



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