3.絆
「違いがあっても区別しない。
正しいといえば、純粋を最大限に表した異世界がもっと近くないか?」
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異世界の夜が短い。彼女が寝なくていろいろなことを思い出した。
彼女と夏目の出会いは、彼女が小学生の時だ。中学生の夏目が彼女の隣家に引っ越した。夏目の両親が離婚してから、夏目がお婆さんと住み始めた。夏目のお婆さんが幼い彼女をよく家に呼んだ。それをきっかけに、夏目と仲良くなった。
夏目が高校三年生の時に、彼女が同じ高校へ来た。あの一年は彼女にとって一番楽しい学校生活だった。同じ部活まで一緒の時間が増えた。彼女が他の男性に好感を持ったこともあるものの、夏目に対する感情しか愛ではないことに気付いた。
その感情に触れるにつけ、涙を漏らすようだ。
「異世界まで出会ったからには、手を放さないつもりです。」
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彼女が部屋から出た。この家は夏目のお婆さんの家が似ている。
「もう起きたか?」夏目が別の部屋から出た。
「ウン、ところで、異世界の夜が短いね。」
「そうだよ。この世界で寝なくても大丈夫なものだから。」
「ヘ―、時間がたくさんあることか。」
二人が庭に向かって座る。
この庭に大きな木があって、秋の景色を見せる。
「此の世界が今夏じゃないか?」
「異世界の時間といい季節といい明確じゃない。今日は秋で、明日は冬かもしれない。こっちは秋で、あっちは夏でも可笑しくない。そして、時間の感覚がとても鈍い。体が時間にしたがって、変化しない。
つまり寿命がないし、忘れることがありえないし、無限の時間でしたいだけの事をして、好きな人と欲しいだけ生きるということだ。」夏目が真剣な顔をしてる。
「長生不老か?」
「マア、その感じ。でも、酷い傷付いたり異世界との絆を無くなったり、消えないことはない。」
「絆?」
「ここで生きてる理由だ。」
彼女はなんとなく夏目が言い出さないことが分かるようだ。夏目が押し込める感情まで知ってるような感じだ。全部が彼に関わるだろう。
「此処で兄さんと一緒に暮らしたいけど、元々実の兄妹じゃないし、この6年間音信不通で連絡をとってないし、兄さんにしたら、私が嫌な存在ではないかな?兄さんの望みが恋人に会うことなら、私が何を希望しようかいい?」彼女が心で思っている。
「今日は外の世界を見てみようか?ずっと魂になれば危険だから、したいことに応じて、何になるのを決めるさ。」夏目が立った。
「式神さんに言わないか?」
「紅葉が俺の式神だから、テレパシーがある。」夏目が得意に言った。
「兄さんが名前を付けたか?じゃ、犬の名前は?」
「郁だよ。郁が本来ある神様の神獣だった。あの神様が郁を俺に任せた後で、消えた。事情があるみたいで、俺たちいかに探しても見つけない。」
「そうか...郁が可愛いのに」
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家が森の中にある。ちょっと歩むと、森から出られる。森から出てから、二人が昨日出会った道に沿って歩いてる。
「俺は此の異世界が素晴らしいと思ってる。ここに神や動物や妖怪や神獣などいろいろな存在があるが、皆がわざわざ種類と性別を区別しない。生物であるかぎり、誰も望みの力で身体を変えるわけだ。誰も特別な存在だけど、ただある生物としてここで生きているのみだ。そして、自分が認める正義のために戦って、大切なものを守るきり。」
「私の正義...」彼女がこの話を聞いて、動悸がした。
二人が山の頂上に到着した。見たことのない景色が眼下に広がって、見晴らしがよくなった。歌える花や、走る草や、水面の建物や、七色の空と海に加え、全てが彼女を感動させる。
「気になる...手に入れるほど」
「そうか...良かった。」話の意味が何によって好きにならなくて異世界の本質が好きだから良かった。
雲の上で小粒の光が大きな木を廻っている。いろいろな色の光があの木に触れる瞬間に白くなった。
「あれは異世界を支え、心臓としての木だ。名前が多すぎ、お前も好きに呼んで。」
「コイ。この世界と恋する。」彼女がもうあの木に目が離せない。
しばらくの間にずっとあの木を見つめていた。
そして、彼女が決めた。異世界でたくさんものと絆繋いでいく。
「ネ―、夏兄さんがしていることを僕にもさせてくれ。
それも僕のコイんだ。」彼女やっと喋った。
「分かった。そのかわりに、俺が新たな名前を付けて上げる。
一つ絆としてのプレゼントだ。」